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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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616部分:第八十九話 地下神殿その一


第八十九話 地下神殿その一

                    地下神殿
 黄金聖闘士の面々は地下に降り立った。そこはまずは暗黒の世界で何も見えはしない。しかしすぐにサガがその力で光を自分達の前に出して浮かび上がらせたのであった。
「これでいいな」
「済まない」
 アイオロスがそのサガに対して礼を言う。その光によって周囲が見渡せる。その中はかなり広く左右に円柱が並んでいる。床は白く丁寧に整えられた大理石のものである。
 地上と同じものであった。違うのは地上か地下にという違いである。彼等はその中に立ってそのうえで周囲を見回しているのであった。
「とりあえず前に行くみたいだな」
「そうだな」
 ミロがアイオリアの言葉に頷く。後ろを見れば行き止まりである。左右は狭くなっていて壁が見える。前に道が続いているのだった。
 それを見てである。そう判断したのである。
「それではだ」
「先に進むか」
 こうしてであった。前に進む。暫く先に進むと広間に出た。
 そこには柱がない。宮殿の様に整った場所である。そこに入ってまず彼等は警戒する目で周囲を見回してである。そうして言い合うのであった。
「で、ここにはだ」
「そうだな」
「誰もいないようですね」
 デスマスクとシュラ、アフロディーテが話す。天井はわりかし高い。広間は六十メートル四方ある。やはり白い大理石の世界であり光のせいで薄青い色に見えている。
 その中には誰もいなかった。しかし不意にである。全員がその剣呑で禍々しい小宇宙を感じ取ってしまったのである。その主は。
「来たか」
「ここで出て来たのか」
 カミュとアルデバランが言う。部屋に八大公達が出て来たのである。そうしてそのうえで黄金聖闘士達に対するのであった。
 八人である。それに対する黄金聖闘士達は十人である。それでここでムウが言ってきた。
「サガ、アイオロス」
「うむ」
「どうしたというのだ?」
「貴方達は先に」
 行けというのである。
「ここはお任せ下さい」
「行けというのか?」
「御前達を残して」
「おいおい、自惚れてもらっちゃ困るぜ」
 しかしここでデスマスクが彼等に言う。
「俺達はな」
「俺達は?」
「どうだというのだ?」
「こいつ等位楽勝で倒してやるからよ」
 その言葉は自信に満ちているものだった。
「そっからすぐに追いかけてるからな」
「そうするというのか」
「その通りだ」
 ミロもここで言う。
「ここは我等が倒す」
「そうするのか」
「ここは」
「だから行くといい」
 彼もデスマスクと同じことを言うのであった。
「ここはだ。先にだ」
「そこまで言うのならだ」
「その言葉受けさせてもらう」
 二人もここで彼等の言葉を受けて頷いた。
「先に行かせてもらう」
「そしてあの神々の復活をだ」
「それは頼む」
 シュラも彼等に告げた。
「ここは我等が引き受ける」
「だからこそです」
 そしてムウもまた。
「先に行って下さい」
「では」
 アフロディーテはミシェイルを前にもう右手に紅薔薇を手にしていた。
「闘いのはじまりですね」
「ピスケスよ」
 そのミシェイルが彼に対して言ってきた。
「ここでだ」
「ここで?何だというのですか?」
「貴様を倒してみせよう」
 既にその両腕に全てを凍らさんばかりの凍気を漂わせての言葉である。
 
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