ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第一幕その五
「こうしたこともね」
「沖縄料理も」
「そうそう、何か先生ってね」
「日本に入ってから食文化に凄い興味が出てね」
「それで食べてね」
「確かめる、楽しみながらそうする様になったんだよね」
動物の皆も言います。
「そうなったんだよね」
「イギリスにいた時はそうしたことなかったけれど」
「それが変わったね」
「大いにね」
まさにです、そこは。
そしてです、先生も言うのでした。
「イギリスにいるとね」
「どうもなんだよね」
王子が笑って言うことはといいますと。
「イギリス料理、食文化は」
「残念だけれど」
「紅茶やビスケットにね」
「ティーセットはあるけれど」
先生は十時と三時には欠かしません、ただし日本に来てから和風、アメリカ風、中華風のそうしたティータイムを楽しむ様になりました。
「他はね」
「ローストビーフやフィッシュアンドチップス」
「あとビーフシチューかな」
「ビーフシチューはフランスというか」
先生はビーフシチューについて言うのでした。
「欧州の何処でも食べるから」
「違うかな」
「イギリス料理と言えるか」
「そこは難しいんだね」
「どうもね」
こう言ったのでした、王子に。
「僕が思うに」
「ううん、じゃあ」
「イギリス料理といったら」
「あまりだね」
「ビーフシチューも抜けてね」
「余計になんだね」
「うん、そうは言えないね」
どうにもと言った先生でした。
「僕も残念だけれど」
「そこはね」
「イギリス料理はね」
「どうも弱いね」
「日本の食文化と比べると」
それこそと言うのでした。
「弱いね」
「それでだったよね」
「僕も食文化についてはね」
「興味が薄かったんだね」
「そうだったんだ」
まさにというのです。
「僕もね」
「僕がすき焼きをご馳走したのがはじまりかな」
「そうなるよ」
実際にと答えた先生でした。
「あそこでこんな美味しいものがあったってね」
「知って」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「こうして色々とね」
「食べてだね」
「学問にも生かしているんだ」
「楽しみつつ」
「学問は楽しむものだよ」
先生の学問とはこうしたものです。
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