聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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50部分:第六話 恐怖軍団その一
第六話 恐怖軍団その一
恐怖軍団
新たに現われた二人の者達。見ればその二人もまた血塗られた赤の衣を身にまとっていた。
「また狂闘士ってわけか」
「ま、まさか」
「貴女達までもう到着されるとは」
三人はその二人の狂闘士達の姿を認め驚きの色を隠せなかった。
「ここは我等だけで充分です」
「そうです、たかだか聖闘士の一人」
「いえ、それはなりません」
二人のうちの一人が三人の言葉に対して答えてきた。
「そこにいるキャンサーは黄金聖闘士。ならば」
「相当の実力があると見なければなりません」
もう一人も言ってきた。見たところこの二人は狂闘士の中でもかなりの高位のようだった。しかも片方がより位が高い。デスマスクは一人が先に進んでいるのを見てそこまで見抜いていた。
「何か随分と偉いさんが来たみたいだな」
「いえ、私達はただアーレス様にお仕えするだけ」
「そして我等を率いるカナン様の手足となる者達」
「カナン!?ああ、あいつか」
デスマスクはその名を聞いてすぐにそれが誰か思い出した。
「ローマで俺につっかかってくれたあのキザな蝿野郎か」
「カナン様への罵倒は許しません」
その上位と思われる者がデスマスクの今の言葉を咎めてきた。
「例え誰であろうと」
「それが聖闘士ならば尚更のことです」
「といっても俺にはアーレスも蝿野郎も関係ねえんだがな」
あくまでアテナの聖闘士であることを言外で言っていた。
「それにだ。御前等ならよくわかるだろ」
「何がですか?」
「御前等に俺をどうこうすることは言えねえんだよ」
不敵に笑い小宇宙を増大させてみせてきた。
「強い奴が絶対に正しい、これはわかるよな」
「力こそは正義だと」
「そう言いたいのですね」
「その通りだ、そして俺は御前等より遥かに強い」
こう断言してきた。
「だったら言う資格はねえよな。違うか?」
「確かに貴方はお強いでしょう」
「ですが」
今のデスマスクの言葉を受けてか二人の小宇宙が増大してきた。
「私達もまた狂闘士」
「そうおいそれとは敗れることはありませんよ」
「そうかい。じゃあ五人纏めて相手してやるよ」
やはり五人を前にしてもデスマスクの自信は揺るがない。
「来な。一撃で地獄に送り返してやるぜ」
「果たしてそう上手くいきますか?」
「私達五人を相手にして」
二人を中心にして五人はそれぞれ構えを取って来た。
「名乗りましょう」
「私達の名を」
構えたうえでまた言ってきたのだった。
「ほお、見たところ女だが何ていうんだ?」
「私は公爵、フルーレティのユニ」
薄緑のショートヘアに同じ色の目を持つ白い肌の少女だった。小柄であどけない印象を与える。だがその小宇宙は狂闘士の禍々しいものだった。
「私は伯爵、シトリのリィナ」
もう一人も名乗ってきた。こちらは褐色の肌に黒い目に黒のショートヘア、やはり少女であるが活発な印象を与えていた。何と二人共少女だったのだ。
「以後お見知り置きを」
「キャンサーのデスマスクよ」
「女かよ」
デスマスクの二人の名を聞いた最初の感想はこうであった。
「狂闘士は女も多いって聞いていたけれど早速出て来るとはな」
「生憎ですが女といっても」
「私達を侮らないことです」
「ああ、それは安心しな」
心まで身構えてきた二人に対して左手を軽く、スナップさせるようにして横に振ってから答えてきた。
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