ゲーム風スキルは異世界最強なんだよ!・ω・`)ノ
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1章終了 12話「全ての真実」
ぶろぐvar
http://suliruku.blogspot.jp/2016/10/12.html
質素だが、豪勢な宴だった。
ここが異世界なんだなぁって事を思い知らされる植物があったと言っておこう。
カカスの実っていう赤い実があるんだが――恐ろしい量の糖分を含んでいる実なんだ。
実を半分に切断して、水に浸すだけで、甘ったるい原液がドバドバ出てくる。
その甘さときたら、砂糖をどっぷり入れた紅茶並だ。
おかげで、酒が無くても……獣人達は幸せそうだ。
カカスの原液を水で薄めて、仲良く飲んでいる。
『その実で酒を造ればいいのに……』
『異世界のお酒は遅れているんだお……?』
将来的に、この甘い液体は交易品になるかもしれない……。
うーん、交易で人間が大量に住み着いた時点で負けだし……なにこの罰ゲーム……
いや、こんな暗い気分は忘れよう。
獣人の皆と一緒に、楽しい事に浸るのも悪くない……。
……。
……。
……。
……誰も話しかけてこないから悲しい。
『三歳児が平気で殺人やっていたらそうなるお……』
『犬さんの戦いっぷりを見るだけで、大人のプライドはズタボロな気がするな……』
さっきの話の続きをしても良いぞ。
ホワイトは、不良達と相撲しているし。
モーニャンは存在しない酒を探して、帰ってこないし。
『じゃ、教えますお。何を聞きたいですお?』
『教えてあげても良いですぞ!』
『うむ……色々とあったからな……』
とりあえず、一人が喋れ。皆で喋ると聞き取れん。
ただでさえ、獣人たちが叫んで踊って煩いんだ。
『じゃオラが教えますお。
犬さんに兄と姉が居たんですお』
……獣人?いや、母親の年齢からして無いな。そんな可能性。
獣人の子供が生まれ辛い事を考えると、僕一人がたった3年で誕生したのも奇跡だ。
『もちろん、人間の兄弟ですお。犬さんの母親以外に、人間の正妻って奴がいて、そいつの子供が十人いましたお』
多すぎるだろ!?そんだけ子供を作ったら、相続争いが酷い事になるだろ!?
『安心して欲しいですお。
全員……あの世へ行きましたお』
邪神の意味深な呟きに、僕の背筋がゾワゾワッと……冷たくなった。
そうだ。こいつら、確か、不良達を使って汚い仕事をやらせていたんだ!
ーーーーーーーーーーー
『覚醒前の犬さんが、喧嘩を売ってきた不良どもをボコボコにしたんだお』
『汚い仕事をたくさんやらせましたぞ!』
『気にしちゃダメだ!汚い仕事とか聞いちゃダメだ!』
『べ、別に、これは伏線じゃないんだからね!』
……きっと、この邪神どもは、本当に碌でもない事をやらせたんだな。
不良に敬礼を覚えさせるなんて、並大抵の事じゃない。
でも、今はそんな事よりも、叔父の手下達を、徹底的に殲滅する用事を済ませるのは先だ。
素直に従う駒がこれだけあれば、各個撃破戦も簡単だ。
ーーーーーーーーーーーー
ま、まさか……お前ら……殺したのか?
僕と半分だけ血が繋がっている子供たちを?
……なんで僕は驚いているんだろう。獣人と人間って時点で、仲が悪くなる事が確定しているも同然すぎる……。
『覚醒前の犬さんを苛め殺そうとして、逆に返り討ちにあって死にましたお。
正妻さんは、父親を毒殺しようとした事がばれて処刑されましたお』
それ何歳の頃!?
『確か……一歳だったような気がするお……』
乳幼児に負けるとか、貧弱にも程があるだろ!?
というか赤ん坊を虐めるなんて、どんな鬼畜兄弟だよ!
種族の違いはあるとはいえ、容赦無さすぎぃ……いや、貴族や王族的には、その容赦の無さがメリットになるから、特に問題がないのか?
というか、殺した死体をどうしたんだ!?
いくら調査能力がないような田舎でも、怪しまれたら大変なはずだ!
『犬さんが村の不良達をボコボコにして舎弟にして、オラ達が当時の犬さん経由でお願いして地面に埋めましたお。
責任を全て、叔父にプレゼントしてカモフラージュしたから完全犯罪ってやつだお?』
見事に、村の不良たちが忠実にしたがっている伏線を回収しやがった!
平然と兄弟殺す三歳児とか居たら……怖すぎて従わざる負えないよな……。
それにしても、何て酷い家だ。赤ん坊すら権力争いに巻き込んで殺し合いをやっている時点で頭が可笑しい。
……って言いたいけど……前の世界でも有り触れすぎている内容だった……。
現実って一体……?
『おかげで叔父は追放されて、傭兵団作って戻ってきて、こんな惨劇になってしまったという訳ですお。
犬さんは三歳から、領主として人生をスタートしないといけないから大変ですお?』
巡り巡ってやった悪い事が、全部、僕に降りかかったというオチか。
『でも、犬さんの母親さんは、とっても可愛い犬娘だったお。
それだけは事実ですお。そのせいで色んな男に抱かれて大変だったお』
まぁ享年17歳ってのは可哀想だよな。
無理やり押し倒されて手付けにされたみたいだし。
でも、今はそれよりも……東から迫る略奪共同体の事を教えてくれ。
『東の地が紛争地帯なのは知っていますお?』
ああ……投石の練習中に難民っぽいゴブリンがたくさんいたな。
あいつらが住んでいる地域だっけ?
『まず、説明すると……ゴブリンの地で、傭兵産業が盛んになったんですお。
次第に、大きな傭兵団を結成し、その集団を維持するために地域と都市を食い潰して成長したのが――40万人規模の略奪共同体、ゆっくりとこの地を目指していますお』
この領地だと、何人くらいを兵士として出せると思う?
『せいぜい50人くらいだと思いますお。
獣人の総人口は1000人いるかいないかって所ですお?』
……なら、そうだな……。
この状況で一番得点が高い戦術が何なのか分からないから――とりあえず、お前らの視界を借りて偵察してから、戦術を選ぼうと思う。
『今すぐ、偵察しますお?』
いや……今日は激しく運動したせいで凄く眠たい。
寝てからの方が効率良さそうだな。
三歳児ボディだという事を忘れて、酷使し過ぎたよ……。
『犬さん、お疲れ様ですお』
『うむ、よく頑張った……』
『ハーレムして、たくさん子供を作って欲しいですぞ!』
ああ、家に帰ろう。宴に参加するには僕の身体は幼過ぎる。
そう思って、僕は城がある方向へと歩いた。すると――後ろから足音がする。
慌てて振り返った先に居たのは――狼耳が良く似合う銀髪の美少女だった。
月の光に照らされて、瞳が輝いてる。
「師匠、もうお帰りですかな?」
「ホワイトか……ああ、そうだよ。
もう子供は寝ないといけない時間なんだ」
「では夜伽をやらせて頂ましょう。頑張ってご奉仕――」
「三歳児にエロい事を期待しすぎだろ!?」
「その師匠……今日から主様と呼んでもよろしいか?」
「敬称がレベルアップしている!?」
「師匠という単語より、主様という単語の方が背徳感があって背中がゾクゾクとしましてな。
とうとう、主様が、本当の支配者になったのだと思うと、うれしい限りです」
「ただの変態だ!?」
「いえ、拙者が変態なのは、主様限定ですぞ?」
「なんか嬉しい!?」
こんなに可愛い娘と会話している。僕は今、青春時代って奴を過ごしているんだって感じがする。
なんか涙が出てきそう。
獣娘がこんなにたくさん居て、僕は嬉しい……変態なのが残念すぎる……。
「ワァン様ー!蔵のどこを探してもお酒がゼロでしたー……って!
ワァン様を独り占めするのは駄目ぇー!
ワァン様のお世話は私の仕事なのー!失業しちゃうー!」
こんな平和な日常を守りたいなぁと思――
「ぎゃぁぁぁぁぁ!両腕を引っ張ると身体がぁぁぁぁぁぁ!」
『三歳児ボディを全力で引張たらダメぇー!』
『獣人の救世主さんが死んじゃうおー!』
こうして、僕の異世界生活一日目は終了した。
序盤の時点で、人間相手にお家争いやっている時点で……僕って不幸だなぁ……。
しかも、家族関係ドロドロ。
意識覚醒前に母親と父親と兄弟は全員死んでいるわ、人間の正妻さんの行方に一言も触れられていない有様だ。
『正妻さんは、子供の作り過ぎで死にましたお』
あ、うん。
さいですか……。
そういえば人間って、医療技術が発展するまでは、ドタバタ死にまくる悲惨な生物だったけ……。
人間陣営も辛いんだなぁ……。
一章、おしまい
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※殺害カウンター。転生術スキルの一部。殺した相手の魂を一部削り取り、一万個集めて新しいスキルスロットを作り出す。
スキルスロットは、他者へ譲渡できる。
1章の殺人95人 ⇒ 合計殺人数105人
今まで取得した技能スキルまとめ + ゴミスキル
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Game_fuu_sukiru/Ginou.html
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