Blue Rose
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第三十二話 長崎での日常その五
「食べないわね」
「調理しにくいかな」
「そうよね、私も見て凄いって思ったけれど」
それでもというのだった。
「調理するってなると」
「あんな難しいのはないでしょ」
「そうそうな方法じゃ出来ないわよ」
とてもと言う優花だった。
「切って少しずつ?」
「そうなる?」
「普通の大根は半分ずつだけれど」
「桜島大根はね」
「少しずつね」
「少しずつ切っても」
それでもとだ、また言う優花だった。
「あれだとね」
「余ってね」
「大変よね」
「巨大過ぎて」
「余りそうね」
「どうして調理したものかしら」
かなり真剣にだ、優花は考えていた。
そして若宮と都島にも言うがだ、男子生徒達はそんな優花の話を聞いていてだ。そのうえでこう言うのだった。
「蓮見桜島大根で何するんだ?」
「あんなのとても調理出来ないだろ」
「でか過ぎて火も通らなくてな」
「煮ても相当時間かかるだろ」
「部活とかの寄せ鍋とかな」
「ちゃんこ位でしか使えないよな」
「力士さんが食うな」
そうしたちゃんこ鍋位で、というのだ。
「力士さん食うからな」
「大根も何本も必要だし」
「あの大根なら一個だな」
「他の野菜も必要だけれどな」
「あっ、そうね」
優花は男子生徒達のその言葉にはっとした顔になって頷いた。
「それならね」
「あっ、蓮見聞いてたか」
「ちょっと俺達も思ったんだよ」
「あの大根使うならってな」
「力士さんのちゃんこだな」
「そうよね、ちゃんこ鍋にして」
そしてと言うのだった。
「力士さん達が食べればね」
「桜島大根位でな」
「充分位だぜ」
「力士さんの食う量は半端じゃないしな」
「あの大根だって何人かで食えばあっという間だぜ」
「力士さんだと」
また言った優花だった。
「食べる量の桁が違うから」
「あの人達は食べることもお仕事じゃない」
「それなら格が違うわよ」
若宮と都島も言う。
「あの人達とかレスラーの人達はね」
「私達とは違うわよ」
「私よりも」
優花は今の自分のことから考えた、そうしてこう言ったのだった。
「三倍はあるわね」
「体重?」
「それが?」
「私今は身長一四八で」
まずは背から話した。
「体重三十八キロだから」
「普通に優花っち三人分あるわね」
若宮は幾らか真剣な顔で述べた。
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