エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第24話 キラ
Side アスラン・ザラ
イザーク
「こんな発表、素直に信じろって言うのか!」
ディアッカ
「足つきはオーブに入国していない。なんて本気で言ってんの?
それで済むって、俺達バカにされてんのかねぇ。やっぱ隊長が若いからかな。」
ニコル
「ディアッカ…」
アスラン
「そんなことはどうでもいい。
だが、これがオーブの正式回答だと言う以上、ここで俺達がいくら嘘だと騒いだところで、
どうにもならないと言うことは確かだろう。」
イザーク
「なにをぉ!」
アスラン
「押し切って通れば、本国も巻き込む外交問題だ。」
イザーク
「ふーん、流石に冷静な判断だな、アスラン。いや、ザラ隊長。」
ディアッカ
「だから?はいそうですかって帰るわけぇ。」
アスラン
「カーペンタリアから圧力を掛けてもらうが、すぐに解決しないようなら、潜入する。」
ディアッカ、ニコル
「うっ!」
アスラン
「それでいいか?」
イザーク
「ふん。」
ニコル
「足つきの動向を探るんですね?」
アスラン
「どうあれ、相手は仮にも一国家なんだ。確証もないまま、俺達の独断で不用意なことは出来ない。」
ディアッカ
「突破して行きゃ足つきが居るさ、それでいいじゃない!」
アスラン
「ヘリオポリスとは違うぞ!
軍の規模もな。オーブの軍事技術の高さは言うまでもないだろ。
表向きは中立だが、裏はどうなっているのか計り知れない、厄介な国なんだ。」
イザーク
「ふん!オーケー従おう。俺なら突っ込んでますけどねぇ。
流石、ザラ委員長閣下の御子息だ。
ま、潜入ってのも面白そうだし、案外奴の、あのストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないぜ?」
アスラン
「あっ!」
ニコル
「…」
Sideout
アスラン達は潜入する事にした。
Side アスラン・ザラ
アスラン
「ぁ!」
アスラン
「クルーゼ隊、アスラン・ザラだ。」
ザフト軍諜報員
「ようこそ、平和の国へ。
そのIDで工場の第一エリアまでは入れる。だがその先は完全な個人情報管理システムでね、急にはどうしようもない。
まあ、無茶はしてくれるなよ。騒ぎはごめんだ、獅子は眠らせておきたいってね。」
ニコル
「見事に平穏ですね。街中は…。
中立国だからですかねぇ?」
VRゲーム機に群がる子供達が騒いでいる。
ニコル
「プラントで来週発売されるVRゲーム機ですね。
オーブで先行販売ですかね。」
ディアッカ
「俺、買おうと思っていたんだ。」
ニコル
「わあ、これ凄いですよ。試してください。」
ディアッカ
「本当だ。特別特典に銀河の妖精シェリル・ノームと希望の歌姫ランカ・リーのライブ映像が入っている。」
イザーク
「まあ、潜入工作費で落ちるから、買っておこう。」
アスラン
「いいだろう。手ぶらよりはいい。」
ディアッカ
「やったぜ。」
アスラン達は、VR機を4台とゲームを4種類購入した。
Sideout
Side キラ・ヤマト
カガリ
「うわー、早いなお前、キーボード。」
キラ
「あっ!」
カガリ
「あ、なんだキラか。誰がアストレイに乗ってるかと思った。」
キラ
「ああ。工場の中、軍服でチョロチョロしちゃぁまずいってさ。
でも…、君も変なお姫様だね。こんなとこにばっか居て。」
カガリ
「悪かったなぁ。姫とか言うなよ全然そう思ってないくせに、そう言われるのほんと嫌いなんだ。」
キラ
「けど、やっと分かったよ。あの時カガリが、モルゲンレーテに居た訳。」
カガリ
「まぁな。モルゲンレーテがヘリオポリスで地球軍のモビルスーツ製造に手を貸してるって噂聞いて、
父に言ってもまるで相手してくれないから、自分で確かめに行ったんだ。」
キラ
「それであれか…。」
~~回想~~
カガリ
「やっぱり…。」
キラ
「ぁぁ?」
カガリ
「地球軍の新型機動兵器、…うっ、お父様の裏切り者ー!」
~~回想終了~~
カガリ
「…」
キラ
「でも、知らなかったことなんだろ?お父さん…てか、アスハ代表は。」
カガリ
「内部ではそういう者も居るってだけだ。父自身はそうは言ってない。」
キラ
「え?」
カガリ
「そんなことはどうでもいいと。ただ全ての責任は自分にある。それだけだと。父を信じていたのに…。」
キラ
「カガリ…」
技師達はアフリカでの戦闘後のストライクのデータを見ていた。
技師A
「電磁流体ソケット摩耗が酷いな。」
技師B
「駆動系はどこもかしこもですよ。」
技師A
「限界ギリギリで、機体が悲鳴上げてるようだぜ。」
カガリ
「だってさ。」
キラ
「それで、レジスタンスに入っちゃたの?
頭来て、飛び出して。」
カガリ
「父に、お前は世界を知らないと言われた。だから見に行ったのさ。」
キラ
「だからって…。」
カガリ
「砂漠ではみんな、必死に戦っていた。
あんな砂ばかりの土地なのに…、それでも守るために必死にな。
なのにオーブは…、これだけの力を持ち、あんなこともしたくせに。
未だにプラントにも地球軍にも、どっちにもいい顔をしようとする。
ずるくないか?いいのかそれで!」
キラ
「カガリは戦いたいの?」
カガリ
「え?戦争を終わらせたいだけさ!」
キラ
「そうだね。…でも。戦っても終わらないよ。…戦争は、きっと…。」
カガリ
「く…」
Sideout
Side アスラン・ザラ
アスラン
「平和の国か。」
ディアッカ
「そりゃ軍港に堂々とあるとは思っちゃいないけどさぁ。」
イザーク
「あのクラスの艦だ。そう易々と隠せるとは…」
ディアッカ
「まさかぁ、ほんとに居ないなんてことはないよなぁ。どうする?」
アスラン
「欲しいのは確証だ。ここに居るなら居る。居ないなら居ない。
軍港にモルゲンレーテ、海側の警戒は、驚くほど厳しいんだ。
なんとか、中から探るしかないだろ。」
イザーク
「確かに厄介な国の様だ。ここは!」
アスラン
「ハァ…。」
Sideout
Side ミリアリア・ハウ
カズイ、サイ、トール、ミリアリア
「あぁー!」
両親達
「あぁ!」
カズイ父
「カズイ!」
トール母
「トール!」
カズイ、サイ、トール、ミリアリア
「母さん!父さん!」
カズイ
「母さん!」
カズイ母
「カズイ!」
トール母
「トール!トォルゥーうぅ…」
トール
「父さん!」
ミリアリア母
「ミリィ!」
ミリアリア父
「よく無事で…」
ミリアリア
「うん…」
サイ母
「サイ!」
サイ父
「よく頑張ったな。」
サイ
「父さん、母さん!」
親子達は各々話し合っていた。
Sideout
Side ウズミ・ナラ・アスハ
ウズミ
「キラ・ヤマト…。名を聞いてもしやと思ったが…。まさか、この子が…。」
光輝
「やはり、ご存知でしたか?
メンデルの調査報告にありました。」
ウズミ
「…」
ウズミ
「ヤマトご夫妻、ですな?」
光輝
「初めましてコウキ・イチジョウです。
事情は知っています。」
キラ母
「ウズミ様…、二度とお目に掛からないという約束でしたのに…。」
ウズミ
「運命の悪戯か、子供等が出会ってしまったのです。致し方ありますまい。」
キラ母
「ぅ…ぅ…」
ウズミ
「…」
キラ夫妻
「…」
キラ母
「どんな事態になろうと、絶対に私達があの子に真実を話すことはありません。」
ウズミ
「兄弟のことも、ですな?」
キラ父
「可哀相な気もしますが、その方がキラの為です。」
キラ母
「全ては最初のお約束通りに…、ウズミ様にこうしてお目に掛かるのも、これが本当に最後でしょう。」
ウズミ
「分かりました。しかし、知らぬというのも怖ろしい気がします。現に、子供達は知らぬまま、出会ってしまった。」
キラ父
「因縁めいて考えるのは止めましょう。私達が動揺すれば、子供達にも伝わります。」
ウズミ
「ですかな。しかし、どうして彼は今日?」
キラ母
「今は…、会いたくないとしか…。」
光輝
「今は心の整理に時間が掛かっていますが、自分で答えを見つけるでしょう。
それまでは温かく見守って欲しいと思います。何しろ彼は私の一番弟子です。
私が必ずいい方向へ導きます。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
アサギ
『わぁ…、凄い!』
キラ
「新しい量子サブルーチンを構築して、シナプス融合の代謝速度を40%向上させ、
一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました。」
シモンズ
「よくそんなこと、こんな短時間で。すごいわね、ほんと。」
フラガ
「俺が乗っても、あれくらい動くってこと?」
シモンズ
「えー、そうですわ少佐。お試しになります?」
キラ
「ハァ…」
フラガ
「ん?…」
シモンズ
「アサギ、上がっていいわよ!」
アサギ
『はーい!』
キラ
「じゃぁ僕、ストライクの方へ行きますから。」
シモンズ
「はい、ではまた後ほど。」
フラガ
「なぁ、キラ!」
キラ
「なんですか?」
フラガ
「君こそ、その不機嫌面はなんですか?」
キラ
「…そんな顔してません。」
フラガ
「してますって。
家族との面会も、断ったっていうじゃないか。どうして…。…キラぁ?」
キラ
「今会ったって…。」
フラガ
「…」
マードック
「おーボウズ。スラスターの推力を18%上げたんで、モーメント制御のパラメーター見といてくれ!」
キラ
「はい。」
フラガ
「お前はお前だろうが。御両親…、会いたがってるぞ。…きっと。」
キラ
「こんなことばっかりやってます。…僕。モビルスーツで戦って、その開発やメンテナンス手伝って、出来るから。」
フラガ
「キラ…?」
マードック
「おーっと、アグニの遮蔽の方も、非物質バレルの量子スキャッタリング待ちで30分ってとこだ。
後でシェイクダウンするから、用意しとけよ。」
キラ
「はい。」
フラガ
「ハァ…。」
キラ
「今会うと、言っちゃいそうで嫌なんですよ。」
フラガ
「何を?」
キラ
「なんで僕を…、コーディネイターにしたのって…。」
フラガ
「ぁぁ…」
トリィ
「トリィ!」
キラ
「こら、トリィ!
トリィ!」
Sideout
Side アスラン・ザラ
イザーク
「軍港より警戒が厳しいな。チェックシステムの攪乱は?」
アスラン
「何重にもなっていて、けっこう時間が掛かりそうだ。通れる人間を捕まえた方が早いかも知れない。」
ニコル
「まさに、羊の皮を被った狼ですね。」
トリィ
「トリィ!」
アスラン
「ん?あぁ!」
ニコル
「ん、アスラン?」
アスラン
「ぁ…」
トリィ
「トリィ!」
イザーク
「ん、なんだそりゃ?」
ニコル
「へぇ、ロボット鳥だ。」
キラ
「トリィー!」
アスラン
「あぁっ!?」
ニコル
「あー、あの人のかな?」
キラ
「あぁもうどこ行ちゃったー…ん?
あぁ…(アス…ラン?)」
カガリ
「ああ、止めて!」
アスラン
「…」
キラ
「…」
ニコル、ディアッカ、イザーク
「…」
キラ
「ぅ…」
アスラン
「君…の?」
キラ
「うん…。ありが…とう…。」
アスラン
「…」
イザーク
「おーい、行くぞ!」
キラ
「ぁ、昔…、友達に!」
アスラン
「…」
キラ
「大事な友達に貰った、大事な物なんだ…。」
アスラン
「…ぅぅ…」
キラ
「…ぁぁ…」
アスラン
「…そう。」
カガリ
「ハァハァ…キラー!…ハァハァ…」
アスラン
「…」
キラ
「あ?」
カガリ
「ぅ…ハァハァ…」
Sideout
Side キラ・ヤマト
「コウキさん、僕をミスリルに入れて下さい。」
光輝
「うーん、君の葛藤は分かる。
ここに残ってL.A.I社やエクリプス社で働いてもいいんだ。
君には確かに力がある。何も力がなければ、悩む事はなかっただろう。
君には本当に守りたいものがあるかな。ミスリルに入る事は戦う事だ。
条件をだそう、ご両親と話して決めなさい。私も同伴する。
それで両親に君の気持ちを伝えるんだ。
ミスリルに入るのは、それからでも遅くない。」
Sideout
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