聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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528部分:第七十五話 第三の技その三
第七十五話 第三の技その三
「我等黄金聖闘士の力はまさに星の力だ」
「それは八大公も同じだ」
彼等もそうだというのだ。
「星と星の力がぶつかればだ」
「その時は」
「少なくともこのオーストラリア大陸は跡形もなく消し飛ぶ」
そうなってしまうと今二人に言うのだった。
「間違いなくな」
「だからこそだというのか」
「ここは闘いを止めよというのか」
「そうだ。どちらも本意ではあるまいがな」
「無論だ」
リゲルが鋭い目を彼に向けて言ってみせた。
「狂闘士にとって闘いを止めよというのはだ。死ねと言っているのと同義だ」
「それをわかってのことだ」
アイオロスも引かなかった。
「全てだ。いいな」
「ではサジタリアスよ」
リゲルはなおもその鋭い目をアイオロスに向けていた。そうして言うのだった。
「貴様が死ぬのだな」
「私とやるというのか」
「レオを退かせるというのならそうさせてもらう」
闘いから身を引くつもりは毛頭ないのだった。何処までも狂闘士である彼だった。
「それでいいか」
「いいだろう。どちらにしろ今この大陸にいる者達や動物達を失わせはしない」
だからだというのだった。
「アイオリア、御前にはそれがわかるな」
「・・・・・・・・・」
無言で兄の言葉に頷く。それが答えだった。
「ならばいい。ではアスモデウスよ」
「レオを倒せずともサジタリアスを倒せば」
既に彼にその気を向けているリゲルだった。そのうえでの言葉だった。
「それでよし。ならばだ」
「いえ、なりませんリゲル様」
「それはです」
ところがだった。ここで四人の狂闘士達が突如として姿を現わした。そうしてリゲルに対して告げるのだった。
「今はその拳をお収め下さい」
「どうか御自重を」
「御前達か」
リゲルは己の右に片膝をついて述べる四人を一瞥して言った。
「御前達が来たということはだ」
「はい、エリス様の御命令です」
「それによってです」
「エリス様の御言葉か」
それを聞いてまた言う彼だった。それを聞くと目の色が変わった。
「わかった」
「おわかりになられましたか」
「それでは」
「エリス様の御考えは我等の意志」
それまであくまで闘おうとしていたリゲルが急に態度を変えていた。完全にだ。
「そういうことだ」
「ではこれで」
「トラキアに戻りましょう」
「うむ。ではレオ、サジタリアスよ」
四人の方に向かい踵を返す。その時に二人の方を振り向いての言葉だった。
「また会おう。そしてだ」
「その時こそはか」
「今の闘いの続きをというのだな」
「そうだ」
まさしくその通りだというのだった。
「その通りだ。次に会ったその時こそだ」
「いいだろう」
アイオリアが彼に対して言葉を返してみせた。
「それではその時にまた拳を交えよう」
「あの時を思い出す」
リゲルは不意にこんなことも言ってきた。
「あの時をな」
「あの時だというのか」
「そうだ」
彼は確かな声でアイオリアに対して告げてみせた。
「あの時のだ。もっとも貴様は覚えていないようだがな」
「一体何の話だ」
表情は変わっていないが言葉のそれはいぶかしむものであった。
「覚えているとは。俺がだというのか」
「そうだ。それはないようだな」
「何を言っているのかわからないが」
「ならばいい」
リゲルもそれで話を収めたのだった。
「だが。貴様はあの時と変わってはいないな」
「貴様が言うその時とか」
「そうだ。サジタリアスも他の黄金聖闘士達もだ」
彼等もだというのだった。
「それは同じだな」
「そうなのか」
アイオロスはこう彼の言葉に返してみせた。
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