オズのビリーナ
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第三幕その六
「お腹が空くとね」
「それだけで動けなくなるからね」
ジョージも言います、この辺りガラスの猫達と違うのです。
「僕達は」
「だから沢山食べて」
五人の中で一番の食いしん坊でもあるカルロスの言葉です。
「栄養もつけないとね」
「オズの国でもね」
最後に恵梨香が言いました。
「しっかりと食べないとね」
「そうよ、皆いつもしっかりと食べるのよ」
ビリーナの今の言葉はお母さんめいたものでした。
「いいわね」
「ええ、わかったわ」
ナターシャが五人を代表してビリーナに応えます。
「そうさせてもらうわ」
「デザートもね、ただね」
「デザートだけでなくて」
「何でもしっかり食べるのよ」
そうしないと駄目だというのです。
「いいわね」
「バランスよくなのね」
「そういうことよ」
「何でもバランスよく食べてこそ」
「よく動けるから」
健康にというのです。
「デザートもお野菜もお肉もお魚もね」
「食べないと駄目よ」
「そうよ」
「よく言われるけれどその通りなのね」
「ええ、ただ私は人間とは身体の仕組みが違うから」
鶏はといいますと。
「お豆や麦だけでいいけれど」
「そうよね、ビリーナ達はね」
トロットがビリーナに応えます。
「お肉とかお魚は食べなくていいわね」
「そうよ、お豆とかで充分よ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「私はそうしたのを食べるから」
「今みたいに」
「それで水浴びして寝るわ」
こう言うのでした。
「私はね」
「私達もね」
ここでまた言ったトロットでした。
「御飯の後は男の子と女の子に別れて水浴びをして」
「歯も磨いてな」
キャプテンも皆に言います。
「寝よう」
「わかったわ」
こうしてでした、皆でです。
御飯を食べてそして身体を奇麗にしてからテントの中でぐっすりと寝ました。そして朝になってお日様が出るとです。
ビリーナはエリカにです、こう言いました。丁度エリカも起きたところです。
「朝よ」
「わかってるわ」
「もう結構起きてるのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「少し前に起きたところよ」
「そうなのね」
「じゃあ皆を起こして」
「ええ、私は鳴かないけれどね」
雌鶏だからです。
「起こしてそして」
「朝御飯を食べてね」
「旅の再開よ」
そしてです、二匹で皆を起こしてサンドイッチと野菜がたっぷり入った温かいスープの朝御飯を食べて出発しました。
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