聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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551部分:第七十九話 更なる歩みその一
第七十九話 更なる歩みその一
更なる歩み
「そうですか。彼等は」
「はい、そうです」
「残念ですが」
「一人も、です」
リーヴェに対して周りにいる狂闘士達が話していた。皆それぞれ戦衣を着ている。
「誰一人として残りませんでした」
「アリエスの前に」
「わかりました」
リーヴェはここまで話を聞いたうえで静かに述べた。
そうしてそのうえで。周りにいる彼等に対してさらに話すのであった。
「それでですが」
「はい、それでは」
「何でしょうか」
「彼等の冥福を祈りましょう」
こう告げるのであった。
「今はです」
「インプ達の冥福をですか」
「そうされよと」
「無論私もです」
彼もするというのだ。その言葉には強いものがあった。
「ハーデス様が彼等を祝福して下さることを」
「そうですね。ハーデス様ならば」
「あの者達を優しく迎えて下さります」
彼等はアーレスだけでなくハーデスにも敬意を払っていた。ただしそれはアーレスのそれよりも弱い。流石にアーレスが至高であった。
「だからこそ今は、なのですね」
「彼等の冥福を」
「そうです」
まさにその通りだというのだ。後ろに流れる大河を背にしての言葉である。
「祈りましょう」
「では」
こうして彼等はそれぞれ黙祷した。それはまさに戦死したインプ達の冥福を祈る動作であった。そしてそれが済んでからであった。
リーヴェは目を開くと。静かに言うのだった。
「それでですが」
「はい、今度は」
「何でしょうか」
「アリエス達はこのカルカッタに来ていますね」
このことを問うたのである。
「この場所に。そうですね」
「その通りです」
「ゆっくりとですが」
「わかりました」
それを聞いて頷くリーヴェだった。
「それでは。次はです」
「我々が、ですね」
「彼等に対して」
「そうです」
周りの言葉に応える。しかし言葉はそれだけではなかった。
「ですが」
「ですが!?」
「まだ何かあるのでしょうか」
「インプ達も向かわせます」
彼等もだというのだ。
「それは宜しいですね」
「インプ達もなのですか」
「あの者達も」
「そうです。いっそのことインドに連れて来ているインプ達全てを投入したいのですが」
彼はその女と見紛うばかりの美しい顔に思案の色を漂わせていた。そうしてそのうえで周りにいる九人の狂闘士に対して告げるのだった。
「それは少し。冒険に過ぎます」
「冒険に、ですね」
「だからそれは」
「半分を行かせます」
数はそれだけだというのだ。
「それだけ向かわせます」
「そしてそのインプ達でも」
「聖闘士達をですか」
「白銀聖闘士ですが」
リーヴェは白銀聖闘士についても考えを及ばせていた。
「確かイーグルと蛇使いでしたね」
「そうです、イーグルの魔鈴と」
「蛇使い座のシャイナです」
その二人だというのである。九人はそれぞれ述べた。
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