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25部分:第二十四話


第二十四話

                 第二十四話  先生の歌
 六人は色々とアイディアを出しながらバンドをやっていく。そこに魔法もミックスさせて研究にさらに余念がない。どちらも両立させようと必死である。
「あらあら皆さん」
 そんな六人を見て先生は目を細めている。
「凄いですね、最近」
「はい、どっちも気合が入って」
「頑張ってるつもりです」
「ええ。凄く頑張っていますね」
 それは先生から見てもわかることであった。授業の後で教室で打ち合わせを話している六人を見てそう優しい声をかけたのである。
「何か先生も昔を思い出しました」
「昔って?」
「じゃあ先生もまさか」
「はい」
 生徒達の質問に答える。
「歌と魔法の両方をやっていたんですよ」
「そうなんですか」
「歌の先生もやれるんですけれど今は魔法の先生だけやってます」
「えっ」
 これは六人にとって初耳であった。それを聞いて目を点にさせる。
「あの、歌の先生もやれるんですか!?」
「そうですよ。クラシックですけれどね」
「何と」
「それはまた」
「ソプラノですね」
 だが美奈子だけは冷静なままであった。落ち着いて先生にそう尋ねる。
「その声の高さだと」
「よくわかりましたね」
 美奈子の言葉ににこりと笑って応える。
「これでも音楽学校で声の勉強をしていたんですよ」
「へえ」
「そうだったんですか」
 幾ら聞いても何か実感が沸かないのが他の五人の本音であった。
「もう昔ですけれどね」 
 先生はそこまで言ってにこりと笑った。
「それじゃあ先生」
 美菜子が先生に問う。
「まさか先生も歌と魔法を一緒に」
「一応はできますよ」
「私達と同じね」
「そうね」
 六人はそれを聞いてあらためて先生を尊敬の目で見る。そして。
「それじゃあ」
 今度は華奈子が言った。
「よかったらそれ、見せてくれます?」
「いいですか?歌って」
「勿論ですよ」
「是非、歌って下さい」
「わかりました。それでは」
 先生はそれを受けてゆっくりと歌いはじめた。そして今先生の歌と魔法が六人を包み込むのであった。


第二十四話   完


                   2006・10・31

 
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