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Three Roses

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第二十一話 地位と力その十二

「ですが一国になれば」
「互いに争う力を内政に回せます」
「予算も人材も」
「そして手付かずだった開墾等も行え」
「畑や牧場も増やせます」
「そして漁業にも精を出せますね」
「争いで商業も阻害されていましたが」
 その地域での商売も商人達の行き来もだ、戦争で妨害されてきたのだ。
「ですが」
「はい、それでもです」
「全てなくなり」
「国力は発展し」
「そしてですね」
「より豊かになります、それから」
 マリーは四国を統一し豊かになった先も話した。
「学校をより多く建てましょう」
「優れた人材を育てる為に」
「今以上に学校を増やす」
「学問も奨励し」
「国の柱となる人材を育てますね」
「人材こそがです」
 まさにというのだ。
「国の柱ですから」
「その通りですね」
「ではです」
「国の人材を育てる」
「その為の学校も築いていきましょう」
「図書館も置き」
 マリーはさらに話した。
「そこに古今東西の書も収めましょう」
「図書館ですか」
「それも築きますか」
「そしてそのうえで」
「知識も」
「そうです、備え」
 そしてというのだ。
「その知識もです」
「国の役に立つ」
「だからですか」
「多くの知識を我が国のものにする為にも」
「図書館も築きますか」
「そして古今東西の書も集めるのですね」
「そうしましょう、大軍を編成して動かすことも必要ですが」
 それと共に、若しくはそれ以上にというのだ。
「知識も備えましょう」
「わかりました、では」
「女王となられた時は」
「畑と牧場、漁場を増やし」
「学校もより建てていき」
「図書館も」
「今は貴族のみが教育を受けていますが」
 マリーはさらに話した。
「やがては平民もです」
「彼等にもですか」
「広く門戸を開き」
「そして、ですね」
「人材を多く育てる」
「そして国家に役立てていきますか」
「優れた人材は多いに越したことはありません」 
 マリーは先を、そして広く見ていた。そのうえでの言葉だ。持ち前のその視野を活かしそのうえで言っていることだ。
「ですから」
「学校もですか」
「多く建てていき」
「貴族だけでなく平民にも」
「やがては広く門戸を開き」
「多くの人材を育てていきましょう」
 国の為にというのだ。
「そうしていきましょう」
「わかりました、では」
「先の先を見据え」
「そうして」
「教育にも力を注いでいきましょう」
「文化もですが」
 図書館のことをだ、マリーは再び言った。
「医学も含めて」
「ですね、大陸の医学は進んでいます」
「それも異教や東方が」
「我々の医学はまだまだ未熟」
「それ故に若く、幼くして死ぬ者も多いです」
「そうした学問も新しくしていけば」
 それにより、というのだ。
「国力も伸ばせますので」
「政治ですね」
「それに励んでいきますか」
「マリー様が女王になられたら」
「そうしていかれますか」
「まずはそこからです」 
 政治、それも内政だというのだ。
「それでは」
「はい、では」
「及ばずながら我々も」
 側近達も応えた、マリーは先を見据えて女王の座に就こうと考えていた。そこには何も澱んだものはなかった。


第二十一話   完


                      2016・8・19 
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