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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  恋姫†無双 ~外史へ舞い込む~


「たったった、大変です!!!!緊急の伝令です!!!」

「な、何があった!?」


ここは蜀の国の会議室。
そこに一人の伝令の青年が駆けてきて、この国の太守、北郷一刀に用件を伝えた。



「き、奇天烈な格好をした者が市街に出没し、騒動のど真ん中にいるとのこと!!!」

「本来騒動の方がメインなんじゃない!?」

「めいん・・・・?
 と、とにかく大変なことに!!!」


そう言われてはこの国の太守として放ってはいけない。
一刀は途中であった武将を何人か引き連れて市外へと出た。





では一刀がその現場に到着するまでにこの世界の概要を説明しよう。


ここは古代中国、三国時代。
つい最近までは「魏」「呉」「蜀」の三国がこの大陸を統一しようと戦いを繰り広げていた。

いまでは一刀が統治する「蜀」が他の二国を併合して一つにまとまりつつあるが。


北郷一刀はこの時代の人間ではない。
学校の帰り道、怪しい男を追って博物館に入ったらその男が持ち出そうとした銅鏡が輝いてこの時代に飛ばされたのだ。

そして飛ばされた先は史実とは少しだけ違う三国時代。
いろいろあるがその最も大きな点は


「行きますよご主人様!!!」

「主が行くのなら、私も行くしかあるまい」

「鈴々も行くのだ!!!」


名だたる武将達が皆女の子だったということだ。




そしてこの時代の風習も一つ書いておこう。

それは真名だ。
知っている人もいるかもしれないが、真名とは性、名、字(あざな)の名前のほかにある真の名だ。
この名前を呼びあえるのは互いに認め合った間柄でなければならない。

もしそうでもないのにもかかわらず真名で呼べば首を跳ねられてもおかしくはない、と言うほど誇りあるものなのだ。






と、そうこうしているうちに一刀達が騒動が起こっている場所に着いた。
引き連れているのは関羽(真名・愛紗)と、張飛(真名・鈴々)、趙雲(真名・星)だ。




「て、てめえ!!ふざけてんのか!?」

「オレは一切ふざけてなどいない。さあ!!そのガキを離して大人しくしろ!!!」




そんな声が人ごみの中から聞こえてきたが、まだ姿が確認できない。

「時に主、一体どんなことが起こっているのです?」

星が一刀に訊く。
この二人は当然のように真名で呼び合う仲だ。

「ああ、なんでも食い逃げした男が逆上して、それを止めに入った人を振り切って逃走、子どもを人質にとって、そして今相手をしている人が対処に当たってるらしい」

「で、その相手にしている男が」

「変な格好をしているらしいんだけど・・・・・・」







「食い逃げ?そんなことしてなんになる!!」

人ごみの向こうから声が聞こえる。
まだ姿は見えないが。

「こっちは腹減ってんだよ!!悪いか!?」

「やった!!おなかが減っていれば、次に食べた時とてもおいしくなるぞ!!」

「ああ、うまかったさ!!!」

「だけど、その味は罪の味が、しなかったかい!?」

「う・・・・・・」

「きちんと働いて食べれば、もっとおいしかったんじゃあ、ないのかぁい!?」

「う、うぅぅぅうううう!!!!!」

「さあ!!もうそんな過去は振り切ろう!!職を探して、明日に生きるんだ!!!」

「お・・・・オレは・・・・・う、ううううううううう!!!!!」


ガシャン


どうやら男が短剣を落として子どもを開放したらしい。


「さあ行きな・・・・強く生きるんだ!!!」

「あ、ああ!!!!」





どうやら無事解決したのか、人混みが散開して行く。
中には涙を流している人、「これからオレも頑張るぞ!!」と意気揚々としている者と様々だ。


そしてついにみんなが去り、動乱の中心人物が堂々と立っていた。



「やった!!今日も世界は平和だ!!!!」


はっぱ一枚の蒔風が。
と言っても肌色のパンツに葉っぱがついているだけなのだが。

それでも十分におかしい。



「何やってんだあんたぁ!!!!!!」

一刀が大声を上げた。
後ろの二人なんかは訝しげな顔をしている上に愛紗は武器、青龍円月刀を握りしめている。
星は腹を抱えてケタケタと笑っているが。


「む?この国の太守、北郷一刀か!!!!」

「え?そ、そうだけど・・・・」

「お会いできて光栄だ!!!!しいてはお話したいことが・・・・」


と蒔風が近寄ると武器を構えて愛紗が一刀の前に出る。


「え、ええい近寄るな変態め!!!!」

「な、何を言う!!!これぞ究極の非武装!!!!平和の象徴だぞ!!!!」

「なるほど、故にあの男も冷静に話を聴けたのだな」

「せ、星も感心してないでこいつをひっとらえろ!!!!」

「まあ待て愛紗、この男、只者ではないぞ?」


星の言葉に愛紗が少し険しい顔をする。
星は普段はふざけているが人を見る目は確かだ。

その星が只者ではないというからにはその通りなのだろう。



「ん?ここはあれか?君に勝たなければならないのかな?」

「勝っても通さん!!!」

「えーーー?でも君ほどの武人が負けた時に知るか!!なんて言い張るとは思えない、だから」


蒔風が店先にかぶせてあった布をとり、バサア!!と身体を包む。
そしてその布を取り払うと、普通の服装になっている蒔風がいた。

それはいかにも現代ファッションで、ジーパンにワイシャツと非常にラフな格好だ。


「!?なんだその服は!!」

「あの服装・・・・まさか・・・・・」



「相手は君でいいのかな?五虎将軍が一、関羽殿?」

「っ!!!こい!!!」



「ええ《555 standing by》行きますともよ。変身!!《complete》」


ヴァアアアアアン!!!!


蒔風がファイズフォンによって仮面ライダーファイズに変身し、その姿に愛紗が驚愕し、一刀が信じられない物を見るような目で見た。



「貴様、妖術使いか!!!」

「違うよ。言うならば「願い使い」だな。はぁッ!!!!」


二人が駆けだす。
その距離が休息に縮まり、ぶつかり合うというその寸前。



「愛紗、待ってくれ!!!!」



ビタァ!!!
ザザザザザザザザザザ!!!!!



二人の手が止まり、接近したところで膠着する。
蒔風が青龍円月刀を左手で掴み、右の肘を愛紗の鼻先に付けていた。


「その人の話を聞くよ。気になることもあるしね」

「そうてもらえると(バシュ)ありがたいね。これいる?」


「「「いらんわ!!!!」」」


蒔風が差し出すはっぱを一言で払いのけ、四人は蒔風を城に案内する。





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「それで?どういうことなの一刀。みんなを集めるなんて」

「この男の話がそんなに重要なものとは思えないのだけれど・・・・・」

「まぁまぁ、そう言わないでよ二人とも」


謁見の間にさっきの四人と蒔風、そして元「魏」の王・曹操(真名・華琳)、元「呉」の王・孫権(真名・蓮華)がいる。



「いや、彼の話は聞くに値すると思う」

「どうして?理由を聞きたいわね」

「そうだ、こんな恰好をした者など初めてだ」

「それは私たちも聞きたいのです、ご主人様、教えていただけますか?」


彼女達に言われ、一刀が答える。
その答えは彼女たちにとってかなり衝撃的なものとなった。




「彼は・・・・・・オレがいた・・・・元の世界の人間かもしれないんだ」

「「「「「え・・・・・えええええええええええええええええええええええ!?!?!?」」」」」

「と、言うことは天の国の方というわけですか?主」


「いいや、厳密にいえばオレは北郷の世界とは違う世界の住人だよ」

「どういうことだ?」

「それは・・・・・」


バタン!!!


「そこからは私が説明するわぁ~~ん!!!!」


と、いい声を出して入ってきたのはムキムキマッチョな大男。
それでいて恰好はパンツ一丁という実にキモチワルイ野郎だった。


「貂蝉!?」

「お?この世界の観測者か?」

「んふ、さすが翼人ね。そこまでわかるなんてん!!」

「くねくねしないで!!!」

「あらん、つれないわね」


「貂蝉!!知っているのか?」

「あ~~せらないでご主人様ん♪これからじっくりお話しするわん。
 ご主人様自身の、そしてこの世界の行く末に関して、ね」









to be continued
 
 

 
後書き


アリス
「恋姫†無双の世界ですね!!無印の方なんですか?」

はい
大丈夫ですよ、ちゃんと真の方も行きますから!!!



アリス
「そういえば国名が「蜀」になっていましたね」

ええ。
でもあそこで「北郷軍」と書いたらわからない人はますますわからなくなってしまうかと思いこうしました。






アリス
「次回、説明回乙」

ではまた次回










長き戦乱に苦しむ民草のため、この関雲長、非情の刀と相成りて官匪匪賊を打ち倒す!
 
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