転生とらぶる
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ガンダムW
1528話
森でトールギスのテスト飛行を行い、その結果に満足すると、俺達はハワードのサルベージ船へと戻る。
もっとも結果に満足しても、それはある程度までのレベルでの事だ。
本当の意味で俺の操縦技術に対処するには、それこそニーズヘッグのような機体が必要なのだから。
また、まだ微妙に俺の動きに数値を調整して欲しい場所もあるが、それでもあの半ば壊れていると言ってもいい状態からここまで持ってきたのは、さすがハワードと言うべきだろう
「見えてきたわよ」
凛の声に、サルベージ船の姿が視線の先に映る。
そのサルベージ船の近くでは、何人かの船員が寛いでいる姿が見えた。
……いいのか? 今は忙しい筈だろうに。
ガンダムデスサイズの整備にリソースを集中している筈だった。
いや、トールギスの件が片付いたから、その褒美とかだったりするのか?
そんな俺の疑問は、間違っていなかった。
何故なら、地面に椅子を置いて座っていたりボール遊びをしているのは、トールギスの最終調整をしていた者達だったのだから。
向こうも近づいてくるMS運搬用トレーラーには気が付いたのだろう。
椅子に座ったり寝っ転がったりしていた者達は起き上がり、ボール遊びをしていた者達もボールを止めて、トレーラーが近づいてくるのを待っていた。
「どうだった!?」
開口一番に尋ねてきたのは、最終調整の責任者だった男。
自分達がやった仕事に満足はしていたのだろうが、それでもやっぱり実際にどうだったのかってのは気になるんだろう。
中には凛と綾子を見て鼻の下を伸ばしている男もいるが、その辺は仕方がない。2人共極上の美人だし、サルベージ船に女っ気はないのだから。
いや、もしかしたら女もいるのかもしれないが、少なくても俺は見た事がない。
けど、こういう男所帯の職場に女が数人いるかと言われれば……正直、どうだろうな。
恋愛沙汰とかで、色々と揉め事が起きそうだが。
もっとも、向こうも凛と綾子という美人2人を侍らせている――ように見える――俺に心配されたくはないか。
「大体問題ない。ただ、出来ればもう少し反応を過敏にして欲しいな」
「……嘘だろ!? あの設定でも、まだ反応が鈍いのか?」
俺の言葉に、信じられないといった様子で言葉を返してくる男。
原作では最初はトールギスのスーパーバーニアにはリミッターが掛けられていたが、当然今のトールギスにそんなリミッターは存在しない。
「ああ。自慢じゃないが、俺のMS操縦技術は高いし、人並み外れた反射神経とか持っているからな」
「人外の、じゃないのか? 文字通り」
ボソリ、と綾子が口の中で呟く声が聞こえてくるが、幸い男には聞こえていなかったらしい。
「うーん、これ以上の数値を下手に弄っても、機体のバランスに悪影響が出てくるんだけどな。分かった、もう少し検討してみるよ。ハワードにも話を聞きたいし」
「そうしてくれ。トレーラーはMSを修理していた場所でいいんだよな?」
「ああ、そうしてくれると助かる。操縦ログとかのデータも後で見させて貰うよ。……皆、集まってくれ! ブリーフィングを行うぞ!」
なるほど、やっぱり俺が帰って来るのを待ってたのか。
そのついでに休憩時間を楽しんでいたといった感じで。
早速その場でブリーフィングを始めた船員達を尻目に、俺はトレーラーをサルベージ船の中に運び込んでいく。
このまま入っていけるってのは楽でいいよな。
ガンダムがいる格納庫とは離れているから、その辺も心配しなくてもいいし。
「さ、取りあえず今日のところはこれで終わりだ。ただ、今頼んでいる最終調整が終わったら、ノベンタに接触しに行く予定だから、そのつもりでいてくれ」
「随分と慌ただしいな。まぁ、アクセルと一緒に行動すると思ってたから、その辺は予想してたけど」
「そうね。けど、もう少しゆっくり出来るといいわね」
綾子と凛の口から出る言葉に、苦笑を浮かべる。
「俺も出来ればもっとしっかりと準備を整えたかったんだけど、ハワードと接触するのが遅くなってしまったからな。別に、あのマフィアを責める訳じゃないけど」
そもそも、ハワードという名前だけで探し出してくれたんだから、感謝こそすれ恨む筋合いはない。
向こうにとっても完全に商売上の取り引きだったのだから、全力を尽くしていたとは思うし。
「けど、そうだな。上手い具合にノベンタに傭兵として雇って貰えれば、多少ゆっくりと出来る時間も出来ると思うぞ」
確か原作でノベンタがヒイロに殺されたオペレーション・デイブレイクは、5月の中旬くらいだったと思う。
今がまだ4月の上旬だから、1ヶ月くらいゆっくり出来る時間はある筈だ。
……まぁ、傭兵として活動を始めて1ヶ月となると、色々と地固めをする時間で終わってしまいそうな気もするが。
連合軍の軍人に、トールギスの性能と俺の操縦技術を見せつけて、こっちの実力を納得させる。
それ自体はそこまで時間が掛からないだろうが……当然のように俺がトールギスを使って表舞台に出れば、スペシャルズやOZ、ロームフェラ財団辺りがこっちに接触してくるのは間違いない。
で、当然どこでトールギスを入手したのかを聞いてくる筈だ。
それをどうやって誤魔化すかだな。
まぁ、手段はある。オペレーション・デイブレイクが行われるまでは、まだスペシャルズやOZ、ロームフェラ財団よりも連合軍の方が立場は強い。
で、当然のようにスペシャルズやOZ、ロームフェラ財団を嫌っている軍人は多い。
そんな相手に手を回して味方に引き入れれば、何とか……
ただ、当然のように連合軍に有能な人材は少ないんだよな。
ホワイトスターとの連絡が取れれば、その辺はエザリア辺りに任せておけば何とかなっただろうし。
だが、今はホワイトスターとの連絡が取れない。
だとすれば、全てを俺が考えて動かなければいけない訳で、難しい判断を強いられることになりそうだ。
「アクセル?」
「いや、何でもない。それより少し休むか」
「……まぁ、それは別にいいけど」
凛が微妙に納得したような、していないような、そんな反応を見せて綾子と共にトレーラーを降りる。
運転席に残り、トレーラーを立たせてトールギスの調整がしやすいようにしてから降りる。
既に凛と綾子の姿も格納庫の中にはなく、今ここにいるのは俺だけだ。
ガンダムがある格納庫では、今忙しく働いている者が多いんだろうが……
「ま、だからって何がある訳じゃないんだろうけど。……なぁ、そう思わないか?」
「……」
誰もいない格納庫の中で物思いに耽っている最中、唐突に現れた気配へと話し掛ける。
その声が自分に話していると聞こえたのだろう。1人の人物が姿を現す。
「何故分かった?」
短くそう尋ねてくる男……いや、少年……否、ヒイロ。
まさか自分が近づいてくるのを察知されるとは思わなかったのだろう。……それも、この格納庫にやってきた瞬間に、だ。
感情を感じさせない目をこちらに向けるヒイロ。
原作通りに進めば、それなりに人間性は豊かになるんだがな。
ただ、今は原作が始まったばかりでリリーナ殺す殺す詐欺をやっている最中だ。
まさに人形と呼ぶに相応しい。
「何故? そんなの、当然だろう? 誰かが近づいてきているのなら、それは何らかの反応を示す。簡単に言えば音とかな」
正確には、音以外にも気配とかそういうので察知してたんだが、その辺は別に口に出す必要はないだろう。
「俺は音を出しながら歩くような真似はしない」
「どうだろうな。それは、お前には感知出来ていないだけだろ? 人が動けば、必ず音を出す。それはリンゴが地面に落ちる程に当然の事だ」
まぁ、影のゲートとかを使えば音が出ないかもしれないが……いや、そもそも本当は音で近づいてくるのを聞き分けた訳じゃないんだが。
ここまで言ってしまえば、それを否定する事も出来ないか。
そんな俺をヒイロは無言で見る。
自分が人に気が付かれるような足音を立てて移動してはいないという自信はあるんだろうが、こうして実際に俺に見つかっているのは事実だ。
……考えてみれば、こうして俺の能力を見せつけるような真似をしたのは失敗だったか?
ヒイロにとっては、より警戒度を高めるという事に他ならないのだから。
だが、OZを相手に戦いを挑んでいる時点で、プロトタイプ・リーオーと呼ばれているトールギスを所有している俺は警戒対象か。
こうして誰もいない時に俺に会いに来たのも、当然その辺が理由だろう。
「さて、お前が近づいてくる事に気が付いたというのはともかく……結局お前は何をしに来たんだ? ハワードに用事があるのなら、ここにはいないぞ?」
恐らく違うだろうというのは分かっていたが、それでもこうして尋ねてきた以上、聞いておく必要がある。
もし俺をどうこうしようと思っているのではなく、純粋にガンダムの事でハワードに用事があって探しているのかもしれないと考えたからだ。
……まぁ、自分のMSは人に触って欲しくないヒイロがハワードに何か頼むとは思えないが。
いや、機材の件とかなら有り得るか?
ともあれ、ハワードに用事があるのかと尋ねた俺に対して、ヒイロはそれに答えずに口を開く。
「アクセル・アルマー。お前はこの機体……プロトタイプ・リーオーで何をする?」
へぇ、俺の名前を知ってるか。
別に自己紹介をした訳じゃないが、ハワードを含めてこのサルベージ船にいる奴から情報を集めたといったところか?
他人の話を聞いて情報を集めるのが苦手そうなヒイロだが、それでも船の乗員同士で話をしているのを盗み聞きすれば、それくらいは分かるだろう。
いや、お節介なデュオと一緒に行動してるんだ。もしかしたら、そのデュオから俺の話を聞いていた可能性は十分にあるな。
そして人当たりのいいデュオなら、俺の情報を集めるのも難しい話じゃないだろうし。
それどころか、ガンダムの整備を頼んでいる関係上、ハワードから情報を仕入れるくらいはしていてもおかしくはない。
実際、ハワードにとっては自分が開発に参加したトールギスよりも友人……知人? 同僚? ともあれ、そんな相手から預かったデュオとガンダムデスサイズの方が重要だろうし。
「答えろ。このMSで何をするつもりだ」
視線を鋭く尋ねてくるヒイロだったが、俺がそれに返すのは軽く肩を竦めるという行為のみ。
「この機体で俺が何をしようと、別にお前には関係ないだろう?」
「……答えろ」
ぶっきらぼうと言うか、不器用と言うか……詰問してきて、俺がそれに気分を悪くしたらどうするつもりなのやら。
俺の場合は元々ヒイロがテロリストになるように育てられてきたというのは知っている。
だからこそこうして詰問されても多少気分を害するだけだが、普通ならこうもいかないだろう。
まぁ、同じように偉そうで、その癖何故かヒイロ達と何度も敵対をする五飛に比べればマシか。
「そうだな、折角こうしてここまで来たんだ。少しだけ話してもいいか」
いや、寧ろこの機会に俺がどうするつもりなのかというのを話しておけば、オペレーション・デイブレイクの際にノベンタの身の安全を守る事に繋がるかもしれないな。
「連合軍のノベンタ元帥を知っているか?」
その問いに、ヒイロは短く頷く。
まぁ、コロニーとの宥和政策を打ち出す人物だけに、ヒイロの立場として知らないという事はないだろう。
「まだはっきりそうなるとは決まっていないが、俺達は傭兵としてノベンタに雇われる予定だ」
もっとも、予定と言ってもあくまでもこっちが決めているだけであって、まだノベンタには接触していないんだが。
「ノベンタに?」
「ああ。今の連合軍にとっては珍しく穏健派の人物だ。特にコロニーに対して宥和政策を打ち出している事で有名だな」
一瞬だけヒイロの視線が強くなる。
コロニーという言葉を俺が口にした事に引っ掛かったんだろうが、それでもノベンタが連合軍の元帥として穏健派で宥和政策を取ろうとしているというのは、少し調べれば分かる事だ。
自分がコロニーのエージェントであるという事は知られていないと判断したのか、すぐに視線の鋭さは消える。
取りあえず、これで俺が……正確にはトールギスが護衛をしている中には穏健派のノベンタがいるという事を印象づけられただろう。
……ここまでやっておきながら、実はノベンタに傭兵として雇われませんでしたとなったら、色々と計算が狂ってしまうな。
セプテムに雇われる……といった選択肢はないんだが。
ただ、セプテムは好戦的なタカ派だが、その息子と父親はそれなりに思慮深い人物なんだよな。
宇宙の連合軍を纏めている筈だから、出来ればOZのオペレーション・デイブレイクを防いだ後で連絡を取って味方に引き入れたい。
「ま、とにかくお前が聞きたいのはそんなところか?」
そう尋ねるも、ヒイロは満足したのかしてないのか、特に何も言わずにその場を後にするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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