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34部分:第三十三話
第三十三話
第三十三話 楽器組
クラウンは言うまでもなく華奈子と美奈子だけではない。楽器組の四人もまた重要なメンバーだ。
今その四人が梨花の家に集まっている。そして色々と話をしていた。
「それでここはこうよね」
「そうね」
梨花と赤音、春奈と美樹に別れてそれぞれ話をしている。見ればそれぞれ作詞と作曲をしていた。
「どうかな、これで」
赤音が作詞を梨花に見せる。
「そうねえ」
梨花は口に手を当ててそれを見る。それから少しして述べた。
「ここをこうすればいいんじゃない?」
そう言って訂正してきた。
「で、こうして」
「ああ、そっちの方がいいわね」
「そうでしょ。だからね」
「ええ」
「それでね」
今度は梨花が楽譜を赤音に見せる。
「バラードはこんなので」
「それだと全体として早いわね」
「そう?じゃあもっとスローね」
「うん、それがいいわ」
二人はバラードに関して話を続ける。その隣では美樹と春奈も話をしている。
「作詞はこれでいいわよね」
「ええ、いいわ」
春奈の作詞に美樹が満足気に頷いている。
「それにしても」
「何?」
「春奈ちゃんの曲って激しいね」
「そうかしら」
どうやら自分では実感がないようである。首を傾げている。
「うん、何かね」
「自分ではそうは思わないけれど」
「実際に演奏してみるね」
春奈の曲を側にある自分のベースで演奏してみる。するとそれはかなり速いリズムであった。
「速いよね。激しくて」
「ううん」
「まあこれはこれでいいと思うわ」
だが美樹はこの曲にオッケーを出した。
「この詞とも合ってるしね」
「そう、よかった」
「そっちは上手くいってるみたいね」
そこに梨花が声をかけてきた。
「そっちは?」
「うん、今終わったわよ」
梨花は美樹ににこりと笑ってそう応えた。
「そう。じゃあ」
「ええ、次はね」
「用意はいい?」
梨花は他の三人に声をかけた。
「ええ」
三人はそれに応えてきた。そして何かをはじめる為に庭に出るのであった。
第三十三話 完
2006・11・29
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