聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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484部分:第六十八話 魔界の戦士達その二
第六十八話 魔界の戦士達その二
「青銅はそうなのか」
「黄金聖闘士の方々はあれですか?」
「やっぱり一人に一台ですよね」
「それもかなり高級なのが」
「高級なのか」
それは自覚のないアイオリアだった。この辺りはやや疎いところがあった。アイオリアはそうした世間については知らないところがあった。
「我々が乗っている車は」
「ってそれはまあ」
「当然じゃないんですか?」
青銅の者達は少し驚いた様な顔でアイオリアに言葉を返した。
「黄金聖闘士ですよ」
「聖域で最強の」
このことについては最早言うまでもなかった。黄金聖闘士こそ聖域で最強の聖闘士達でありそして聖域の象徴でもあるのである。
「その車もやっぱり」
「相当なものですよ」
「そうなのか」
言われてそのうえでまた気付いた様な顔になるアイオリアだった。
「黄金聖闘士が乗っているその車は」
「はい、そうですよ」
「それについては」
また話す彼等だった。
「って知らなかったんですか」
「それは」
「ううむ、それはな」
やはり知らなかった。彼は難しい顔になっていた。
「そういうものなのか」
「やっぱり違いますよ」
「青銅と白銀、それに黄金では」
あらためて話す彼等だった。
「黄金聖闘士はやっぱり凄いものがありますよ」
「俺達から見たら憧れですし」
「ですから」
彼等はそれぞれ話す。これもまたアイオリアには気付いていなかったことだった。
「俺達黄金聖闘士はそうした存在だったのか」
「だからといって深くお考えになられることはありません」
ここでダイダロスがアイオリアに告げた。
「アイオリア様はアイオリア様でお考えになられればいいのです」
「俺の考えでか」
「そうです。それでいいのです」
ダイダロスの彼への言葉は続く。
「深刻に考えられることはありません」
「そうか」
「はい、確かに自覚は必要です」
それはいるというのである。
「ですがそれでもです。それに押し潰されてはなりません」
「押し潰されてもならないか」
「そうなってしまっては何もなりません」
彼は言った。
「だからこそです」
「俺は俺の黄金聖闘士としての生き方を歩む」
アイオリアは述べた。
「そういうことなのか」
「何も深く考えられることはないのです」
また言うダイダロスであった。
「アテナが導いて下さいます」
「わかった」
ここまで聞いてようやく頷くことができたアイオリアだった。
「では。そうさせてもらう」
「はい、是非」
ダイダロスは彼に対して頷いてみせた。
「それではです」
「これからのこのオーストラリアでの戦いもまた」
「アイオリア様の進まれるべき道を歩まれて下さい」
「ですよね。それがアイオリア様らしいですよ」
「そうそう」
ここで青銅の者達もアイオリアに対して告げるのだった。
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