聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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527部分:第七十五話 第三の技その二
第七十五話 第三の技その二
「おおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!」
「何っ、小宇宙を発散させただと!?」
「まさかそれでだというのか」
「そうだ、これでだ!」
アイオロスに返した今の言葉だった。
「これで貴様の攻撃を防いでみせよう!」
「何と!」
「恐ろしい男だ、アスモデウス」
アイオロスも彼に唸るしかなかった。
「そこまで闘いに執念と気迫を見せるか」
「見よ!」
さらに言うリゲルだった。
「俺のこの小宇宙をだ!」
そうしてだった。アイオリアのライトニングファングを全て打ち消してしまった。まさにその小宇宙で成し遂げた恐るべき行動であった。
「見たか」
「まさかそう来るとはな」
アイオリアにしても驚愕の色を隠せなかった。
「このアイオリアの攻撃をそうして防ぐとは」
「そしてレオよ」
あらためてアイオリアに告げてきた彼だった。
「貴様はもう攻撃を放てまい」
「何っ!?」
「それともまだ俺に攻撃を放って来るか」
こう彼に問うてみせたのだった。
「それはどうなのだ」
「できると言えば」
アイオリアは彼を見据えて言葉を返した。
「どうするというのだ」
「その時は俺もまた見せよう」
リゲルは全身から凄まじい汗を噴き出しながら述べてきた。
「俺の最後の必殺技をだ」
「最後の技をか」
「そうだ」
まさにそうだというのだ。
「それを見せる。どうするのだ」
「ならばだ」
アイオリアもまたそれに応えた。そうして再び身構えるのだった。
「俺も見せよう。全ての力を込めてだ」
「来るというのか」
「そうだ。どうするのだ」
あらためて彼に問うリゲルだった。
「ここでお互い死ぬか。それとも」
「それも悪くはないな」
アイオリアも引かなかった。
「貴様を倒せればそれだけでだ」
「では来るのだな」
「では行くぞ」
そのまま再び激突しようとする両者だった。しかしだった。
「待て」
「何っ、兄さん」
「サジタリアスか」
「ここでこれ以上激突するべきではない」
こう言って両者の間に入るのだった。静かにだ。
「今はな」
「それは一体」
「何故だ?」
双方が怪訝な顔になって彼に問うた。
「今ここでアスモデウスを倒しておけば」
「それはこちらとて同じこと」
両者の考えはこの点においては完全に一致していた。見事にだ。
「トラキアの力は相当落ちる」
「何を考えているのだ」
「この大地のことをだ」
今の言葉はリゲルに返したものだったが同時にアイオリアも見ているものだった。
「考えてのことだ」
「この大地のことを」
「どういうことだ」
「アイオリア、黄金聖闘士の力のことはわかっている筈だ」
今度はアイオリアに告げた言葉だった。
「そのことはだ。そうだな」
「確かに」
彼の今の言葉に確かな声で頷くアイオリアだった。
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