ドリトル先生の名監督
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第十二幕その十
「それでビタミンも摂取しているんだ」
「ああ、お茶もなんだ」
「お茶も飲んでなんだ」
「そちらでも栄養摂って」
「健康なんだね」
「そうだよ、そのモンゴル料理もね」
羊肉や乳製品、お茶がメインのこのお料理もというのです。
「ちゃんこ鍋になるかもね」
「今後は」
「そうなるかもなんだね」
「そうも思ったよ」
こうしたこともお話した先生でした、そして。
お家にいる時にお相撲の試合の実況を観ていました、そこには動物の皆とトミー、それに王子も一緒でした。皆でテレビ観戦を楽しんでいます。
その時にです、王子はお相撲の試合を観ながら先生に言いました。
「そうそう、この場所でなんだ」
「王子は観戦していたんだね」
「内親王殿下と一緒にね」
「そうなんだね」
「うん、凄くいい試合だったけれど」
それでもというのです。
「緊張したよ」
「どうしてもだね」
「だって横に日本の皇室の方がおられたから」
「そうだとね」
「イギリス王家の方も他の王家の方も緊張するけれど」
「日本の皇室の方とご一緒しても」
「本当に緊張するよ、特にね」
そうしたお仕事の中でもというのです。
「いや、リラックスはしにくいよ」
「けれど王子慣れてるとも」
「慣れていても緊張するよ」
トミーにもこう答えます。
「どうしてもね」
「そうなんだね」
「うん、凄く気品のある方だから」
「目の前で失礼も出来なくて」
「マナーもね」
そちらもというのです。
「気をつけていたし」
「何から何までが」
「緊張したよ、けれど今はね」
先生達と一緒の観戦はというのです。
「こうしてリラックスしているよ」
「うん、じゃあ今はね」
先生も王子に笑顔で言います。
「リラックスしてね」
「そしてだね」
「観ようね」
こうしたことをお話してです、そしてです。
先生達はリラックスしながら観戦しました、ですが。
観戦中にお客さんが来ました、そのお客さんはといいますと。
サラでした、サラは先生の案内を受けてお茶の間に入ってです、お相撲の試合を観てこんなことを言いました。
「兄さん最近お相撲に凝ってるの?」
「この前まで監督をやってたんだ」
「お相撲のチームの」
「うちの大学の部活のね」
「兄さんがスポーツチームの監督ね」
そう聞いてです、サラは。
とても不思議だというお顔になってです、こう言いました。
「全く縁がなかったのに」
「それがっていうんだね」
「どうにもね」
首も傾げさせています。
「ぴんとこないわね」
「ははは、そう言うんだね」
「だって兄さんって」
それこそと返すサラでした。
「スポーツとはね」
「子供の頃からだね」
「ずっと縁がないから」
妹さんだけあってよく知っています。
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