転生とらぶる
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ガンダムW
1511話
「さて、この世界がどういう世界かってのは理解したな?」
TVに映し出されているニュースの中では、連合軍が軍事パレードを行っている。
リーオーが地上を歩き、エアリーズが空を飛ぶ。
……俺が知ってる限りだと、エアリーズも連合軍に供与されてはいたが、かなり数が限られていた筈なんだけどな。
大部分を使用しているのがスペシャルズだった筈だ。
ん? 待てよ? 俺達がこの世界に転移してきた場所でもエアリーズがいたけど……もしかしてあれって、連合軍じゃなくてスペシャルズの模擬戦だったのか?
可能性としては十分にあるが……まぁ、供給されている数が限られていたといっても、全く供給されていなかった訳じゃない。
その辺を考えれば、連合軍の精鋭部隊の模擬戦だったという事も考えられるか。
「うわ……ろぼっと」
どこか舌足らずな様子の凛。
元々機械の類を苦手としている凛だ。
当然ながら科学技術の最高峰とも呼ぶべきMSは、理解の範疇外だろう。
そんな凛に比べれば、綾子の方はまだまともそうに見える。
「意外だな、綾子はロボット……MSとかを見てもそんなに驚かないんだな」
「ああ、弟がゲームとかよくやってたから。その相手をしてて、経験がある。それに、聖杯戦争の時にもアクセルが同じようなのを使ってただろ?」
ああ、そう言えばそうだったな。あの聖杯戦争でニーズヘッグが最後の最後で大暴れをしたんだった。
「何言ってるのよ。あのロボットはアクセルの宝具なんだから、今こうしてTVに出てるとのは違うわよ」
綾子の声で多少我に返ったのか、凛はそう告げる。
この場合、どっちも間違いという訳ではない。
綾子が言う通り、ニーズヘッグは俺の愛機……いや、半身と呼んでもいいような存在だし、俺がサーヴァントと化した事により、宝具化されたのも事実だ。
「ちなみに、当然ながらニーズヘッグは空間倉庫の中に入っているし、他にも何機が同じような機体は入っている。ただ……出来れば、まだこの世界でそういう機体は使いたくないな」
ニーズヘッグを含めて、何かあったら整備をする必要がある。
一応一通りの知識は持っているが、それでも俺が持っているのは士官学校での知識だ。
シャドウミラーで作られている機体は、非常に高度な技術が使われており、それこそちょっと囓った程度の俺では簡単な整備くらいしか出来ない。
幸いなのは、ニーズヘッグにしろ、サラマンダーにしろ、ミロンガ改にしろ、どの機体も基本的には武器がビーム兵器だということか。
実弾兵器の補給は殆ど考えなくてもいい。……まぁ、S-11ミサイルとかは空間倉庫の中に予備がそれなりに入ってるから、問題はないんだが……それでも、出来ればこのW世界でシャドウミラーの技術を誇示するのは避けたい。
そうなると……やっぱりこの世界の技術で作られているMSを確保しておく必要があるな。
取りあえずはリーオーとエアリーズを何機か確保して……ああ、それと今が3月で原作1ヶ月前なら、スペシャルズにはキャンサーとパイシーズも存在している筈だな。
最新鋭機という扱いだったから、数は少ないが……これも出来れば欲しい。
トーラスは、どうだろうな。OZの新型として生産されてはいるが。
ただ、これらの機体はどうしても性能が低い。
そうなると、一騎当千的な存在であるトールギスは是非とも入手してハワードと渡りを付ける必要があるか。
この辺は、凛の魔術で何とかするのが一番手っ取り早いか?
「そういうものなの?」
首を傾げる凛。
「ああ。だから、今夜か明日、そうでなくても近いうちに軍の基地に潜入してMSを奪ってくる」
「ちょっ!? 本気!?」
「ああ。……心配するなって。俺が転移魔法を使えるのは凛も綾子も知ってるだろ? それに空間倉庫があるから、見つかる事は有り得ない。……というか、敵の基地に潜入して最新鋭機を盗み出すのは、今まで何度もやってるし」
一番被害に遭ったのは、マオ社だが。
うん、まぁ、正直……今更だが、あそこまで機体やら部品とかを盗んだり、魔法を使って施設に侵入した事により警備態勢の見直しやら何やら……マオ社に与えた被害というのは、ちょっと笑えないものになっていた筈だ。
寧ろ笑うしかないというのが正しいのか?
「アクセルの事だからその辺は全く心配していないけど。とにかく、そのロボット……いえ、MSだったわね。そのMSを手に入れてからどうするの?」
凛の言葉に俺が出来るのは、首を横に振る事だけだった。
ここがSEED世界なら、それこそオーブに連絡を取れば問題がないが、W世界だしな。
……いや、W世界で良かったと言うべきか?
ガンダムXの世界だったり、ターンエーガンダムの世界だったりしたら、色々な意味で悲惨だった。
ガンダムXは大戦が終わった後で地球はボロボロ。しかもバルチャーという名の盗賊が溢れかえっている。
まぁ、ジャミルの艦辺りに合流するというのはありだったか?
それでもコロニー側、連合側に合流するというのは有り得ない選択肢だ。
ターンエー世界だと、地球は論外。幾ら酔っ払っているからといって、宇宙服を着ないで樽に乗って宇宙に出るような奴が指揮官の1人なのだから。
ムーンレイスの方もムーンレイスの方で、長年戦争をしていないのでグダグダ。
いっそギンガナムに協力してみるのは面白いかもしれないな。
Gガンダムは……うん? あれ? 多少なりともその内容は知ってた筈だけど、殆ど覚えてないな。
何でだ?
いやまぁ、純粋に前世で俺が見た事がなかったからなんだろうが。
基本的には俺がまだ覚えているのは、しっかりと原作を見たことがあるものだけだ。
例えば、この世界の作品のガンダムWとか。
だが、残念ながら俺はGガンダムの原作は見ていなかった。
だからこそ、殆ど覚えていないのだろう。
覚えているのは、ドモン、マスターアジア、ゴットガンダム、デビルガンダム……といったメインキャラや敵キャラ、それぞれが使うMSの名前くらいか。
ともあれ、それはともかくとして……
「MSを手に入れたらどうするか、か。……正直、どうしたものだろうな」
「ちょっと、ノープランなの?」
「いや、ジト目を向けられてもな。本来ならホワイトスターと連絡を取るつもりだったんだから、仕方がないだろ」
正直なところ、凛達が来た影響で……いや、凛じゃなくてFate世界が原因なのか。
ともあれ、その為にゲートを設置してもホワイトスターと連絡が取れなくなったというのは、痛い。
こうなってしまった以上、こっちである程度の地盤を作る必要があるのは事実だ。
勿論レモン達が俺を救助に来ないという考えは一切ない。
だが、お互いに時差がある以上、何かあった時の為に地盤を固めておく必要があるのは間違いのない事実。
……そうなると問題になってくるのは、やっぱりどこの勢力に与するかだよな。
凛と綾子が意識を取り戻していない時に色々と考えていたが、あの時とは大きく状況が異なっている。
あの時は、シャドウミラーとしてすぐにこちらに俺達も拠点を持つ事が出来るという前提で考えていたのだが、今は長期的に……それこそ下手をすれば、何年、もしくは十年以上も協力する事になるかもしれない相手。
そう考えれば、どうしても以前よりも慎重にならざるを得ない。
まぁ、現状で手を組むべき相手として有力なのは、そんなに数はないんだが。
候補に挙がるのは、連合、OZ、ロームフェラ財団。
大まかにはこの3つか。
勿論この勢力の中でも、色々と細かく派閥があるというのは分かっている。
それに今のOZ……スペシャルズは、ロームフェラ財団の私兵に近いし。
そうなると、接触する勢力はやっぱり連合がいいか?
連合軍で元帥をやっているノベンタ辺りはシャドウミラーと協力関係を築くには色々と難しいものがあるが、一度信頼関係を築くことが出来ればその性格から裏切りの心配はしなくてもいい。
……ただ、ノベンタと接触するとなれば、トレーズが仕掛けた計画を邪魔する必要がある。
OZが表舞台に出たその日行われた、オペレーション・デイブレイクにてヒイロ達にノベンタを殺させるという、その計画を。
そうなると完全に俺の原作知識が役に立たなくなってしまう。
その辺をどうするかだな。
これでゲートが使えれば、シャドウミラーとしての戦力でどうとでも出来るんだが……
「それで結局どうするの?」
「そうだな……ノベンタに会って、協力したいと思う」
「……ノベンタ?」
当然ながら、この世界にやってきたばかりの凛や綾子にノベンタ元帥の名前を言ってみたところで理解は出来ない。
「そうだ。この世界ではさっき見たように、MSが普通に使用されている。そして宇宙にはコロニーがあって、現在そのコロニーは地球に色々と締め付けられている状態だ。そんな中で、ノベンタという人物は連合軍の中で元帥という地位にある。しかもコロニーに対して友好姿勢を隠そうともしないような、な」
「意外ね。アクセルの性格を考えれば、てっきりもっと強硬な人と手を組むのかと思ってたんだけど」
それが、凛が俺の事をどう思っているのかを如実に表すような一言だった。
「一応強硬派もいるけど……底の浅い奴だしな。一時的ならまだしも、ずっと手を組みたいような相手じゃない」
トレーズにいいように利用され、用件が済めば即座に始末される。それがセプテムだ。
そんな奴と手を組みたいとは、少なくても俺は思わない。
いや、今も口にしたように一時的なものであれば別に構わないんだけどな。
息子と祖父は結構有能な人物で、こっちは出来ればノベンタの派閥に引っ張り込めればいいんだが。
だが、今俺達が求めているのは長い時間協力をしていく相手だ。
……まぁ、長い間となれば、ノベンタは老齢という事もあってその辺が多少心配なのだが。
それでも、現状で手を組む相手としては、ノベンタがベストだと判断する。
「ふーん。ま、強硬派だったら、アクセルが持っている技術を寄越せとか、私達の魔術に興味を抱いて妙なちょっかいを出してきたりとかしそうだしね。そう考えれば、そのノベンタって人が最善なのかもしれないわ。綾子はどう思う?」
「あたしか? あたしは……うーん、どうだろうな。正直なところ、この世界の事は全く分からないし、アクセルに任せるしか出来ないよ。寧ろ、あたしとしては何でアクセルがそこまでこの世界に詳しいのかとか、気になるんだけど」
「俺が詳しい理由? そうだな、簡単に言えば俺がアクセル・アルマーだから」
「……答えになってないんだけど」
溜息を吐く綾子だったが、俺が口にしたのは決して間違っている事ではない。
まだ、真実は告げてないが……俺の正確な事情を今のところ知っているのは、俺の恋人達だけだ。
凛や綾子もその恋人達なんだから、教えてもいいんだが……出来ればその辺はホワイトスターに戻ってから話したい。
まぁ、何年経っても戻れなければ、やがて話さなくてはならなくなるだろうけど。
「ともあれ、ノベンタに会いに行って協力態勢を築くって事でいいか?」
その言葉に2人が頷く。
まぁ、実際他に何か取る手段がある訳でもないし……いや、レディ・アンがいなければ、トレーズに接触するのも悪い話じゃないんだけどな。
レディ・アンがいる状態で俺達がいけば、原作のゼクスの如く嫉妬される事になる。
しかも後ろ盾の類が何もない今の状況では尚更に。
「じゃあ、これからすぐに?」
尋ねてくる凛の言葉に、首を横に振る。
「幾ら人の良いノベンタでも、連合軍で元帥にまでなった男だ。ただ行っても向こうが会うとは思えない」
正確にはノベンタの周辺にいる奴が、怪しい相手と面会させるとは思えないといったところか。
原作でもそうだったが、ノベンタを慕う者は多い。
それこそ、一勢力としてある程度の戦力を揃える程度には。
そんな人物だからこそ、一度手を組めばこっちが裏切らない限りは向こうも裏切らないという確信があった。……まぁ、良識派だけにこっちの態度次第では袂を分かつ可能性はあるけど。
「ふーん。じゃあ、どうするの?」
「そうだな……出来ればノベンタには俺達が他の世界から来ているとか、魔術や魔法を使えるとか、シャドウミラーの技術があるとか、そういうのは今のところ知らせたくはない。その為にトールギスを奪ってくるんだし」
「……じゃあ、どうするの?」
「凛にはあまり実感がないかもしれないけど、一応こう見えても俺の本業は生身での戦闘じゃなくて、パイロットだ。腕利きの傭兵という扱いにして売り込むのがいいだろうな」
この世界に傭兵がいるというのは、トロワの存在で既に決まっているし。
それに、俺が他の世界に行った時に傭兵として活動するのは既にお約束に等しい。
……まぁ、今回はいつもと違ってかなり傭兵として動く期間が長くなりそうだが。
「私達は?」
「俺とは別行動か……」
「アクセルと一緒がいいに決まってるじゃない」
「……なら、俺の相棒や部下、秘書ってところか?」
何だかんだと2人とも生身での戦闘は魔術云々を使わなくてもかなり強い。
特に綾子の場合、この世界の人間が生身で勝つのはほぼ不可能と言ってもいいだろう。
「相棒ってところで妥協してあげる。綾子もそれでいいでしょ?」
「あたしはそれでもいいけど、MSだったか? それの操縦はすぐに出来るようになるのか?」
「もしなんなら、MSの操縦が俺で、凛と綾子はそれ以外を担当するって形でもいいし」
ともあれ、何だかんだといつもと同じようで、微妙に違う展開に思わず苦笑を浮かべるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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