転生とらぶる
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ガンダムW
1543話
OZの査察が決まり、その後は迅速に動き出す。
連合軍のような巨大な組織の場合、動きが鈍いというのがお約束なんだが……それだけ連合軍の上層部でOZの動きに怪しいものを感じたという事だろう。
連合軍から派遣された軍人との打ち合わせも完了し、俺がノベンタの執務室に呼び出された2日後には既に査察の準備が完全に終わって査察へと向かう事になった。
それだけノベンタを含む連合軍上層部がOZに対して怪しい……胡散臭いものを感じ取ったのだろう。
「アクセル代表、よろしくお願いします」
そう言って俺に敬礼をしてきたのは、縦ロール……と言うのか? そういう髪型をした、女の軍人。
この人物が誰なのか、俺は当然知っていた。
サリィ・ポォ。
原作でも色々と活動していた連合軍人で、有能な人物なのは間違いない。
……そう、このサリィが査察の責任者となったのだ。
俺の記憶が正しければ、サリィは軍人は軍人でも、軍医だったと思うんだが。
実際、ヒイロが捕らえられた時はその調査をしていたし。
まぁ、最終的にはゲリラになったり、色々と武闘派になってたけどな。
少なくても、今はまだ軍医であって査察を行うような軍人ではない……筈だ。
それでも連合軍がこうして派遣してきた以上、俺からは何も言えないが。
「ああ、よろしく頼む」
そう言って握手を交わす。
本来ならこういう時は敬礼をするんだろうが、俺が軍人ではなく傭兵だというのを知っている為に握手を要求してきたのだろう。
「ちょっと、綾子。どう思う? 何だかあのサリィって女、アクセルの好みじゃない?」
「う、うーん……それは否定出来ないな。けど、幾ら何でもそう簡単に女に手を出すような真似を……いや、あたし達の事を思えば」
「でしょうね」
そんな風に俺の後ろで話している凛と綾子だが、当然その声は俺に聞こえている。
幸いなのは、混沌精霊の俺だからこそ聞こえているというだけであって、サリィには聞こえていないという事だろう。
「これから出発し、今夜は補給も兼ねて途中にある連合軍の基地で一泊、明日の昼前には査察予定のOZの基地に到着します」
「高速輸送機って名前の割りには、あまり速度が出ないんだな」
「MSを乗せての移動ですから、どうしても普通の輸送機よりは……スペシャルズの機体であれば、もう少し早くなるのでしょうけど」
ああ、そう言えばスペシャルズの方がロームフェラ財団のバックアップがある分、技術力としては上なんだよな。
MDとかも開発したのはOZだし。
トールギスの件もあって、それなりに技術は習得している筈だが……やっぱり技術力という意味では、連合はOZに及ばないらしい。
「分かった。それで、俺達が泊まる連合軍の基地というのは、あまり心配しなくてもいいんだよな?」
何の事を言っているのか分かったのだろう。サリィは一瞬だけ表情を引き締めた後で頷く。
「はい。ガンダムが現れたとしても物量で対処する事になるでしょう。また、その際にはアクセル代表にも期待したいのですが? 私が聞いたところでは、アクセル代表のトールギスは単機でガンダムと互角に戦えるという話ですし」
「ああ、そうだな。もしそこにガンダムが出現すれば、こちらも対抗する事になるだろう」
呟き、一瞬だけ綾子の方に視線を向ける。
今回綾子が持ってきているのは、トーラス……ではなく、エアリーズだ。
残念ながら、トーラスの地上用への改修は未だに終わっていない。
この辺も連合軍の技術力が低いと言わざるを得ない理由か。
トーラス本体の方はそれ程時間が掛からずに改修が完成するらしいが、トーラスカノンが問題だ。
ともあれ、そんな理由から今回の査察には綾子の機体としてエアリーズが持ち込まれている。
今の綾子の腕は、連合軍の精鋭部隊……俺と模擬戦を行っていた者達と遜色ない。
この短時間でここまで技量が上がるというのは、連合軍の軍人にとっては信じられないものだろう。
一緒に組んで俺のトールギスに戦いを挑んでいても……いや、だからこそ自分達の連携を崩さない綾子の技量は、連合軍のエアリーズパイロットにとっては驚くべきものだった。
……まぁ、精鋭と言ってもあくまでも一般の兵士の精鋭だ。
連合軍ではなくOZの方にも目を向ければ、中の上……いや、上の下まではいけるか?
そんなところだ。
とてもではないがゼクスのようなエースパイロットには及ばない。
もっとも、それは俺も元から織り込み済みだが。
「そうして貰えると助かります。では……何か質問があったら、聞いて下さい」
笑みを浮かべ、サリィが去って行く。
それを見送った俺達は、MSを高速輸送機に運び入れるべく準備を開始する。
……まぁ、サリィについてどこか疑わしげな視線を向けられながらだが。
高速輸送機が旅立ってから、数時間。
現在客席……と呼べる程に広くはないが、ともあれ俺達はそこで寛いでいた。
幸いガンダムに襲われるような事も、今のところはない。
この高速輸送機はOZではなく連合の所属だから、何か妙な事がない限りは安心だろうが。
「アクセル代表、ガンダム……についてどう思います?」
座席に座って世間話をしていた、俺、綾子、凛、サリィ。
そんな中で、不意にサリィがガンダムについて話を振ってくる。
「ガンダム? 何でまた急に俺にそんな事を?」
サリィがガンダムについて興味を抱いているのは知っている。
いや、正確にはガンダムのパイロットに、か。
ヒイロがウイングガンダムを破壊しようとして、デュオとやり合った後、それを捕らえたのがサリィだ。
正確にはサリィの部隊が捕らえたのか、それとも他の部隊が捕らえた後に軍医のサリィに引き渡されたのか……その辺の詳しい事情は分からないが。
ともあれ、サリィはヒイロをガンダムのパイロットだと疑っている。
いや、確信を持っている訳ではないが、恐らく間違いないだろうと判断しているというのが正しいか。
それだけに、サリィにとってガンダムのパイロットというのは興味深いものなのだろう。
原作でもサリィは多くのガンダムパイロットと関わる。
ヒイロ、五飛……カトルとは直接関わっていなかったが、サンドロックを破壊しようとして、それを取り戻そうとしていたマグアナック隊と鉢合わせていたし。
最終的にはガンダムが母艦としていたピースミリオンに合流してたしな。
そう考えれば、今の質問も理解は出来る。
「アクセル代表の操縦するトールギスは、単機でガンダムと戦えるだけの性能を持っていると聞いています。つまり、今の連合軍にとってはアクセル代表は対ガンダムの切り札。そのような方がガンダムに対してどう思っているのか、気になるのは当然では?」
「そうだな……まぁ、そういう事にしておくか」
本心がどこにあるのかはよく分からないが、それでもサリィは陰謀を企むような性格ではない。
であれば、こうして話をするのも構わない、か?
「ガンダム……というのは、実際には強力なMSだけど、1つだけ特徴がある。それが何か分かるか?」
「特徴?」
「ああ。ノベンタの下にいれば色々と情報が入ってくるんだが……ガンダムというのは、あくまでも単独で行動する事を前提として作られたMSだ。リーオーやエアリーズのように、組織戦を前提としている機体じゃない」
この辺は原作でレディ・アンが言っていた内容そのままだが、決して間違っている訳ではない。
レディ・アンもトレーズに対する狂信とかいう盲信がなければ、有能なのは間違いないんだよな。……コロニーの破壊やニューエドワーズの基地を自爆させるような極端な真似を好むのはともかくとして。
「……そうなのですか?」
「ああ。まぁ、ガンダムの性能は今のところあまり知れ渡ってないから、知らなくてもしょうがないけどな」
「なら、リーオーやエアリーズを使えば、どうにかなるんじゃないの? 単体じゃなくて、消耗戦で」
俺とサリィの話を聞いていた凛の言葉に、確かにとサリィが頷く。
だが、事はそう単純ではない。
質で量を凌駕するというのは、それこそ彼我に圧倒的な能力差が必要となる。
シャドウミラーがこれまで行ってきた戦いでは……BETAとの戦いが最も顕著に質で量を凌駕していると言えるだろう。
「そうだな。ガンダムは強力なMSだが、真っ正面から立ち向かって質で量を凌駕するという訳にはいかない。今までそれが成功してきたのは、単独の……それも奇襲だからだ」
もっとも、カトルみたいにマグアナックと協力して動いているMSもいるんだが。
組織戦に長けたMSはないと表現したが、サンドロックは別だな。
単機の攻撃力という面では恐らくガンダムの中で最低レベルだろうけど……原作では最終的にガンダム達を指揮してたし。
「ま、奇襲が有効なのは間違いないよな」
しみじみと綾子が呟くが、その辺は聖杯戦争やそれが終わった後での色々なゴタゴタで経験にしてきた事なのだろう。
「正面からぶつかればガンダムは負ける。それが分かってるから、ガンダムも奇襲を前提としているんだろ」
そんな風に話しながら時間を潰し……やがて輸送機は予定通りに一夜を過ごす為の基地へと到着する。
既に外は薄暗くなっており、夜と呼ぶのに相応しい時間だ。
ノベンタやセプテム、ベンティ直属の命令でこうして査察に向かっているので、当然寄った基地での待遇も最高のものだった。
……まぁ、連合軍の軍服を着ているサリィはともかく、俺達は最初胡乱な目で見られたが。
それでもサリィからノベンタ直属の傭兵部隊だと聞かされれば、向こうも妙な真似は出来ない。
夕食も豪華な料理が用意され、折角だからと俺は思う存分食べまくる。
俺達を接待したお偉いさんの頬が若干引き攣っていたが……まぁ、料理自体は美味かったので問題はない。
「では、明日は午前7時に出発しますので、それまでに準備の方は整えておいて下さい」
サリィの言葉に頷き、その場で解散となる。
もっとも、まさか夜遊びをするような時間がある訳でもないし、大人しく部屋に戻るだけだが。
当然ながらと言うべきか、残念ながらと言うべきか、俺と凛、綾子の部屋は別々となっている。
その辺は少し残念だったが……しょうがないと言えばしょうがない。
まさか自分達の拠点でもない場所でそういう行為をする訳にもいかないし。
それでも恋人同士の時間を過ごすという事で、俺に用意された部屋に凛と綾子がやってきた。
別に何か特別な事をする訳でもなく、ただ3人で話したりするだけだ。
「アクセル、サリィに随分と親切だったわね」
食後の紅茶を飲みながら、凛がそう告げる。
言葉では文句を言っているが、凛が俺を見る目には笑みが篭もっている。
……最初にサリィと会った時は、色々と怪しんでいた筈なんだが。
今日1日でサリィを俺が口説かないという確信でも得たのか?
「そんなに親切って訳じゃないと思うけどな」
そう答える俺は、綾子の膝の感触を後頭部に感じながら言葉を返す。
俗に言う、膝枕という奴だ。
そして綾子は俺の髪を撫でながら笑みを浮かべる。
「あたしから見ても、アクセルは十分にサリィに優しいと思ったけどね。……もう少しあたし達に優しくしてくれてもいいと思うんだけど?」
「そうか? うーん……なら、今度暇が出来たら3人で海水浴にでも行くか?」
「海水浴って……まだ4月よ?」
溜息と共に呟く凛だったが、何もここ……ヨーロッパで海水浴に行きたいとは言ってない。
「別にここじゃなくても、常夏の島辺りは探せば幾らでもあるだろ」
「ふーん、それはいいかもね。……でも、アクセルが期待しているのは、私達と一緒に泳ぐ事よりも私達の水着姿でしょ?」
「それは否定しない」
即座に凛に返すと、俺の頭を撫でていた綾子が軽く頭を叩いてくる。
「少しは否定しなさいよ」
「そうか? 凛と綾子の水着姿を見れるんだから、それが楽しみじゃなくて何だって言うんだよ?」
「……全く……」
ふて腐れたように視線を逸らす綾子だったが、頬が真っ赤になっているのを隠す事は出来ない。
何だかんだと、突発的な事態には弱いんだよな。
そういうところが綾子らしくていいんだが。
凛の方はと視線を向けると、綾子程にではないがやっぱり照れくさかったのか、頬を薄らと赤く染めている姿が見える。
「ま、海水浴に行くにしても、暫くは忙しいからもう少し後になるけどな。それこそ、夏くらいになればこっちも暇になるかもしれない……うん?」
衝撃を感じ、ふと言葉を止める。
勿論実際にこの基地に何か衝撃があったのではなく、少し離れた位置で起きた衝撃がこちらに伝わってきたといった感じだ。
綾子の膝枕から起き上がり……同時に部屋の通信機が着信の音を鳴らす。
俺が立ち上がった時には、既に凛も綾子も歴戦の戦士――魔術師含むだが――の顔付きへと変わっていた。
俺もまた意識を切り替えながら、通信機を取る。
映像モニタ付きの通信機に映ったのは、サリィ。
『アクセル代表、現在この基地の隣にある軍港にてガンダムの襲撃が起きています!』
「……へぇ」
『それで、アクセル代表に出撃して欲しいと要請が来ているのですが、どうしますか?』
サリィの言葉に、俺は笑みを浮かべて頷くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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