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魔法戦記リリカルドライブSurprise

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事件の真実が分かるのか

機動六課隊舎の隊長室。
はやてとなのはとフェイトが仕事をしてると、ここにヴァイスとティアナがやって来た。

「あっ!2人共お帰り」
「随分遅かったね?」
「ええ、忙しかったので」

なのは達は帰って来た2人を出迎える。
それでなぜ彼らがここに戻って来たというと、ドライブピットには転送の術式が整っていたので、2人は無事に機動六課に転送された。

[それにしても、今日は驚かせたぜ…]
[本当ですね。ヴァイス陸曹がいきなり変身して、あの怪人と一緒に戦ってくれだなんて]

2人は今回の事はさすがに信じられずに念話で会話していた。それにはヴァイス本人も受け入れられずにいた。

「それで今回も被害者が出たみたいだけど…2人共、どうだったの?」

ここでなのはが本題の殺人未遂事件の事を2人に聞いてきた。

「はい、すでに知っていると思われますが…また犠牲者が」
「分かっとるで。ティアナが連絡してくれたからな」

当然だと思われるが、ヴァイスがドライブに変身してロイミュードと戦った事は話さなかった。きっと話しても信じて貰えないから。

「とにかく、これで犠牲者は4人になったね」
「全くや。レリック事件にも手一杯やのに…」

じつは六課が他にも追っている事件があった。それは魔力を無力化させるAMFを使う機械兵器、通称ガジェット・ドローンによる。ロストロギアのレリックの発掘及び盗難のレリック事件。これによって大きな大火災が起きたのだ。
これを解決するために、はやてが機動六課を設立したのだ。

「大丈夫ですよ。きっと他の部署でもやっているかもしれませんでしょ?」
「たしかにそうやけど…」
「では、引き続き私達でなんとか調査したいと思います!!」

ティアナはまたヴァイスと調査に行きたいとお願いした。

「ティアナ…さすがにそれは」
「いやでもなのはさん、ティアナはいち早く被害者を確保したんだし…大丈夫だと?」
「だけどね……まぁ、とりあえず2人共。ゆっくり休んでね」
「はい!」

ティアナが大きく返事して2人はそのまま隊長室を後にした。

「なんとか色々と誤魔化したな…」
「ええ、だけど…コアが無事ならいくらでも復活するって」
「たしかに…」

ヴァイスとティアナはあの時はっきりと見た。【045】と【088】は爆発したが【029】はどこかに逃げてしまった事に。

「そもそも、本当に殺人未遂事件だったのか気になるな?」

すると今回の事件について不信感を持ち始める。

「それって?」
「いや、だって…ただ人間を襲いたいだけなら、他にも無差別にやるもんだろ?資料を見れば最初と二番目の被害者の近くには、人がいたけど襲われていないぞ」
「たしかにそうですね?」

これにはティアナも疑問を持つ。もし人間を襲いたいならわざわざ仮死じゃなくても良いのだと思うほどに。

「まぁ、とりあえず今日は休んで明日からやり直すか」
「ちょっと?!」

こうしてドライブに変身したヴァイスの一日は終了した。









次の日。
ティアナは今スバル達とトレーニングをしているので、ヘリポートにヴァイスが1人でやってくる。するとヴァイスの足元から魔法陣が展開してそのまま転送された。
こうしてドライブピットに到着すると、シフトカー達がいっせいにヴァイスを出迎えた。

「なんだ、なんだ?」
『どうやらシフトカー達は君を気に入ったようだね』

移動用の機械に接続したベルトさんはこの様子を見て笑ったりする。

「てか、お前…もしかして俺をあの姿にさせる為にずっと待ってたのか?」
『当然だが?』
「なんで俺なんだよ!他にもなのはさんとかフェイトさんとか、さらにはシグナムの姐さんとか!!」
『いや、私は君にならきっとドライブの素質があると思ったからだ』
「ドライブの素質?」

その言葉に困惑するヴァイス。いつのまにか足元にパトカー型のシフトカーがいた。

「なんだこれは?」
「ジャスティスハンター。とても正義感が強くて真面目なシフトカーだ」
「ふ~~~ん、なんだかティアナと気が合いそうだな?」

するとそのティアナから念話で連絡が来た。

「ティアナ、どうした?」
《大変ですよ!また被害者が!!》
「なんだって!?」

ヴァイスは急いで魔法陣の上に乗って隊舎に戻ったが、こっそりとジャスティスハンターもついて行った。
到着して聞いた話では、本当に新しい被害者が出たみたいだ。今度のはモデルの女性でオウタ達陸士95部隊が、いち早く調査していた。なのは達も必死に調べていたが、ヴァイスはこっそりと1人外に出てモニターの資料を何度確認しても、被害者である5人の接点は全然ない。

「クソ、分かんねぇ!!」

苛立ちが目立つヴァイスに、ただ見守るジャスティスハンター。

「お兄ちゃん」
「え?」

いきなりそんな風に呼びかけられて振り向くと、左目に眼帯をした少女が立っていた。

「ラグナ…」

彼女こそヴァイスの妹のラグナ。かつて自分のミスでラグナの左目を撃ってしまった。その日以来、ヴァイスはあんまりラグナと会話する事がなくなった。

「お兄ちゃん、どうしてここにいるの?」
「……てか、お前こそ」
「散歩」

返事を返すラグナだったけど、それからまたヴァイスの周りから重い空気となった。

「ねぇ、お兄ちゃんは今機動六課でがんばっているんでしょ?」
「そうだけど…」
「お兄ちゃんは私の怪我のせいで、戦わなくなったよね…でも、私ちゃんと回復したし…悪いのはどんよりだから」
「言うな!!」

なんとか自分の怪我はヴァイスのせいじゃないとフォローするラグナであったが、それでも自分の責任だと感じ続けている。

「とりかく、もう俺は…」
「ちょっと待って、もうすぐお薬の時間だから」

そう言いながらバックから薬と水の入ったペットボトルを取り出すラグナ。

「薬?」

するとヴァイスは何かを思い出した。資料で見た3人目の被害者の足元近くに、薬のシートが落ちてた事を。そして4人目でヴァイスが発見した薬の包み紙を、それを考えてある結論に思いつた。

「ラグナ」
「ん?」
「ありがと」

お礼を言ってそのまま走り去っていった。

「お兄ちゃん…がんばってね」

ラグナは少し微笑みながら兄の背中を見つめて応援した。一方、ヴァイスもすぐオウタに連絡しながら急いで走った。

[俺の考えが正しかったら!!]

ヴァイスが走ってるとジャスティスハンターはどこかに向かって行った。
一方その頃、高級そうなオープンカーの周りで、見るからにガラの悪そうな若者達が集まっていた。すると昨日【029】にバイアルコアを与えたハートが近づいてくる。

「ああ?なんだテメェは?」

リーダーらしき男が違法改造したナイフ型デバイスを片手に、ハートに威嚇し始めた。

「随分と目立つ格好だな?この辺りは俺達の縄張りだと知ってるのか、あぁ~~~ん?」

デバイスを近づけてがハートはそんなもの見る気はなかった。

「良い車だな?」
「あぁ?」

するとハートの周りから重加速が起きた。不良達は驚いてしまったが、ハートはそんな彼らを軽く投げ飛ばし。

「じゃあ、この車はしばらく借りるぞ」

そのまま奪った車を走らせるハートは、一軒のカフェの前に停車して中に入る。そこにメガネをかけて緑のジャケットを着込んだ青年が座る席を見つけて座った。

「よう、ブレン」
「ハート」

メガネの青年はブレンと呼ばれハートの仲間らしい。

「全くハートは、本当に自由奔放で目立ちたがり屋で無計画な」
「良いじゃないか。ブレンもたまには笑顔で迎えろよな」
「んん…私にそんな」

ハートの言葉に少し困惑し始めるブレンだが、すぐに本題に入った。

「昨日、【029】に新しいボディを与えた」
「そうですか…私の勘だと、もうすぐ進化するかもしれませんね」

それを聞いたハートはとても面白いことが起きるかもという顔になる。









それから機動六課の会議室では、なのは達とヴォルケンリッターとロングアーチ達が事件についての会議をやっていた。

「ええっと…何度調べても被害者達の接点はゼロ」
「やっぱり無差別なのかな?」
「だけど、それでも不審な点が多すぎるって…」
「たしかに…でも被害者が出ているから」
「クソっ!分かんねぇ!」

会議がだんだんもつれてしまっている時に、丁度ヴァイスが会議室に入って来た。

「なのはさん、みんな!」
「ヴァイスくん!」
「お前、こんな時に!?」
「すみませんシグナム姐さん、でも今は俺にも喋らせてください」

汗をかきながらも全員の前に行き、そのままモニターを展開して報告した。

「いきなりだけど今回の事件は殺人未遂じゃなく、誘拐事件だったんだ!!」
「「「「「「え?」」」」」」

ヴァイスの宣言になのは達は戸惑いを見せる。今まで殺人未遂事件だと思われたのが、いきなり誘拐事件だと言い出したので当然の反応であった。

「誘拐事件って…どういうこと?」
「犯人の機械怪人が狙ってたのは、健康で優れた人間の肉体だ。赤くされたのは不合格という意味なんだ」
「不合格?」
「そうだ。1人目は肩こりで、2人目は虫歯で、3人目はアレルギーで、4人目は風邪で、そして5人目はニキビだった」

ヴァイスはこの間拾った風邪薬を全員に見せた。これにははやても納得する。

「なるほどな。つまり犯人はわざわざハズレの人間を、仮死にしてたのはカモフラージュで…本来は完璧な身体をした人間を見つけては誘拐していたという訳か…」
「ああ、んでオウタさんに協力した結果。どうやら既に6人の行方不明者が出たことも分かった」
「じゃあ、またほかにも人が?!」
「その可能性が高いですね」

これには全員も慌てだした。こうしている間にも、また誰かが誘拐されているかもしれないからだ。

「俺、もう一度調べに行ってきます!」
「待って私も!?」
「ティア?!」

スバルの言葉を無視してティアナは部屋を出たヴァイスの後をついて行く。誰も見てないことを確認すると、魔法陣でドライブピットに到着し、2人はトライドロンに乗ってベルトさんも接続する。そして目の前のゲートを開いてトライドロンを走らせた。

「それで、誘拐された人はどこに集められていますか?」
「知らね」
「えっ!知らないのに探すのですか!?」
「しょうがねぇだろ?」
『やれやれ…』

呆れるベルトさんとティアナだったが、いつのまにジャスティスハンターがヴァイスの肩に乗っていた。

「あれ?このシフトカーって」
「ああ、これはジャスティスハンターといって」
『ヴァイスが調べている間に、誘拐された人々の居場所を付き止めたみたいだな』
「そうなのか!?」
『そうだ。だから彼に案内を』
「じゃあ、頼む」

さっそくジャスティスハンターの案内でトライドロンを走らせた。 
 

 
後書き
ヴァイスに高い推理力を入れてみました。そして終盤登場のラグナを今登場させました。 
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