獅子舞と鎧
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第六章
「確かに強いけど獅子舞よりましやろ」
「剣出してき速いけれどな」
その剣のスピードがだ。
「火の玉残らんからいけるわ」
「そやな」
「ああ、うちやったらかわせる」
亜里沙はにやりと笑って言った。
「あれ位やったらな」
「見事や、そやけどな」
「その最後の敵かいな」
「注意しいや」
「獅子舞以上にえぐいんか」
「わしが知ってるゲームのキャラで指折りのえぐさや」
そこまでの相手だというのだ。
「ネオ=グランゾンやカイザーナックル、アルカナハートのラスボス並にえぐいかもな」
「どれも鬼やろが」
亜里沙までもがだ、彼等についてはこう言った。
「その三つの敵は」
「そうやろ、しかしな」
「その最後の敵はないか」
「その連中に匹敵する」
まさにというのだ。
「あんたがこれまで相手にしてきた連中の中でもや」
「さっきの獅子舞よりえぐくてかいな」
「さっきの三つの敵並にえぐい」
ネオ=グランゾンやジェネラルよりもというのだ。
「そやから暴れたらあかんで」
「そうなんやな」
「ああ、行けばわかる」
「ほな行ったるわ」
亜里沙は骸骨が雑魚で出て来るステージは獅子舞のステージよりも遥かにすいすい進んだ、ボスもだった。
「こいつは」
「トカゲや」
おっちゃんはその敵についても答えた。
「そいつの火にも注意しいや」
「こっちおっかけてくるな」
「そやからな」
「これはもう一発必中狙いにくいな」
亜里沙は冷静に言った。
「それでいこか」
「冷静やな」
「まずはクリアーや」
亜里沙はクールに言った。
「ゲームはな」
「それが第一やな」
「高得点も大事やけど」
「それよりもやな」
「得点は後でついてくるわ」
ゲームをプレイしていればというのだ。
「それにこだわって失敗したら本末転倒や」
「流石嬢ちゃんやな」
「おかんに言われてるんや、変にこだわって大きいもの見失うなってや」
実際にだ、亜里沙は母にこう言われている、だからゲームでも大局を見失うことなくクリアーを至上としているのだ。
「そかやらな」
「それでやな」
「まずはクリアーや」
忍者くんは敵の数、即ち八発でステージをクリアーするとボーナスが入る、亜里沙は今回のプレーでそれを知ったが。
トカゲ相手にはそれよりもクリアーを優先してだ、そのボーナスを捨てることを決意した。そのうえでさらにプレイしていった。
そしてだ、トカゲ達が雑魚のステージもだ。
まずは敵を倒すことに専念した、そうしていき。
ボスまで辿り着いたが。
鎧の武者を観てだ、友人達は言った。
「侍やな」
「ああ、武士やん」
「鎧兜来た」
「それやん」
「こいつがかいな」
「そのとんでもない敵かいな」
「一つ言うとくで」
ここでおっちゃんは亜里沙に話した。
「そいつは気絶させな倒されへんで」
「えっ!?」
その言葉にだ、亜里沙は思わず問い返した。とはいっても目は画面から離れてはいない。そこは確かだった。
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