提督はBarにいる。
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EX回:3鎮守府の秋祭り~準備編②~
どうにかこうにか、出店する艦娘と屋台の種類が決まった。下に一覧として出そうと思う。
黒潮:お好み焼き
浦風:広島風お好み焼き
長門:綿菓子
鳳翔:焼き鳥
龍驤:たこ焼き
愛宕:チョコバナナ
高雄:フランクフルト
間宮&伊良湖:大判焼き
武蔵:佐世保バーガー
天龍:金魚すくい
龍田:唐揚げ(竜田揚げ)
大和:ドリンクバー
雲龍:肉まん
時雨:かき氷
秋月&照月:おにぎり
大鯨:豚汁
足柄&那智:カレースタンド
金剛姉妹:喫茶コーナー
夕立:ドーナツ
明石:明石焼き
瑞鳳:クレープ
ドイツ艦娘:プチオクトーバーフェスト(ドイツビール&料理の提供)
主だった物はこんな所だろうか。紐くじや射的、輪投げといった遊戯的な屋台や、一部の飲食系の屋台は地域住民の出店という事で話がまとまった。
さてと、次は……ゲ、憲兵隊との折衝かよ。あそこの隊長苦手なんだよなぁ、皮肉屋で。
「さ、嫌がってないで行きますよ~、提督。」
ニコニコしながら大淀が俺の襟首を掴んで引き摺っていく。ちくしょー、この性悪ドS眼鏡め。俺は一応お前の上司だぞ?くそったれ。
しかし意外な程、憲兵隊からの協力は取り付けられた。もっとゴネられるかと思ってたがすんなりと私服の憲兵さんが20人、各重要施設の入口に二人ずつ、合計10人で総員30人。やはり軍令部が手を回していたらしい。
「さて、後は会場設営と……」
「あ。そういえば模擬演習の相手の提督の資料、届いてましたよ。」
あのなぁ。そういうのは届いたらすぐに出せっての。えぇと、何々……。
海軍提督養成課1期生。という事は大先輩じゃねぇか。鎮守府黎明期、艦娘がこの世に誕生したばかりの頃、日本周辺の海域をほぼ封鎖され、絶体絶命だった頃の激戦を戦った世代。今の様に艦娘の量産態勢も整っていない頃だ、国内四大鎮守府と言われている横須賀・呉・佐世保・舞鶴は規模も艦娘の錬度も段違いに高い。
「さ~て、どこだどこだ~?横鎮か?呉か?はたまた佐世保か?」
もう一度資料を見ると、【所属:美保鎮守府】とある。ん、美保鎮守府?
「う、嘘だろオイ……まさかあの美保鎮守府の提督が相手かぁ!?」
美保鎮守府。鳥取県西部に面した日本海の入り口の守りを任された鎮守府。施設の規模は小さいながらも、戦艦・空母・雷巡・重巡・軽巡・駆逐艦とバランス良く配備され、更に独自の艦娘を建造して配備している。更に実戦経験も豊富で、数少ない陸戦も経験した鎮守府だ。
提督の指揮能力も高い。前任の舞鶴では新任の頃に一度の出撃で6隻、つまり出撃した艦隊全艦を沈めたという過去の記録が残っているが、美保鎮守府に転任してからの損害は0。上から何と言われても艦娘の命を最優先し、その為艦娘達からの信頼も厚い。加賀を沈めた直後、まさに俺が理想とした提督像だと、残っていた戦闘詳報や演習記録、残っていた手記等を読み漁って研究したものだ。そんな相手が演習の相手。あ、ヤバイ。緊張で吐きそうなんだけど。
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