転生とらぶる
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ガンダムW
1510話
ホテルから大分離れた場所にある、林の中。
現在俺と凛、綾子の3人の姿はそこにあった。
林の木々に紛れているこの場所なら、上空をエアリーズが飛んでいてもゲートを発見するのは難しいだろう。
いや、勿論何かがあると判断し、詳細にセンサーを働かせれば話は別だが……ここに何かがあると、そう判断出来るとは思えない。
だからこそ、こうして林の中でも上が茂みで隠れており、それでいてゲートを設置出来るだけの空間がある場所をわざわざ探したのだから。
……まぁ、影のゲートを使えば全く問題はないんだが。
また、もし見つかりそうになったとしても、俺達の中には凛がいる。
いや、その凛が使う魔術の結界でどうにかなるのかを確認する為にやってきたというのもあるんだが。
「いいか?」
「ちょっと待って。……いいわよ」
宝石を手にして、凛が呟く。
どうやってなのかは俺にも分からないが、とにかく凛は宝石剣を作り出す事に成功した。
そうして宝石剣を使って平行世界に転移するという実験を行ったのだが……当然それに際し、万全の準備は整えていた。
持てるだけの宝石を身につけて持ってきていたので、こうして宝石の1つを使って結界を張る事が出来る訳だ。
ちなみに向こうの世界の遠坂の家をどうしたのかと聞いてみたところ、いざという――自分が戻ってこない――時には桜に任せるようにと伝言をしてきたそうだ。
いやまぁ、本人はあくまでもいざという時って言ってるから、本心でその気はないんだろうけど。
ともあれ、Fate世界の方の心配はいらないらしい。
ちなみに桜。……何と、現在の正式名称は衛宮桜だそうだ。バゼットとの戦いにも無事勝利したんだな。
うん、どうやらあの2人、結婚したらしい。
つまり、それは衛宮も遠坂家の正式な関係者ということになっているとか。
ちなみに桜、あの聖杯戦争が終わった後で間桐家とは縁を切り、遠坂桜になっていたらしい。
……こうして考えてみると、遠坂、間桐、遠坂、衛宮……4回も名字変わってるのか。
そんな風に考えている間に凛が宝石に意識を集中し、やがて魔力による結界が生み出される。
Fate世界の結界というのは、他人に察知されるのは二流、三流という話を聞くが、凛が今生み出した結界を俺が感じ取る事が出来たのは、俺が混沌精霊という魔力で身体が構成された存在であるというのもあるし、目の前で直接結界を展開したという理由もある。
ともあれ、無事に結界の展開は行われた。
「ふふん、どんなもんよ」
自慢気に呟く凛だったが、これはそれだけの事はある。
ネギま世界の魔法とFate世界の魔術というのは、同じような結果をもたらすものであっても、根本から違う。
魔術基盤がどうとかで、本来ならこの世界でFate世界の魔術は使えない筈……なのだが、何故か今は全く問題なく使えている。
多分、俺が何か関係しているのではないかという予想を凛がしていたが、それが正確なのかどうかは分からない。
まぁ、その辺はエヴァやフェイト辺りにでも調べて貰えばいいだろう。
……Fate世界の魔術をフェイトに調べて貰う、か。微妙に何か縁があるな。
「よし、じゃあ次に俺だな」
空間倉庫のリストからゲートを選択。
Fate世界では、このリストから選択すら出来なかったのだが、このW世界では無事にゲートを取り出す事に成功する。
そうしてコンテナ状のゲートのスイッチを入れると、サイコロが解体されるかのようにコンテナの面が開いていき……次の瞬間、ブーという音が聞こえる。
「何だ?」
今までには聞いた事のない音。
どこか失敗を連想させるような音に、凛と綾子の2人も微妙に不安そうにしている。
特に凛の場合は、元々機械関係に弱い。
それこそ、留守番電話ですら使えないのではないかと思えるくらいに。
そんな凛だけに、今のこの音というのは普通よりも更に不吉なものを感じているのだろう。
「ちょっと、何よ? 何があったの?」
「落ち着け。……今からちょっと調べてみるから」
何が起こってもいいように、それこそいつでもガンドを発射出来る態勢の凛にそう告げ、展開しているゲートの映像スクリーンを起動させる。
そこに表示されているのは、ゲートと……正確にはホワイトスターのゲートと接続出来ないというエラーメッセージ。
……何でだ?
そもそも、ゲートを起動させてからホワイトスターと繋がらないとか、今まではなかったんだが。
何がどうなってこうなった?
……うん? 待てよ? もしかしたら……
ふと思いつき、未だに周囲の様子を警戒している凛の方を見る。
綾子は現状で何か危険が迫ったら、すぐにでも物干し竿を抜けるように準備をしている。
半サーヴァントの綾子だ。それこそ銃弾くらいならあっさりと斬り裂く事が出来るだろう。
そういう意味では、連合やスペシャルズの兵士がこの場所に現れたとしても何も心配する事はない。
いや、俺がいる時点でその心配はいらないんだが。
ともあれ、半サーヴァントである綾子は、MSとはまた別種の力を持っている。
それも俺と凛と綾子の3人しか知らないような、そんな力を。……いや、レモン達には話したか。
「凛、悪いけど一旦結界を解除してくれ。もしかしたら、それが原因でゲートが正常に動作しないのかもしれない」
「え? ええ。分かったわ」
少し残念そうにしながら、凛は結界を解除する。
さて、これでゲートのリンクが上手くいってくれればいいんだが……
そんな思いを抱き、再びゲートを起動する。
だが……次の瞬間、再びエラー音が周囲に鳴り響く。
ちっ、どうなってる?
だが、これ以上無理に試して壊れてしまうのも不味い。
そうなると、次に試すべきなのは……
「マーカーか」
「マーカー? 何、それ?」
綾子の疑問に、空間倉庫からマーカーを取り出す。
一見するとその辺に転がっている石ころにしか見えない、そんなマーカー。
「石?」
「そう見えるようにカモフラージュはしてるけどな。これは、その名前の通りマーカーだ。つまり、この世界の座標をホワイトスターに知らせる能力を持っている」
そう呟き、マーカーのスイッチを入れるも……
ブー。
再び聞こえてくるエラー音。
……何でだ?
ゲートが使えないのは、まだ分かる。
Fate世界の魔術の結界が妙な作用を起こしたのだと考えれば、まだ納得出来ないでもなかった。
だからこそ凛に結界を解除して貰ったのを確認してからマーカーを取り出し、スイッチを入れたのだ。
それなのに、何故ホワイトスターと繋がらない?
……不味いな、これは。
いや、レモン達の事だし、多分暫くすればこっちの異常に気が付いて何らかの手を打ってくるだろう。
だが問題なのは、今までにも何度も経験したような、世界と世界の間にある時差だ。
こっちの数日が数ヶ月、下手をしたら数年……もっと最悪だと十数年、数十年と掛かる事も珍しくはない。
また、それと逆にこっちの数ヶ月、数年が向こうでは一瞬の可能性もある。
その辺を考えると、どうしても不安になるが……
「ともあれ、考えられるとすれば凛が使った宝石剣の影響か?」
「え? ちょっと、もしかして私のせいなの?」
「別に凛のせいだと思ってないけどな。多分偶然なんだろうし。……凛、宝石剣はどうだ? Fate世界に戻れるか?」
「ちょっと待って」
俺の言葉で意識したのか、凛が真面目な表情で宝石剣と取り出す。
あれだけの宝石の大きさだ。魔術とか関係なく値段を考えても、十分過ぎるだけの価値を持っているだろう。
ともあれ、凛はそのまま宝石剣を振るい……だが、何も起こらない。
「……ちょっと?」
困惑したように宝石剣を見る凛。
「もしかして、うっか凛か?」
「うっか凛言うな! 違うわよ、別に手順にミスはないし。これで平行世界への移動が出来る筈なんだけど……え? あれ? この宝石剣、使い物にならなくなっている? え? ちょっと、待ってよ。これを作るのに、どれだけ苦労したと思ってるの!?」
言葉の途中で、慌てて宝石剣を調べ始める凛。
そんな俺の隣では、綾子があっちゃーとでも言いたげに顔に手を当てていた。
「どうなってるんだ?」
「いや、あの宝石剣は凛だけだと作れなかったんだよ。具体的には財力的に」
「……まぁ、そうだろうな」
さっきも思ったが、宝石剣というのはかなり巨大な宝石だ。
それを作るには、さぞ費用が必要になるだろうというのは容易に想像出来る。
「で、同じく宝石を使った魔術を得意としている、仲の悪い……いや、いいのか? とにかく、ロンドンで知り合った奴にかなり大きな借りを作ってまで金を借りて、あの宝石剣を作り上げたんだよ。だから、あの宝石剣が壊れたりしたら、膨大な借金だけが残る訳」
「……なるほど」
凛の家はかなり大きな洋館だったけど、別に特に金持ちって訳じゃなかったみたいだしな。いや、普通の家に比べれば金持ちなのは間違いないだろうけど。
……衛宮も10年以上冬木に住んでる家賃? 賃貸料? のようなものを支払ってなかったみたいだし。
一応魔術師なだけに、衛宮には遠坂家にその類の代金を支払う義務があったんだが。
間桐の家も桜が遠坂に戻った事により、自然消滅した形になってそちらからの収入も途絶えた筈だ。
代わりにって訳じゃないだろうが、間桐の家の魔術についての資料とかは普通に入手出来たのだから、凛にとっても悪い事だけって訳じゃないんだろうが。
もっとも、凛が間桐の家の魔術……虫についての情報を欲していたのかと言えば、首を傾げざるを得ないが。
ともあれ、そんな理由で収入が減り、更に凛が使うのは宝石魔術だ。
宝石を揃える為にも相応の資金が必要だと考えれば、凛に資金的な余裕がある筈もない。
そんな凛が宝石剣のような代物を作るのにどれ程苦労したのかを考えれば……こうして、宝石剣に対してああだこうだと言っても仕方がないのだろう。
だが、いつまでもこうしている訳にはいかない、か。
「凛、悪いけどその辺にしておいてくれ。宝石剣が使えなくなったのは痛いが、今はここを離れる方が先だ」
ここにいても連合軍やスペシャルズに見つかる可能性は低いが、それでも可能性があるのならわざわざここにいる必要はない。
ここで何かが起きるというのであれば話は別だが……マーカーとゲート、ついでに宝石剣も、全てが使用不可能になっているというのは、色々な意味で痛い。
というか、多分……本当に多分で、何の証拠もないけど、ホワイトスターと連絡を取る事が出来なくなってるってのは、凛達がW世界に転移してきた事と何か関係があるんだと思う。
実際、ホワイトスターからランダムに転移する際に、妙な衝撃というか、違和感のようなものがあったし。
だとすれば、宝石剣が使えなくなったのもそれが理由か?
もっとも、俺はこの件について凛と綾子を責めるつもりはない。
何故なら、こうして凛が宝石剣を使ったからこそ俺は凛と綾子の2人に再会出来たのだから。
この2人との再会は当然のように俺も考えていた。
だがFate世界の座標を特定するのは困難を極めており、とてもではないが一筋縄ではいかない。
他の世界とは比べものにならない程の頭脳が揃っているシャドウミラーの技術班でこれなのだから、普通に考えてFate世界の座標を特定するというのはほぼ不可能に近かったと言ってもいい。
そんな中で凛と綾子に再会出来た。……正直なところ、W世界の技術云々よりもこっちの方が大きな収穫と言えるだろう。
「……問題は、これからどうするか、だな」
「私や凛はアクセルに会えたんだし、この世界で一緒に暮らしてもいいんだけどね」
笑みを浮かべて告げてくる綾子。
その口調は決して本気で言っている訳ではないが、同時に冗談を言っているようでもなかった。
もし俺が本気でこの世界で暮らすと告げれば、綾子は喜んで俺と一緒にこの世界で暮らすだろう。
勿論、それは綾子だけではなく凛も同様にだ。
だが……それはあくまでも最後の手段に近い。
凛や綾子も愛してはいるが、同様にホワイトスターにいるレモン達も愛しているのは間違いないのだから。
「そう出来たら、それはそれで面白かったかもしれないけどな。残念ながら、今はそんな事は出来ないな」
「でしょうね。アクセルならそう言うと思ったわよ。……凛、そろそろ戻ってきなよ。これからの行動を決めるらしいから」
未だに宝石剣へと視線を向けている凛に、綾子がそう声を掛ける。
そう言えば、もしかしてあの宝石剣は一度きりの使い捨てだった……とか、そういうオチじゃないよな?
まぁ、俺がFate世界に行った時の事を考えると、Fate世界の意志……何だったか、アラヤ? とかそういうのが関わってきている可能性もあるが。
というか、そっちの可能性の方が高いだろう。
ともあれ、こうして俺達はW世界という……二足歩行の機動兵器がある世界に、何故か魔術師の凛、半サーヴァントの綾子、混沌精霊の俺という、全くジャンルが違うパーティで活動する事になるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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