オズのビリーナ
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第三幕その一
第三幕 ご主人を立てる将軍
一行はすぐにエメラルドの都からマンチキンの国に入りました、ですがここで夕方になってしかも日が沈もうとしています。
その状況を見てです、トロットはキャプテンに尋ねました。
「もうお休みするべきかしら」
「それがいいね」
キャプテンはトロットにすぐに答えました。
「それがね」
「やっぱりそうよね」
「うん、丁度近くに川もあるし」
「そこで身体を奇麗に出来るから」
「丁度いいよ」
ここで今日はお休みにすることがというのです。
「もうね」
「それじゃあね、皆お休みにしましょう」
トロットはナターシャ達にも二匹の猫にもお話しました。
「晩御飯を食べて身体も奇麗にして」
「それで、ですね」
「テントの中でお休みね」
「そうしましょう」
ナターシャとエリカにも応えたトロットでした。
「ここはね」
「わかったわ、それじゃあね」
ビリーナも応えます。
「今日は休みましょう」
「それで、だよね」
ここでカルロスがビリーナに言いました。
「日の出と共にビリーナが鳴くのよね」
「鳴かないわよ」
ビリーナはそのことは否定しました。
「私雌鶏だから」
「そうそう、朝に鳴くのは雄鶏でね」
神宝がビリーナの言葉を聞いて皆に言いました。
「雌鶏は鳴かないんだよね」
「雌鶏のお仕事は卵を産むことで」
ジョージはビリーナを見ながら言います。
「朝に鳴くことじゃないんだね」
「だからビリーナは朝は早起きでも」
恵梨香はビリーナが日の出と一緒に起きることは知っています、それで言うのでした。
「鳴かないのね」
「そうよ、私は鳴かないから」
このことを断るビリーナでした。
「覚えておいてね」
「わかったわ、それで卵だけれど」
ビリーナは卵のことから言います。
「雛が生まれる場合とそうじゃない場合があるのね」
「そうよ、私は産み分けが出来るの」
「そうなのね」
「オズの国でそれが出来る様になったの」
こうお話するのでした。
「私はね」
「そうなのね」
「雛が産まれる卵は食べないでね」
そのことは断ったビリーナでした。
「絶対に」
「それはわかってるわ」
「というかそうした卵は今は産まないけれどね」
「じゃあ何処で産むの?」
「私の国で産む様にしているわ」
そうしているというのです。
「今はね」
「そうなのね」
「王宮にいる時とかに産むのは雛がいない卵よ」
「じゃあ食べられるの?」
エリカはビリーナにこのことを聞きました。
「その卵は」
「ええ、食べていいわよ」
こうエリカに答えるのでした。
「好きなだけね」
「わかったわ、それじゃあね」
「ええ、何ならノーム王にぶつけてもいいわよ」
「ノーム王ってラゲドーさん?」
「今は別の人だったわね」
実はノームの王様も代わっています。
「ラゲドーさんはオズの国の中で楽しく暮らしてるわよ」
「もう悪いことは考えないで」
「そう、幸せにね。けれどね」
「若し悪いことをしたら」
その時はというのです。
「ぶつけてやればいいのよ」
「ノームは卵をぶつけたら死んじゃうから」
「そうすればいいのよ」
「そうなのね」
「その証拠にラゲドーさん私の国には絶対に近寄らないから」
「卵が一杯あるからね」
鶏は卵を産む、それ故にです。
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