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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1499話

 アルゴス小隊がインフィニティーズに勝利を収めた翌日……今日はこのブルーフラッグの中でも大一番の勝負が始まろうとしていた。
 勿論まだ全ての戦いが終わったわけではないのだが、それでも今回のブルーフラッグに参加している中で全勝のアルゴス小隊と、1敗のイーダル小隊の戦いだ。
 それも、イーダル小隊の1敗というのは、あくまでも不戦敗によるもの。
 戦った相手には全て勝っているのだ。
 ……まぁ、インフィニティーズを相手にしての戦いは半ば相打ちに近い形だったが。
 ともあれ、そんな訳で実質的には全勝同士の戦いだ。
 更に、タリサはクリスカと過去に因縁があった事もあり、やる気に満ちあふれていた。
 戦意旺盛と言えばいいように聞こえるんだが……正直なところ、のめり込み過ぎなようにも思えるんだよな。

「いよいよだな」

 俺の隣に座って映像モニタに視線を向けているスレイが呟く。
 その表情に浮かんでいるのは、好戦的な笑みだ。
 まぁ、俺とスレイがこのカリンダ基地にやって来てからやった事と言えば、簡単なアドバイスくらいでしかない。
 それこそ、何の為に俺達がここに来たのか。そう思ってしまっても仕方がないだろう。
 ……まぁ、俺はスレイと一緒に甘く熱い夜を毎晩のように過ごす事が出来ているので、特に不満はないのだが。
 ただ、スレイは毎朝のようにホワイトスターに戻って、魔法球で体力を回復させてからまたカリンダ基地に戻ってくるという生活をしているのは……うん、まぁ。
 正直なところ、毎晩俺と一緒に寝ているので、スレイの為に用意された部屋は荷物置き場に等しい。
 いっそ、俺とスレイの2人部屋にしてくれれば良かったと思うんだが……いや、軍の規律を考えれば、建前上だけでも別の部屋にしなければならないのか。
 VG辺りは結構他国の女の部屋に泊まりがけで遊びに行ったりしているみたいだが。

「始まりました!」

 オペレーターが叫ぶと同時に、その場にいたアルゴス小隊の関係者全員が映像モニタに視線を向ける。
 今回は本当にこのブルーフラッグの正念場だという事で、整備員達も集まってきて、それぞれ自分の担当している機体を応援している。
 そんな視線が向けられる映像モニタの中では、当然のようにイーダル小隊の中の1機……クリスカとイーニァの乗っている複座機が真っ先にアルゴス小隊の方へと突っ込んで来る。
 今回の模擬戦の現場は、幸いと言うべきか昨日のインフィニティーズと同じ、街中。
 ビルの隙間を縫うように進んでくるクリスカの機体は、確かに他の機体とは一線を画していると言ってもいい。
 すかさずVGとステラが牽制の射撃をし、そこにブリッジスとタリサが突っ込む。
 それぞれの特徴を上手く出した戦術だったが、クリスカの機体はあっさりと牽制の射撃を回避する。
 ちなみに、当然ながらイーダル小隊の他3機の戦術機は、一切動く様子を見せない。 本当に数合わせだけで参加しているような感じだな。
 接近した3機の戦術機は、目まぐるしく動き回りながら射撃を行い、ナイフを使い、長刀を使う。
 だが、そのどれもがどの機体にも当たることがないまま、あらぬ方へと逸れていく。
 こうして見る限りだと、やっぱりクリスカの技量は抜きんでている。
 いや、ESP能力者のイーニァがいるんだから、恐らくそっちも何らかの理由で関係しているんだろうが。
 ともあれ、そんなクリスカに続いてブリッジスが……そしてタリサと操縦技術ではそんな具合に並ぶ。
 当初は日本製戦術機の挙動に思い切り振り回されていたブリッジスだったが、今となってはそんなのはどこへやらといった感じだ。
 それこそ、昔から日本製戦術機を乗りこなしていたと言われても納得出来るだけの技術を持っている。
 この辺、やっぱりブリッジスには戦術機のパイロットとして才能があるんだろうな。
 また、昨日のインフィニティーズの……いや、レオンとの戦いもブリッジスを大きく成長させたのだろう。
 ライバルとの戦いでより高みへと上がる。
 そう考えると、もしかしてこの世界の原作の主人公はブリッジスだったのかもしれないな。
 いや、でも明らかに夕呼とか霞とか、キャラが濃い面子は主要キャラっぽい感じがある。
 夕呼や霞、神宮司といった面子がどうやってブリッジスに絡むのか。
 そう考えている間にも、映像モニタでは1対4の目まぐるしい戦いが続いているのだが、俺は自分の考えに集中する。
 ああ、もしかして原作ではプロミネンス計画ってのは日本で行われたのか?
 まぁ、日本は独力で第3世代戦術機の吹雪、不知火、武御雷といった機体を作り上げている。
 そう考えれば、可能性としては十分にある……のか?
 ただ、それはそれで少し疑問が残る。

「あ!」

 篁の上げた声と、続いて整備員達から上がる無念の声。
 その声に視線を映像モニタへと移すと、そこではタリサのアクティヴ・イーグルがコックピットにペイントを撒き散らかし、撃墜扱いになっているところだった。

「タリサが最初に落ちたか」
「そうだな。だが、向こうも無傷という訳ではない」

 スレイの言う通り、クリスカの機体は左手の先端……丁度手の甲の辺りに、ペイントがベットリとついていた。
 こうなれば、クリスカの機体も戦力がダウンしたのは間違いない。
 それでも、腕……ではなく、手を1つとタリサ1機と考えれば、その被害度合いは大きい。
 ともあれ、クリスカが不利な状況から一歩覆したのは事実。
 クリスカの機体から放たれる突撃砲の攻撃を回避したブリッジスは、反撃とばかりに突撃砲を放つ。
 次々にビルの壁にペイントの花が咲く。
 だが、それは逆に言えばクリスカに攻撃が命中していない事を意味している。
 ビルの隙間を縫うように移動する速度は、かなりの素早さを持つ。
 自分に向かって攻撃してくるブリッジスとの距離を詰め、また詰めたかと思えば距離を取る。
 ブリッジスもその動きに対応しようとしてはいるのだが、それでもクリスカの動きに完全についていくという事は出来ていない。
 そして……一瞬の隙を突くかのようにして、クリスカはブリッジスを撒く。
 その動きを見逃したブリッジスだったが、それでもすぐに追撃の動きに移ったのは流石だろう。
 ブリッジスを撒いたクリスカが向かったのはVG。
 近づけまいとして必死に銃撃を加えるVGだったが、それは次々に回避される。
 機体を俊敏に動かして接近するクリスカ機は、そのまま突撃砲を手に持ち……すれ違いざまにVGの機体へと弾丸を放つ。
 その一撃はVGの機体のコックピットへと命中し、撃墜判定になる。

「上手いな」

 スレイの呟きが聞こえてくる。
 まぁ、かつてカリオンに乗っていたスレイにとっては、すり抜け様に敵を攻撃するという同じような攻撃方法を得意としていたからな。
 その分だけ、クリスカの攻撃方法に思うところがあるのだろう。

「ええ、操縦技術は非常に高いですね」

 篁もスレイの呟きに同意する。
 だが、その目の中にあるのは、決して感嘆の色だけではない。
 ……まぁ、多分ブリッジスを巡ってクリスカと色々あるんだろうな。
 ブリッジス……あいつ実は天然の女誑しじゃないか?
 いや、俺が言うのも何だが、何となくそんな気がする。
 タリサもブリッジスに対して恋心……とまでいくのかどうかは分からないが、それでも好意を持っているのは間違いないし。

「あ」

 その呟きを漏らしたのは、オペレーターの誰か。
 当然だろう。VGが撃破されたのを見た瞬間、ステラが行動に移ったのだから。
 ただし、その行動はクリスカに向かう……のではなく、後方に位置するイーダル小隊の残り3機の方へだ。
 その選択は決して悪いものではない。
 そもそも、インフィニティーズとの戦いでイーダル小隊が勝利を得たのも、最終的にただいるだけの3機がそこに存在していたからこそだ。
 勿論実際に戦ったわけではないのだから、その3機が本当に弱いのかどうかは分からない。
 もしかしたら、万が一の可能性であっても、実はクリスカと同様と考える事は……

「イーダル小隊の後方の3機、撃破」

 なかったらしい。
 オペレーターの声、一瞬呆気にとられるがそれは他の皆も同じだった。
 まぁ、実際問題まさか本当にこんな様子で倒せるとは思っていなかったのだろう。
 ソ連軍も、何を考えてクリスカ達以外の小隊員を選んだのやら。
 クリスカの技量にはついていけなくても、ある程度の技量の持ち主を入れておくというのは決して間違ってはいないと思うんだが。
 ともあれ、これで戦場に残っているのはブリッジス、ステラ、クリスカ&イーニァの3機のみ。
 まさにブルーフラッグの中で一番燃える展開となった訳だ。

「ブリッジス少尉、頑張れ」

 そう呟いたのは、篁。
 当初の諍いはどこへやら。もう完全に恋する乙女と化している。
 そんな恋する乙女の声援が届いた訳ではないのだろうが、映像モニタではブリッジスとクリスカの機体が街を舞台に激しくやり合っているところだった。
 次々に突撃砲を撃ち、建物を盾代わりにしながらお互いに素早く距離を詰めていく。
 そうして距離が縮まれば、次には近接戦闘へと移り……そこにステラが牽制の射撃を放ち、ブリッジスが有利になるように戦いの流れを変える。
 そんな風に2対1の戦いが繰り広げられていくのだが、当然数の差で不利になっているクリスカが押され気味。
 クリスカとすれば、離れた場所からブリッジスの援護をしているステラが非常に邪魔なのだろうが、それをどうにかするにはブリッジスに対処する必要があった。
 だが、今日のブリッジスはいつもより数段上の操縦技術を見せている。
 この辺、クリスカとの対戦で燃えているのか、それとも昨日のインフィニティーズとの戦いで一皮剥けたのか。
 そのどちらなのかは分からないが、それでもブリッジスを放ってステラに攻撃するという選択肢はクリスカには存在しなかった。
 そうしてステラの援護に苛々しながらブリッジスとの戦いを繰り広げていく。
 ……いや、ブリッジスとステラの2人を相手にしてこれだけ戦えている時点で色々と予想外な話ではあるんだが。
 ともあれ、そんな戦いはしているがお互いに一気に仕留めるまでにはいたらず、一種の膠着状態に近くなる。
 その膠着状態を打破すべく、クリスカが動いたのは当然と言うべきだろう。
 元々頭数で負けている以上、ブリッジスとの戦いでいずれ戦術機に限界が来るのは明白。
 そうなれば、当然ステラがここぞとばかりに攻撃を仕掛けてくるのだろうから。
 だからこそ、まだ余裕のある内に攻撃をしようと判断したのだろうが……今日のブリッジスは、当然ながらそんなクリスカの動きを見透かすかのような行動に出る。
 クリスカが動こうとした瞬間を狙って、ブリッジスが先手を打つかのように動いたのだ。
 当然お互いに通信で示し合わせていたのだろう。ステラから放たれる援護射撃も一段と強烈なものになる。
 いや、驚くべきは、この状況でも決して被弾をしていないクリスカの技量か。
 イーニァの能力で補佐が入ってはいるのだろうが、それでも実際に機体を動かしているのはクリスカだ。……実はイーニァが操縦をしているとかないよな?
 ともあれ、そんな動きを見せたクリスカだったが……それでも、今日のブリッジスはそれをも上回る。
 自分の方に向けて突っ込んできたクリスカの機体を、不知火弐型に付いているスラスターを使ってその場で機体を半回転させた。
 俺のように対G? 何それ? って奴なら問題はないかもしれないが、ブリッジスのような普通の人間にとってはかなり厳しい動きだったのは間違いない。
 だが、その動きをとったからこそクリスカ機の背後をとった訳で……長刀が振り落とされ、クリスカの機体の背中が斜めに斬り裂かれるのだった。……いや、正確には長刀のペイントがついただけで、機体に損傷はないのだが。

『わああああああああああああああああああああああっ!』

 周囲に巻き起こる歓声。
 当然だろう。今日の模擬戦でアルゴス小隊が勝利した事により、ブルーフラッグでアルゴス小隊の優勝が決まったのだから。
 勿論この後の戦いでアルゴス小隊がボロボロに負けるような事にでもなれば、他の小隊が優勝となる可能性は十分にある。
 だが、それが実現するかどうかと言われれば……はっきり言って難しいだろう。
 それだけ今日のアルゴス小隊の強さは凄まじく、まさにカリンダ基地最強の小隊と表現すべき小隊だ。
 ただ、ブルーフラッグで優勝したという事は、ミネルバ隊との戦いにアルゴス小隊が参加するという事であり……同時にそれは、いよいよ俺とスレイという隠しボスの出番が近づいてきているという事でもある。
 今はただ喜んでいるアルゴス小隊を見ながら、この後に起こる戦いを待つのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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