聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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621部分:第八十九話 地下神殿その六
第八十九話 地下神殿その六
そしてアルデバランとドーマは。力比べに入っていた。
お互いに手を組み合いそのうえで押し合う。そうしながらドーマがアルデバランに対して言ってきたのである。その言葉とはである。
「やはりな」
「どうしたというのだ?」
「このドーマの力は魔神の中で随一だ」
まずはこのことを言ってきたのである。
「俺に力で勝てる者はいない」
「そうだというのだな」
「その俺にだ」
アルデバランを見据えながら言っていく。
「互角の力を出すとはな」
「こちらも言っておこう」
今度はアルデバランからの言葉である。
「このアルデバランの力はだ」
「どうだというのだ?」
「黄金聖闘士の中で随一だ」
彼も同じであった。
「力で誰かに遅れを取ったことはない」
「貴様もだというのだな」
「そうだ。その俺と互角とはだ」
「このドーマの力は大地をも覆す」
「このアルデバランの力は天を支える」
どちらもこう言っていく。
「その力と競り合うとはだ」
「やはり尋常ではないか」
「闘いがいがある」
ドーマはアルデバランを見据えたままだ。そのうえで言ってきたのである。
「タウラス、貴様はな」
「それはこちらも同じだ」
「力と力だな」
「どちらが上か」
その勝負であった。
「今こそ決める時だ」
「その通りだ」
こうして二人は力比べを続けていく。まさにニ匹の雄牛が角を突きつけ合っていた。それが彼等の闘いであった。力と力の攻防である。
ミロの相手はサリアだった。サリアはその目でミロを見据えて。そうして言ってきたのである。
「マチュピチュの時以来だな」
「そうだったな」
「あの闘いのことはよく覚えている」
まずはこう告げたサリアだった。
「よくな」
「それはこちらも同じこと」
ミロを見据えながら話していく。
「忘れる筈もないことだ」
「あの時は決着がつかなかった」
サリアは言いながら闇の翼を左肩から出した。しかしそれはミロが爪から放った光により消された。右手の人差し指から放った光で、である。
それで消したうえで。さらに言ってきたのであった。ミロからであった。
「それでここでだというのだな」
「そういうことだ。それにしてもだ」
「今度は何だ?」
「私の今の魔を消したな」
そのことを言ってみせた。
「その爪の光でな」
「それがどうしたというのだ?」
「私の今の魔を消せた者はいなかった」
そうだというのである。
「これまで一人もだ」
「いないというのか」
「そうだ、いない」
このことを言葉に出し続ける。
「スコーピオン、貴様を覗いてだ」
「俺だけだというのか」
「スコーピオンにだけだ」
サリアの言葉は妙に含んだものだった。しかしその含んでいるものが何かまではミロには察することができなかった。少なくとも今生きている中においてはである。
「それ以外の者は今ので終わっていた」
「そういうことか」
「そうだ。さて」
サリアはまた言ってきた。
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