カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
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turn:26 新導クロノ
前書き
ついに始まった全国大会
頂点を目指すタイガたちの前に現れる新たなライバル
試合を前にしたタイガたちはあるファイトを観戦することになる
そこで見たのは思いもよらぬ光景だった
新たな舞台へと立ったタイガたちの戦いが今、始まろうとしていた
ついにやってきた全国大会
タイガたちは気合十分に会場内を移動していた
「っし、やってやるぜ」
「気合入りまくりね、タイガ」
「当たり前だ!この日のために新しいデッキを仕上げてきたんだからな」
そう言ってファイカを掲げるタイガ
「へぇ、それは楽しみですね」
背後から聞こえた声に驚いて飛びのくタイガ
ハジメとメグミも咄嗟に身構える
「対戦できるのが楽しみです」
そこにいたのは青い髪でニコニコ笑うタイガたちより少し年上の少年だった
Turn:26 新導クロノ
「誰だ?」
「本城タイガ君ですよね、会えるのを楽しみにしてたんですよ」
「いや、だから誰」
「もぉ、お兄様」
慌てた様子でかけてくる赤い髪の少女、タイガたちと同い年ぐらいだろうか?が少年に声をかける
「また一人でどこか行ってしまうなんて、もうすぐ開会式が始まるんですよ」
「おや、もうそんな時間でしたか?」
「あの………あなたたちも出場者なの?」
メグミの問いかけに少女の方が気付いた
「あ、すいません兄がご迷惑を、私は雀ヶ森アヤカ、こちらは兄のジン、チームはバラバラなんですが同じエリアから出場しています」
「あ、どうも………雀ヶ森………ジン?」
「はい、僕が雀ヶ森ジンです」
「「えええっ!」」
陽気に答えるジンに驚いて再び飛び退くハジメとメグミ
「ど、どうしたんだよ」
唯一タイガだけは状況が飲み込めず困惑していたが
「だってあんた、雀ヶ森ジンって言ったらユナサン支部長の息子で、去年の準決勝でミライと死闘を繰り広げたっていう」
「ああ、あのファイトは楽しかったですね」
それを聞いたタイガは目を見開いてジンを見た
「(あいつと互角に戦える実力の持ち主………こいつが?)」
「といいますか、みなさん急がないと!もう開会式始まってしまいますよ!」
「あーっ!そうだった!」
澪の言葉で思い出したかのように一斉に走り出すタイガ達
「ほらお兄様も!」
ちなみにジンはアヤカが引っ張っていった
広い会場の中心で白を基調とした正装に身を包んだ男性がマイクを手に声援にこたえていた
「ヴァンガード普及協会本部長の伊吹コウジだ、今年も無事、この舞台に立てたことを光栄に思う」
そう言って会場に集まったファイターたちを見渡す伊吹
「ファイトにはその人間のすべてが現れる、お互い悔いの残らぬよう、正々堂々、ここまで築き上げてきたものすべてを出し切ってほしい」
伊吹が拳を掲げると同時に派手な花火が上がった
「それではここに!チャンピオンシップ全国大会の開幕を宣言する!」
集まったファイターたちが歓声を上げる
ここには全国24か所の予選を勝ち抜いた48組、144名のファイターが揃っている
その全員が優勝を目指しているのだ、もちろんタイガたちも
「やってやる」
「それでは予選の前に、エキシビションマッチを執り行う」
タイガが拳を握っていると伊吹の言葉と共に会場の両脇の入り口が開いた
「まずは今回の大会の公認サポーター、輝ける聖騎士、綺場ミツキ」
慣れた様子で入場するミツキ
一方反対側の入り口からは
「そしてもう一人、普及協会が認めるトップファイターの一人、ギアクロニクルクランマスター、運命の裁定者、新導クロノ」
クロノが入場してくるとタイガも驚いてそちらを見た
「く、クロノさんとミツキがファイト!?」
参加者たちは控室へと集められこのファイトを観戦することに
手元にはモニターのようなものが
「これ、何だ?」
「そのモニターでファイトの細かい状況やカードの情報なんかを確認できるのよ」
「それだけじゃないぜ、NEO-GIARSでのファイトは専用のデータベースからアクセスすれば後から見返すことだってできるんだぜ」
二人の説明を聞いてモニターを軽く操作するタイガ
「なるほどな、ただ迫力あるだけじゃないんだな」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
NEO-GIARSにより会場の風景が惑星クレイ、ダークゾーンの遺跡へと変わる
「青雲の宝石騎士 ヘロイーズ!」
「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「ライド!呼声の宝石騎士 クリスティーン!」
「ライド!メーザーギア・ドラゴン!クリスティーンにアタック!」
メーザーギアが放った砲撃がクリスティーンに向かっていく
【スチームバトラー ク・バウ】トリガーなし
クリスティーンが攻撃を浴びて怯んでしまうがすぐさま体勢を立て直す
【涼風の宝石騎士 アルトガロ】トリガーなし
「ライド!涼風の宝石騎士 アルトガロ!アタック!」
速攻が得意なミツキだが今回は慎重な滑り出しだった
手札が良くないのかそれともパワーの高いメーザーギアを警戒してか
「ドライブチェック」
【宝石騎士 そどーみー】トリガーなし
アルトガロの剣に切り裂かれるメーザーギア
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
「ライド!スモークギア・ドラゴン!」
「なんか、クロノさんのデッキって俺が前使ってたのと似てるな」
「そうね、ここまで見えてるカードのほとんどは前にタイガが使ってたのと同じやつだし」
「違ったのはドライブチェックで見えた………」
スチームバトラー ク・バウのカード
はたしてあれがデッキの動きにどう影響をもたらすのか
「クロックフェンサー・ドラゴンをコール!アルトガロにアタック」
手札を見て考えるミツキ
この攻撃をガードすることはできる、だがここは
「ノーガード、ダメージチェック」
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
クロックフェンサーの攻撃に膝をつくアルトガロ
さらにスモークギアが続けざまに飛びかかってくる
「ドライブチェック」
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
「ゲット!効果はすべてスモークギアに」
スモークギアの攻撃でその場に倒れるアルトガロ
【熱風の宝石騎士 シンベリン】トリガーなし
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】クリティカルトリガー
「いきなりダメージ4点、しかも最後のトリガーは完全に無駄になっちまった」
「苦しい展開ね」
「いや、そうでもないぜ」
ハジメの言葉にタイガたちは首を傾げるが
カードをドローしてから手札を確かめるミツキ
確かに今の状況は苦しい
だが彼女のデッキ、宝石騎士は逆境でこそ輝くデッキ
「行きますよ!クロノさん!」
「来い!」
すぐさまミツキは1枚のカードを手に取る
「闇を照らす一筋の光!運命を切り開く希望の輝き!ライド!導きの宝石騎士 サロメ!」
「そうか!ミツキにはこのユニットがあった!」
「だからさっきガードしなかったのね!」
そう、ミツキは先ほど確かにガードすることが出来た
だがあえてしなかったのだ、サロメの能力を生かすために
「そーどみーをコール!スキル発動!山札からクリスティーンをコール!クリスティーンのスキル、コストを支払い、手札のサロメを見せてアシュレイをコール、さらにバートラムをコール!」
バートラムはパワー4000、アシュレイと合わせて15000
スモークギア・ドラゴンに有効なラインを築くことが出来ている
更に山札に戻る効果があるので次のターン以降は違うユニットを呼んでパワーを調整できる
「ヘロイーズのブースト!サロメでアタック!リミットブレイク発動!」
サロメが勢いよくスモークギアに突っ込んでいくが
「完全ガード!」
アルリムがその剣を見事受け止めた
「ツインドライブ!」
【純真の宝石騎士 アシュレイ】トリガーなし
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
「まだよ!クリスティーンのブーストしたそーどみーでアタック」
「ノーガード」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「バートラムのブーストしたアシュレイでアタック」
「ノーガード」
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
「追いつくことさえできないか、つええな、クロノさん」
「そりゃあ、クランマスターに選ばれるくらいだもの」
「けど、ミツキだって負けちゃいねえ」
「クリスティーンの効果でリアガードのアシュレイを手札に、手札のサロメを捨てる、さらにバートラムのスキルで1枚引いて山札へ」
「スタンドアンドドロー、ライド!スチームバトラー ク・バウ!そのままストライドフェイズ」
「えっ!?」
クロノの行動に目を丸くするミツキ
「なんでク・バウのスキルを使わないんだ?」
スチームバトラー ク・バウにはヴァンガードに登場した時発動できるスキルがある、それを使えばクロックフェンサー・ドラゴンを連続攻撃に利用できるはずなのになぜ
「今こそ示せ!我が真に望む世界!時空竜 エポックメイカー・ドラゴン」
鋭い剣を持ったドラゴンがサロメを見据える
「ガンナーギア・ドラコキッドのスキルでスクエアワン・ドラゴンを手札に加える、そしてそのままコール」
「(後列?何でだ?)」
先ほどからクロノの行動が理解できず困惑するばかりの一同
「ミスプレイ?」
「まさか、新導クロノはクランマスターだぜ、そんなはず」
周囲の観客からも疑問の声が上がるばかり
「ウル・ワタルとクロックフェンサー・ドラゴンをコール、スキルでウル・ワタルをタイムリープ、メーザーギア・ドラゴンをスペリオルコール」
一列はこれで攻撃できる状態になった
ウル・ワタルの効果で手札を交換し体制を整えることも忘れない
しかしやはり何を狙っているのか理解している人間はいなかった
「まったく、意地の悪いやつだ」
「クロノさんったら、何もそんな回りくどいことしなくても」
気付いているのは伊吹をはじめとしたかつてのクロノの仲間たち
「へえ、宝石騎士の速攻にそんな方法で対抗しようとするなんて、面白いですね」
「クロノさんの意図に気付く人、この会場に何人いるかしら」
そしてジンをはじめとする実力者たちだった
「クロックフェンサーでそーどみーにアタック」
そーどみーに対する攻撃をミツキはノーガード
「エポックメイカー・ドラゴンでアタック」
「イゾルデで完全ガード!」
「トリプルドライブ」
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
トリガーが二枚のったクロックフェンサーがサロメに向かってくるが
「ガード」
シェリー、ラシェル、さばるみーの3枚でミツキは凌ぎ切った
「ターン終了時にメーザーギアは山札に、スクエアワン・ドラゴンのスキルでソウルチャージ」
アップストリーム・ドラゴンがソウルに置かれる
「スタンドアンドドロー」
ドローしたそーどみーのカードを見て笑みをこぼすミツキ
「ストライドジェネレーション!全盛の宝石騎士爵 エヴァンジェリン」
更にミツキは手札のアシュレイとそーどみーをコール
そーどみーのスキルでシェリーをコール
「エヴァンジェリンのスキル!宝石騎士のユニットをパワーアップ!まずはシェリーのブーストしたそーどみーでアタック」
「ノーガードだ、ダメージチェック」
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
「パワーはク・バウに」
「次はエヴァンジェリン!」
Gユニットの強力な攻撃、ダメージ4とピンチのクロノだが
「ノーガード」
「ここでノーガード!?」
「いったい何を考えているんだ、クロノさんは」
「トリプルドライブ」
「(ここが勝負所だな)」
【熱意の宝石騎士 ポリー】ヒールトリガー
「ダメージ回復、パワーはアシュレイに、セカンドチェック」
【純真の宝石騎士 アシュレイ】トリガーなし
【呼声の宝石騎士 クリスティーン】トリガーなし
ク・バウにエヴァンジェリンの攻撃がさく裂する
「ダメージチェック、お?」
【ラッキーポット・ドラコキッド】ドロートリガー
「1枚ドロー、パワーをク・バウに」
ドローしたカードを見たクロノは目を丸くした
「やっぱおもしれえな、ヴァンガードは、これなら思ったより早くいきそうだ」
クロノの発言に訳が分からないといった様子のミツキ
だが今は目の前のファイトに集中することが先決
「アシュレイでアタック
「ガード、インターセプト」
前列のクロックフェンサーが消えたことで次のターン、スクエアワンはおそらく前に出てくる
「スタンドアンドドロー、ク・バウにライド!ストライドジェネレーション!エポックメイカー・ドラゴン!」
「またライド!?」
「それも効果をまたつかわないまま………なんか理由あるのか?」
気になってタイガが画面を操作すると
「そう言えばクロノさん、ソウルがやけに増えてるような………」
「え?ああ、そう言えばそうね、スクエアワンがいるせいだと………」
「スクエアワン………」
「「「あっ!」」」
何かに気付いたようにタイガたちも一斉に声を上げた
「ラッキーポット・ドラコキッドをコール、ソウルに入れてクロックフェンサー・ドラゴンをパワーアップ」
「ソウルが………そういうことですか」
そう、クロノの一見意味の分からない行動はすべてこの時のためだった
「思っていたより早く溜まったけどな」
「さっきのターンもスクエアワンをもう1枚出すことを狙っていたんですね」
「ま、そういうことだ、もっとも、ラッキーポットを引いたお陰で、思ったより早く発動できたけどな、スクエアワン・ドラゴンのスキル発動!カウンターブラスト4枚!そしてソウルブラスト6枚!このスキルで相手のリアガードをすべて山札へ」
ソウルブラスト6枚というあまりにも大きなコスト
だがそれを補うだけの強力なスキル
これでミツキが整えていた盤面は一気に崩されてしまった
「マジかよ、狙って打てるスキルじゃねえぞ」
「クロノスコマンド・レヴォリューションを使えばわざわざそんなことしなくても山札に戻せるのに………」
「(けど、そうまでしてスクエアワンを使った理由がきっとあるはずだ………なんでだ、なんでクロノさんはわざわざ手間のかかる方法を………)」
「クロックフェンサーでアタック」
「クリスティーンでガード!」
だがこの時点でミツキは残り手札2枚
しかも1枚はグレード3、残ったポリーをジェネレーションガードに使うにしてもレーザーガード・ドラゴンのスキルはリアガードのいない今では意味がない
「エポックメイカー・ドラゴンでアタック」
この攻撃を防ぐことは今のミツキには出来ない
「トリプルドライブ」
つまり勝負の行方はこのトリガー次第
【クロックフェンサー・ドラゴン】トリガーなし
【スモークギア・ドラゴン】トリガーなし
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
「そんな!」
エポックメイカーの剣がサロメに振り下ろされる
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
「エポックメイカー・ドラゴンのスキルで山札からスクエアワンをコール!アタック!」
残ったシールドは1枚だけ、攻撃は2回、どうやってもガードしきれない
【誠意の宝石騎士 バートラム】
「勝者、新導クロノ!」
伊吹の声と共に会場中から割れんばかりの拍手と歓声が上がる
「ずっとあのスキルを狙ってたんですね」
「ああ、でもクリティカルが出るかどうかは賭けだった、いいファイトだったよ」
握手で互いの健闘を称えるミツキとクロノ
「それでは休憩の後予選を執り行う!各自参加ブロックを確認次第会場に移動するように」
タイガたちは発表された予選の組み合わせを確認していた
予選は8つのブロックに分かれ6チームによる総当たり戦
成績の高い上位2チーム、計16チームが本戦のトーナメントに出場できるのだ
「えっと、俺たちはCブロックだから………」
「あ、隣の会場ね」
Cブロックの会場にたどり着いたタイガ達
「あっ!」
「またお会いしましたね」
そこには大柄な男性、白い髪の少女と共にいるアヤカの姿があった
後書き
次回予告
予選でいきなり強敵と同じブロックとなったタイガ達
対戦することになったときのために彼女たちの試合を観戦することに
そして始まったアヤカの試合
彼女の実力にタイガたちは驚かされることとなる
turn:27 まだ見ぬ強敵
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