聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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632部分:第九十一話 聖域への攻撃その二
第九十一話 聖域への攻撃その二
「神の先の先を読んでこそだ」
「先の教皇と同じくですか」
「あの方は務めを果たされた」
シオンの中にはその時の記憶も残っていた。遥かな昔の戦いの日の記憶だ。
「だからこそ私も」
「そうされるのですね」
「御前もだな」
シャカ自身もそうだと言うのだった。
「そのつもりだな」
「人には運命があります」
シャカはそれに応えて述べた。己の言葉をだ。
「私もまた」
「バルゴのシャカよ」
その星座まで呼んでみせての言葉だ。
「頼んだぞ」
「わかりました」
これで話は終わった。シャカは処女宮に戻った。処女宮に務めている者達がすぐに彼を迎えてきた。
「お帰りなさいませシャカ様」
「まずは何にされますか?」
「ご昼食ですか?それともお風呂でしょうか」
「どちらも用意をしてありますが」
「今はどちらも」
シャカは相変わらず目を閉じたままであった。そのままで彼等に告げるのだった。
「それよりも貴方達は今は処女宮から離れるのだ」
「といいますと?」
「何か」
「休み時間ということです」
こういうことにしたのだった。
「ですから」
「休み時間ですか」
「今からですか」
「そう、今から全員です」
また言うシャカだった。
「いいですね」
「ではその間は」
「我々は一体何処に」
「この処女宮から離れるのです」
それをせよ、というのである。その口調は絶対のものであった。
「宜しいですね」
「ではその間は」
「その間の雑事は」
「昼休みです」
やはり有無を言わせない口調である。
「わかりましたね」
「そこまで仰るのなら」
「我々は」
彼等もそこまで言われればであった。頷くしかなかった。何しろこの処女宮の主はシャカである。その言葉は絶対のものがあった。従うしかなかった。
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「ではそういうことで」
彼等を見送る言葉も出したのであった。
「御願いします」
「はい、それでは」
「我々はこれで」
こうして彼等は今は処女宮を後にした。シャカはその誰もいなくなった宮殿の中央に座した。座禅を組み宙に浮かんでいる。その彼にだ。
『いたか』
『そこにいたな』
『黄金聖闘士』
『聖域を護っているのか』
「その通りです」
声は四つであった。その四つ全てに応えたのである。
「貴方達が来るのはわかっていました」
『ということはだ』
『我等の復活を見越していた』
『そしてそのうえで』
『既にここにいるのだな』
「そうです」
まさにその通りだと言い切る。
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