ウィッチ=クラッシュ!
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
37部分:第三十六話
第三十六話
第三十六話 戦い前
準備を整えるクラウン。それは雅美もまた同じであった。
「御主人様」
使い魔達が彼女に声をかける。
「クラウンももう」
「かなり準備を整えてきております」
「ええ」
雅美は自分の部屋の中でそれを聞いていた。その手にはギターがある。
「わかっているわ」
「左様ですか」
「だからね」
彼女は応えて言う。
「こっちも切り札は用意しておいたから」
「それがこの曲ですね」
「そうよ」
二匹に対して答える。下に楽譜があった。
「どうかしら、これで」
「そうですね」
「悪くはないかと」
二匹はそれを見て述べてきた。どうやら合格のようであった。
「待って」
だが雅美はピーコの悪くないという言葉に反応してきた。
「何か」
「完璧じゃないのね」
彼女はそうとらえたのである。
「このままじゃ」
「それではまだ」
「ええ」
ビーナの言葉に応える。強い顔と声になっていた。
「そうよ。いいかしら」
「ふむ」
「ここにきて」
「完璧じゃないと駄目なのよ」
雅美はその強い声で言うのであった。
「クラウンに勝つにはね。そうでしょ?」
「それでは御主人様」
「また作り直しですか」
「そうよ」
その言葉には何の迷いもなかった。既に決意した声であった。
「いいわね。じゃあ」
「わかりました」
「それではまた」
ビーナとピーコは主の決意を見て言う。
「さらなる御精進を」
「見守っておりますぞ」
「有り難う」
雅美はそれを受けてまた新しい楽譜を開く。そしてギターを手に取った。
「ここをこうして」
考えながら曲を奏でていく。
「それでこうやって」
また曲を作っていく。こうして彼女もまたクラウンとの戦いに備えるのであった。
第三十六話 完
2006・12・13
ページ上へ戻る