世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
恋姫†無双 ~北郷、援軍に助けられるのこと~
矢が放たれ、次々と突き刺さっていく。
「ぐっ!」「ガァッ!」「ぎゃあ!」「ぐお!」「いぎゃ!?」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドオッッ!!
だが倒れ伏している兵に一人たりとも北郷軍はいない。
みな白装束である。
「ほう・・・あなたたちは・・・・・・!!!!」
于吉が驚愕の声を上げ、全武将が荒野の方を見る。
そこには・・・・・
「あのちっこい姿・・・・・・まさか・・・・・」
「さあ!魏の勇士達よ!!!我等の強さを、姿形だけの人形共に見せ付けてやれ!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
現れたのは大陸最強の国家と謳われた、「魏」の旗を背後に靡かせ、その大軍勢を引き連れた、曹魏の覇王、曹猛徳!!
その眼光が捉えた敵を、彼女の手足が討ち滅ぼす!!
「愛紗!!こんなところでへばってるんじゃないだろうな!!」
「ふ、まさか。だが礼は言う!助かったぞ!春蘭!!」
「華琳!!!!来てくれたのか!!」
「あなた、私を捕虜にしたとき言ったじゃない。「特に自由を制限しない」って。だから私は私の意志でここに来たの。それと・・・・(ゴガン!!)」
「アダッ!?」
華琳が蒔風の頭を己の鎌、「絶」の柄で殴る。
「だぁ~れが「ちっこい」ですってぇ?(怒)」
「聞こえてたのか地獄耳。あのクルクル髪実は集音器か?・・・いやはい、ごめんなさいごめんなさいあっはっは!!(ゴン!)イダッ!!」
華琳の援軍に態勢が再び傾く。
だが于吉はそうしている間にも次々と人形を生み出している。
「あいつの足元、なにかあるぞ」
「常識的に考えてこれだけの人形を短時間で休まず作り出すなんて不可能よ」
「舜、いくか?」
「よし・・・・・行くぞ!翠、霞!!道を開いてくれ!!」
「応!!」
「任しとき!!」
「春蘭!!あなたも行きなさい!!!」
「御意に!!」
「私も行くぞ!!」
翠と霞が「風足」で動いて白装束を蹴散らしていく。
道はすぐにひらけた。
蒔風と一刀が乗る馬が、愛紗と春蘭の援護を受けながら、一直線に于吉の立つ階段に突っ走る!!!
「む!?流石にきますかっ!!」
「オラァ!!」
蒔風が馬から飛び出し、右腕を振りかぶって于吉に迫る。
「させませんッ!!」
バチィ!!
だがその拳は呪術の防壁に阻まれ、弾かれてしまう。
「ATフィールドかよ!?いや、違うけどさ!!」
「ここは通しませんよ!」
蒔風と一刀は階段を二十段か三十段くらい登ったところで于吉と向き合う。
下方では愛紗と春蘭が白装束が来ないように迎撃し、さらに下方には凄まじい戦闘が繰り広げられている。
「舜!!早くしろ!!」
「この数は・・・・・やばい!!」
「一点突破する!朱雀!!」
蒔風が朱雀を呼び、手をかざす。
その手に飛び込んだ朱雀は姿を変え、その朱雀槍を握り締め、蒔風が于吉に突進していった。
朱雀が尋常ならざる鋭さにて、于吉の障壁を突き砕く。
ついに于吉がその場から動き、蒔風の突進が于吉の立っていた階段を吹き飛ばした。
ガラガラガラ、と岩が崩れ落ち、会談だった地面の下に何かが見える。
ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン・・・・・・・・・・・・・・
それは巨大な機械だった。
それ一つで工場一つ動かずほどの動力をもった機械が、大地から何かを吸い上げていた。
「これはっ!?ッ!?」
「見ましたね?そう!!これこそがあるお方からの贈り物!!!大地の龍脈を吸い上げ、それを力となす機械(システム)!!!!これを破壊されればこの場では我らの負けですからね。守らせてもらいましょう!!!!」
と、眼下で戦闘をしていた白装束どもが三カ所に集まっていく。
そして次々と併合し、その体が徐々に巨大なものとなっていく。
「な・・・・・・なん、なん、なん・・・・・・」
「さぁ!!北郷軍も、魏軍も!!!押しつぶしてしまいなさい!!!!」
「なんじゃこりゃーーーー!?」
出来上がっていく、三体の巨人白装束。
その三人の巨人が周囲を蹂躙する。
北郷、魏、両軍ともその三体に疾走するが、わずかに斬り出せるのはほんの数体分のみ。
戦いが長引いたせいで、負傷者が出、とてもじゃないが人数が間に合わない!!!!
「今すぐこれを!!!!!」
「させませんよ!!!」
機械に走る蒔風の目の前に、三体のうち一体が手のひらを落とす。
そしてそのまま階段の蒔風たちに覆いかぶさるようにして機械を守る。
「こんなんで・・・・止められるとでも思ってんのかぁ!?」
「今それを放てば階段は崩れ、頂上まで無くなりますよ!!?登るすべを失いますが、それでいいのですか!?」
蒔風が力を込め、その手に獄炎を溜めこむが、于吉のその言葉にビタリと止まる。
于吉の言うことももっともである。
さらに言うならば一点を打ち抜く絶光などを放てばその部分だけ修復して立ち上がるだろう。
しかもそれで倒れてしまったら一刀達はぺしゃんこだ。
それを支えられても、その間に回復されては意味がない。
「ちぃ!!!面倒なことを!!!!」
「華琳様!!!」
「っ!!めんどうね、あれ・・・・でも・・・・・」
「華琳どの!!!他に援軍は!?」
「ええ。そろそろ来るわよ。私たちと時間を逸らして出陣した彼女たちが、ね!!!!」
ドォーーーンドォーーーーンドォーーーーーーン!!!!!!!
そこで銅鑼の音が鳴り響く。
三体の巨人の足に縄や網が巻き付き、それにもつれて倒れ込む。
「往くぞ!!!!孫呉の誇りを、今見せつけてやれ!!!!」
「「蓮華殿!!!」」
「遅かったじゃない!!」
「予定通りの時間だ!!!でも・・・確かに、少し遅れたみたいね」
「はぁ~~~いみなさ~~~ん。おっきな敵はまず、足元をすくっちゃいましょ~~~~」
「引けぇ!!!!力の限り縄を引け!!!!我らの力を、見せつけてやるのだ!!!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!
今までの軍勢にさらに孫呉の軍も加わり、三国連合軍が巨人の足に絡みつく縄を引きずる。
ついに二体が倒れ、蒔風の足止めをしていた一体も階段から引きずりおろされた。
「今だ!!!」
「舜!!!!!」
朱雀槍を構える蒔風に星が声をかける。
見ると巨人で崩れた階段の脇の崖を走り、こちらに向かってくるではないか。
「これを!!!!!」
星が武器、「龍牙」を機械に向けて投射する。
それを追って蒔風が走り出す。
そしてそれを機械の目の前でキャッチして一回転し、その勢いを殺すどころか何倍にも上げて、鉄の塊に突き立てた!!!!
ガギョッ!!!ギ・・・・・ギガガガガガガガガ!!!!!!!
「朱雀!!!飛翔!!!!!」
さらに反対の手に握る朱雀槍の先端が翼を広げたように三又槍になり、それに焔をまとわせて回転させ、機械を一気に貫いた!!!!
機械が爆発し、その効果が切れる。
だが白装束たちは消えない。
「もう出てんのは消えないか。ま、とりあえずっ!!!」
ジャキィ!!!
朱雀槍と龍牙を于吉に突きつけ、蒔風が睨みつける。
「今度こそ、チェックメイトだ」
「そのようですね・・・・・では最後にささやかなプレゼントを」
ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!
于吉の言葉と共に、さらに出現する白装束。
だがさっきまでよりかは数が少ない。
だからと言って無視できる数でもない。
「私自身の力でも、これだけの物は出せますよ?」
「やめなさいよこら!!!!」
蒔風が二槍を振るうが、それよりも早く于吉の姿が消え、二つの刃が虚空を斬る。
『私は頂上に行ってますよ。ではこれで。アデューー!!!!』
そんな声が響き、一刀が階段を上ろうとするが、下で戦っている華琳や蓮華たちを見て、どうするべきか悩んでいる。
「一刀!!!何をしているの!!!行きなさい!!!」
「私たちはここでこいつらを食い止める!!!お前はあいつらと決着をつけろ!!!!!」
だがそんな一刀の背中を押したのは、他でも無い華琳と蓮華だった。
「一刀、あの二人はお前を先に行かせてくれるようあそこで踏ん張っている。それを無駄にするな!!!」
「・・・・・・・ああ・・・・ああ!!!!」
「早く終わらせて助けに戻るぞ!!!」
「皆、行こう!!!!」
一刀が蒔風、星、愛紗、鈴々、翠、紫苑を引き連れて階段を疾駆する。
途中崩れているところもあったが、蒔風が土惺で修復していった。
「行ったわね?」
「そうだな」
「では、できる女と言う物を見せてあげましょう!!!!」
「望むところだ!!どちらの軍が多く倒せるか、勝負だ!!!」
そうして彼女達の最終決戦も始まる。
階段をかける一刀たち。
そこで行きついた先に、この外史の終わりが待っている。
to be continued
後書き
アリス
「次回、最後の戦い」
ではまた次回
国王が恋をしても・・・よいではないか!!!
(恋姫†無双・覇王プロジェクト・呉より)
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