チートな筈なのにそんな気がしない
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俺の名は
前書き
映画おもしろそうですね〜
「話を整理するぞ。」
ノーネームと白夜叉の前に突然現れてしまい、焦った俺はとっさにギフトゲームに参加して気付いたらここにいたと嘘を吐いた。いくらなんでもこの世界が1つの小説から出来た世界で自分はそこに転生して今まで神様にあったなんて言えないからだ。
「ギフトゲームに参加はしたが、どんなゲームかは覚えておらず、主催者もわからない。クリアをした実感だけはあり、気付いたらここにいたということか?」
「ああ…」
「まぁ、あり得ん話とは言わんが…」
よかった。一応信用はされているのか。
「報酬はないのか?」
そう十六夜が話に入り尋ねる。
「それも分からん。」
今はそう誤魔化すしかない。
「報酬といえばおんしもノーネームの者なら先程のゲームの報酬を渡さねばな。」
「報酬?ゲーム?」
何かは知っているが取り敢えず聞いておく。
「この者達は先程ワシにゲームを挑んだのだよ。」
「それで勝ったのか。」
「まぁ、遊び程度じゃがな。」
「いつか決闘挑んでやるよ。」
十六夜が言う。
「バカな事言わないでください‼︎この問題児様‼︎」
黒ウサギが十六夜にすかさずツッコミを入れる。
「いつでも来るが良い。さて、そういうことじゃからおんしにもこの者達と同じように報酬を渡そうと思う。」
「もしかしたらギフトカードなら貴方の名前も分かるんじゃない?」
飛鳥が言う。そういえば記憶喪失だと言ったな。実際は名前自体がなかったらしいが。
「おんしは自分の名前がわからんのか?」
白夜叉が俺に尋ねる。
「ああ。」
「まぁ、ギフトカードにならおんしの名前くらい簡単に分かるじゃろう。」
そう言って白夜叉がパンパンと手を叩く。そうすると俺の手元には灰色のカードが出てきた。
「カードにはどんな名前が書かれているの?」
飛鳥に聞かれたので俺はカードを飛鳥に手渡した。
「何も書かれてない?」
そう、カードの名前が書かれているの筈であろう場所には何も無くただ空白があるのみであったのだ。
「全能のラプラスの紙片のエラーが二度もおこるとは…」
これには白夜叉も驚いたようだ。
「名前が無いのなら付ければいいんじゃ?」
耀が言った。
「それいいな。」
十六夜が少し、いやかなり悪い顔をして言う。
「思いっきり変な名前付ければいいんじゃねーか?」
「変な名前?」
「◯◯◯◯とか××××とか」(書けない)
「何を言っているのですか‼︎」
聞いた俺が馬鹿だったな。
「さて名前か…」
そうだ。
「名前が無いならそれを名前にしてやるよ。」
「俺の名前は今日からナナシだ。」
そう言った瞬間ギフトカードにはナナシという文字が刻まれた。
俺の発言に驚く者、笑う者と反応は様々だ。
「いい皮肉になるんじゃ無いのか名無し《ノーネーム》のナナシってさ。」
「ヤハハ違いねえ。」
こうして俺の名前も決まり、俺達は白夜叉と別れ、コミュニティノーネームの本拠地に行くことにした。
道中にリーダーのジンと話したり、挨拶ができていなかった耀とも話した。そしてノーネームの現状も聞いた。
「さっきギフトカードを見たときは名前の方に目が言ったけれど貴方のギフトって何なの?」
そう飛鳥に聞かれたので俺はもう一度ギフトカードを見せた。
「《ダブリー》?」
聞き慣れない言葉に首をかしげる飛鳥。
「お嬢様、それって倍増って意味なんじゃねーか?」
「逆廻の言う通り、俺のギフトは自分に関するモノを倍に出来る。」
「そうか、どの程度まで有効なんだ?」
「それは分からん。」
「そうか。それと俺のことは十六夜で構わないぜ。」
その後ノーネームの本拠に着いた俺達が見たのは荒れ果てた建物達だった。その光景はまさに災い、天災の後のようであった。
「ひどいな。」
その言葉でしか言い表せなかった程だ。
それからノーネームの子供達の歓迎を受けた。リリが可愛い。あれは反則だ。何なのだあの生き物は危うくそちらの世界に入る所だったよ。
風呂の途中、轟音が聞こえたが、十六夜が何とかする筈だから心配はいらない。
フォレスガロ?そんなこと俺が知るか。
後書き
ふう…
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