転生とらぶる
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ガンダムW
1540話
「……へぇ、随分と面白い事を言ってくれるな。あのトールギスについては、既に俺が使うという事で話が付いてる筈なんだが」
正確にはノベンタの元帥としての職権で強引に認めさせたようなものだが、ゼクスはそれが気にくわないのだろう。
しかも前もって俺が威圧してるにも関わらず、全く動揺した様子もない。
度胸に関しては、かなりのものだな。
「それは聞いている。だからこそ、私は現在トールギスを使用しているアクセル代表に直接話を通しにきたのだ」
なるほど。上を通しての交渉では駄目だったから、直接俺に来た訳か。
実際、トールギスを使っているのが俺である以上、ノベンタも俺がもうトールギスを使わないと言えばそれを否定はしないだろうし。
ただ、ガンダムと互角に戦えるだけの能力を持っているMSを渡すつもりは当然ない。
いや、俺の場合はサラマンダーやミロンガ改、ましてやニーズヘッグがあるのだから、いざとなればどうとでもなるんだが。
ただ、このW世界のMSで動くのが一番無難である以上、その中でも最高性能――ガンダム以外の現時点ではだが――のトールギスを手放すつもりはない。
「残念だが、トールギスを手放すつもりはない。ガンダムと単独で戦闘が可能な唯一のMSを、わざわざこっちから手放すと思うか? それに……」
ゼクスを見ながら、少し考える。
原作では最終的にトールギスを乗りこなし、おまけに反応が鈍くなってウイングゼロに乗り換えたゼクスだが、その乗りこなすまでに随分と時間が掛かっている。
それこそ、最初にトールギスに乗った時は死んでしまいかねない程の重症を負ったのだ。更には、このトールギスはハワードによりスーパーバーニアを改修され、原作のトールギスよりも機動力を増している。つまり……
「今のお前では、トールギスを乗りこなす事は出来ないだろうな」
「そんな事はありません!」
そう答えたのは、ゼクス……ではなく、その背後に控えていたノインだった。
まぁ、自分の愛する男の実力を低く見られたのだから、そう思ってしまうのは仕方がない。
ましてや、相手はライトイング・バロンという通り名を持つ程のエースパイロットなのだから。
だが……ふむ。そうか。これが最初の操縦だというのなら……
「なら、一度乗ってみるか? 勿論そのまま乗り逃げされないように、多少手は打たせて貰うが」
「なっ!」
「いいだろう。アクセル代表の言葉、試してみるのも面白そうだ」
俺の言葉にノインが反発するよりも前に、ゼクスが笑みと共にそう告げる。
自分の実力に自信があるからこその態度だろう。
それと、ノインが妙な言葉を口にして今回の件が問題になるのも防ぎたい……といったところか。
「言っておくが、トールギスは普通のパイロットが乗りこなせるような機体じゃない。下手をすれば命すら危険になる。それを承知の上での発言だよな?」
「無論」
即座に答えてくるゼクス。
「そうか、分かった。……なら、早速準備をしてくるから、待っててくれ」
「そうさせて貰おう」
ゼクスをその場に残し、俺はトーラスが運び込まれる光景を横目にトールギスを置いてある格納庫へと向かう。
「ちょっ、おい、アクセル。いいのか?」
慌てて後を追ってきた綾子がそう尋ねるが、俺は問題ないと頷く。
「別に問題ないだろ。元々のトールギスの性能でもゼクスが乗りこなすのには暫く掛かるだろうし、今のトールギスは更に機動力が上がっている。……正直なところ、普通の人間に乗りこなすのは不可能だ」
「……それで、諦めると思うか?」
「どうだろうな」
実際スーパーバーニアが改修された今のトールギスでも、ゼクスにその気があれば乗りこなすのは可能だろう。
ただし、それはある程度の時間を必要とする筈だ。
今この時点で乗るというのは不可能である以上、それを体験させるというのも別に構わない筈だ。
というか、OZにならトールギスの設計図があるんだから、それを使って新しくトールギスを作ればいいと思うんだがな。
いや、それだと完成するまでに時間が掛かるか。
必要なのは今、この時なんだからな。
「あれ? アクセル代表、どうしたんですか?」
トールギスに近づくと、連合軍からトールギス用の整備員として派遣されている者達を纏めている男が俺を見てそう声を掛けてくる。
ちなみに、連合軍から派遣されているのは全員が整備員の中で腕利きと呼ばれている者達だけだ。
これは別に俺への配慮という訳ではなく、純粋に連合軍がトールギスの技術を欲している為だ。
トールギスをデチューンしたのがリーオーで、そうなれば当然連合軍もリーオーの技術は持っている。
だが、この場合はやはりデチューンする前の、現在のトールギスの技術が欲しいのだろう。
最初は少し考えたが、それでも背に腹は変えられないし、そもそもトールギスの技術は結局このW世界の技術でしかない。
これがシャドウミラーの技術という事なら断っただろうが、W世界の技術なら問題ないと判断してこいつ等を受け入れたのだ。
それにホワイトスターと連絡がつくまでは連合軍と行動を共にすると決めた以上、少しでも連合軍の技術力を高めておきたいという狙いもある。
「OZのゼクス・マーキス……ライトニング・バロンを知ってるな? トーラスを運び込む為に今来てるんだが」
「え? ええ。そりゃまぁ……有名人ですし。けど、あのゼクス・マーキスがトーラスの護衛なんかで?」
「このトールギスも、元はOZの基地から盗まれた物が、流れに流れて俺の下に来た訳だ」
そこまで言われれば、男もゼクスが何をしにここに来たのかを理解したのだろう。顔が強張る。
まだトールギスの技術全てを得た訳ではない以上、機体を手放すのは絶対に避けたかった。
「ま、安心しろ。このトールギスは例えライトニング・バロンでも一朝一夕で乗りこなすような真似は出来ない」
「……ですよね。というか、この機体を乗りこなすアクセル代表が色々な意味で信じられないんですが」
最大20Gオーバーという、普通では考えられない加速力だ。
それを余裕で乗りこなすという俺の存在が、男には信じられないのだろう。
「ま、ともあれだ。このトールギスがガンダムに単機で対抗出来る性能を持っている以上、ゼクスもそう簡単には諦められないだろ。だから、実際に一度乗せてみる事にした」
「ははぁ……結構えげつない真似を考えますね」
男の言葉に、綾子が少し離れた場所で無言のままに頷いてるんだが。
問答無用で断らないだけ、向こうの立場を考えてると思うんだがな。
「とにかくだ。この機体にゼクスを乗せる事になった訳だが……万が一を考えて、機体の操縦をこっちで奪えるようにしておきたい。出来るか?」
「あのゼクスが機体を乗り逃げすると?」
「あくまでも可能性だ」
普通に考えれば、OZのゼクスがそんな真似をするとは思えない。
そもそも、今のOZは少しでも連合軍に自分達の行動を疑わせないようにする必要がある。
下手をすれば、オペレーション・デイブレイクが失敗に終わる可能性もあるのだから。
事実、セプテムが半ば恫喝に近い交渉でトーラスを入手する事が出来たのは、OZの方でも連合軍に自分達を疑って欲しくないからだろうし。
そんな状況で、連合軍の最高位ノベンタ元帥直轄の傭兵部隊が所持する機体を乗り逃げするような真似をすれば、どうなるのか……
どう考えても、連合軍がOZに対して色々と疑いを抱くには十分な筈だ。
だが……普通に考えればそんな真似をする筈はないのだが、ゼクスはヒイロに……いや、ウイングガンダムにと言うべきか、とにかく特別な思いを抱いている。
やっぱり地球降下時に仕留める事が出来なかったのが大きいんだろう。
原作では、最終的には南極だか北極だかで決闘騒ぎすら起こすし。
その辺を考えれば、多少無茶をしてもトールギスを欲する気持ちも理解出来ないではない。
「うーん、さすがに遠距離からどうこうってのは、すぐには出来ませんね。ただ、コックピットの中に少しだけ爆薬を仕掛けておいて、いざとなったらその爆薬を遠距離から爆発させて操縦不能にするという真似は出来ますけど……」
「分かった、それをやってくれ。正直なところ、あまり機体を壊したくはないんだが……いざという時の事を考えれば、その辺は妥協する必要がある」
「それはこっちも同様ですよ。ただでさえトールギスの部品は色々と特注する必要があるんですから。無駄に金を使うような真似をすれば、上に怒られます」
トールギスの保守や整備といった物をする際に掛かる費用も連合軍持ちという事もあり、その辺はそれなりの出費なんだろう。
まぁ、オーバーホールとかをする際にトールギスについての技術を得る事が出来るのだから、決して損だけって訳でもないんだろうが。
「とにかくやってくれ」
「はいはい。すぐに準備します」
こうして、トールギスのコックピットに爆弾を仕掛けるという、何だか自分の首を絞めているような真似を頼むのだった。
……まぁ、俺の場合はそれこそ爆薬がすぐ側で爆発しても問題はないんだが。
「ほう、これがトールギス。見事な機体だ」
「……ですがリーオーに比べると、やはり随分と重装甲ですね。これだけの重装甲を無理矢理動かすとなると……普通の戦闘で使えるとは思えません」
基地の近くにある演習場で、用意されたトールギスを見てゼクスとノインがそれぞれ言葉を交わす。
「だが、アクセル代表はこの機体を使いこなしていると聞く。ならば、私にも使いこなせないという事はない筈だ」
「……ゼクス、気をつけて下さい」
「いい雰囲気のところを悪いが、幾つか注意点がある」
ゼクスとノインの会話に割り込むようにして、そう声を掛けた。
別に、俺の前でイチャイチャしやがってとか、そんな事を思っての行動ではない。
うん、ホワイトスターと連絡が取れない事から、レモン達の事が心配になって……という事でもない、筈だ。
「注意点?」
「そうだ。ゼクスがこの機体を欲しているという事もあって、一応念の為にコックピットの方に少し細工をした。もしこの機体を乗り逃げしようとした場合……どうなるか、分かるな?」
「アクセル代表、それは少し……」
窘めるようにノインが言ってくるが、ゼクスは特に気にしてる様子はない。
「トールギスの性能を考えれば、万が一を懸念するのは当然だと思うが? それに、この機体の由来を考えればどうしてもその辺は気になる」
「ノイン、私は構わない。……アクセル代表、機体に細工をしたという話だが、それが機体性能に影響が出るような事は?」
「その辺は心配いらない。連合軍の中でも腕利きの整備員達がやってくれた仕事だからな」
「……分かった。信用しよう」
そう頷くと、待機状態にあるトールギスへと向かって歩み寄っていく。
そんなゼクスを、ノインが心配そうな表情で見送っていた。
うん、まさに恋する乙女だな。
「初々しいな」
「な!?」
そう呟いた声に、ノインがはっと視線を逸らす。
……ただし、呟いたのは俺じゃなくて綾子だが。
まぁ、綾子の場合は俺とくっついたのも色々と普通じゃない流れからだったし。
勿論ゼクスだってピースクラフトの名前がある以上、普通ではないのだが……それでも聖杯戦争に巻き込まれるような事になるよりは、十分にまともだろう。
少し責める目付きで綾子を見るノイン。
だが、綾子の方はそんなノインの反応を可愛いとすら思っている。
綾子にしてみれば、年下の純情さが気に入っているんだろうな。
確か今のノインの年齢は19歳だった筈。
だとすれば、綾子の方が年上になるのは当然だろう。
……けど、よく考えてみれば、ノインは教官だったんだよな。
つまり、自分と殆ど年の変わらない……それどころか、下手をすれば自分よりも年上の相手の教官をしていたのか。
そう考えると、もしかしてゼクスもノインと同じ19歳なのか?
それとも、単純にノインが飛び級なりなんなりをしているのか。
そんな風に考えている間に、やがてトールギスが動き出す。
操縦システム自体はリーオーを使えるのであれば、そこまで苦労する事はないだろう。
そうしてスーパーバーニアを軽く噴射し、空中へと浮かび上がる。
最初はゆっくりと……だが、やがて速度が上がっていき……その速度はエアリーズを超えていた。
そのまま空中を動き回り、更に速度を上げていったトールギスだったが……やがてその速度が急速に遅いものになっていく。
そうして地上へと戻ってきて、地面に着地したトールギスからはゼクスがこの短時間で疲労困憊といった様子で降りてくるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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