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オズのビリーナ

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第一幕その二

「トロットやベッツイと一緒になのね」
「うん、あの人達もオズマと一緒だよ」
「一緒に行っていて」
「いないしね」
「後は」
 ここで言ったのはドロシーでした。
「ガラスの猫とエリカね」
「つぎはぎ娘は?」
「ギリキンに遊びに行ったわ」
 ドロシーはビリーナに答えました。
「それでかかしさん、木樵さんと遊んでるわ」
「そうなのね」
「いないから」
「何か王宮の皆も忙しいのね」
「そうなの、私はいるけれど」
 それでもというのです。
「トトとガラスの猫とエリカとね」
「五人でお散歩ね」
「いつもより少ないかしら」
「いや、そうでもないんじゃない?」
 ビリーナはドロシーにすぐに答えました。
「五人いれば充分よ」
「お散歩には」
「じゃあ今日は五人でお散歩しましょう、それに」
「それに?」
「これは私の勘だけれどね」
 こう前置きしてです、ビリーナはドロシーに言いました。
「あの子達も来るわよ」
「恵梨香達も」
「そう、多分ね」
 そうなるというのです。
「あの子達はこうした時にこそ来るから」
「そういえばそうね」
 ドロシーもビリーナのその言葉に頷きます。
「あの子達こうしたお話をしてるとね」
「いつも来るでしょ」
「噂話をすればね」
「遊びに来るのよ」
「考えてみれば不思議ね」
「これが縁なのよ」 
 ビリーナは右手の羽根を挙げて言いました。
「人のね」
「人のなの」
「そう、あの子達と私達のね」
「そしてオズの国の」
「だからね」
 それでというのです。
「多分来るわよ、あの子達も」
「そうなのね」
「だからあの子達が来たらね」
 その時はというのです。
「一緒にお散歩しましょう」
「それじゃあね」
「王宮には後はジュリアがいるけれど」 
 ジュリア=ジャムの名前もです、ビリーナはお話に出しました。
「あの娘はいつもお仕事をしているから」
「だから迂闊に声をかけられないの」
「お仕事の邪魔だから」
「そう、声はかけられないわね」
 ドロシーも納得して言います。
「これが」
「そうなのよね」
「あの娘が暇な時はいいけれど」
 それでもというのです。
「忙しい時はね」
「邪魔出来ないのよね」
「そうよね、じゃあお昼は」
「トウモロコシを食べましょう」
「是非ね」 
 こうしたことをお話しているとです、そこに早速でした。 
 恵梨香とナターシャ、カルロスとジョージ、神宝の五人が王宮の中に来たとのベルが鳴りました。ビリーナはそのチャイムが鳴った方にお顔を向けて言いました。 
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