転生とらぶる
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マブラヴ
1496話
「ふーん。少し面白そうね。機体の性能を高めるというのは今まで何度もやって来たけど、武器の威力を落とすというのは殆どやったことがないし」
ニーズヘッグ隠しボス化計画を考えた日の夜、ホワイトスターに戻ってきた俺は、自分の家で恋人達と夕食を食べながら考えを話していた。
いや、そう言えばもう恋人達だけじゃなくったんだったな。
ラピスの世話を焼いているルリを見ながら、ふとそう思う。
「で、調整にどのくらいの時間が掛かる?」
ラピスの口元を拭いているルリから視線を逸らし、レモンとマリューへと尋ねる。
「そう、ね。今は特にこれと言って急を要する研究の類はしていないから、その調整だけならそんなに時間が掛からないと思うわ。けど、折角なんだから一度ニーズヘッグを全面的にオーバーホールしておいた方がいいでしょう?」
「まぁ、そうしてくれれば助かるけどな」
俺の分身と言ってもいいニーズヘッグだけに、その機能が万全であるのに越した事はない。
……でも、今までの経験上から考えるとニーズヘッグが俺の手元にない状態の時って、何だかんだと揉め事に巻き込まれたりする事が多いんだよな。
それこそ、他の世界に転移させられるとか。
さ、さすがにそんなのはないよな?
そう思いつつも、取りあえず俺はゲートとマーカーを複数空間倉庫の中に入れておく事を決意する。
この2つさえあれば、もし何かあったとしてもすぐにホワイトスターと連絡を取る事が可能なのだから、当然だろう。
まぁ、ゲートを設置出来たり、マーカーを置いても効果のあるような場所が必須となるが。
例えばマクロス世界に転移した時にフロンティア船団に姿を現したように、動いている場所に転移したりしたら、その場合はどうしようもない。
そう考えると、ゲートの方も何とかした方がいいような気がするんだけどな。
「あら? 急を要する研究って、チューリップクリスタルを使った新素材の件とかはどうなってるの?」
俺とレモン、マリューの会話に、エリナが食事の手を止めて尋ねる。
混浴したりしてお互いの距離は縮まってきているのだが、未だにエリナは別の部屋で寝泊まりをしている。
いや、勿論無理に寝室に引きずり込む気はないんだけど。
「そっちは元々時間が掛かる研究だもの。エリナもネルガルで働いていたんだから、新素材を生み出す研究で時間が掛かるのは……それこそ2年、3年と掛かるのは分かるんじゃない?」
「それは分かるけど……それでも、レモン達技術班ならその常識を破壊してくれるんじゃないかしら?」
「実際、時の指輪の効果をゲートが設置されている世界にも届けるという新素材を開発したしね。おかげで、私も年齢を気にせず他の世界に遊びにいけるわ。ねぇ、ルリルリ?」
「……私、少女ですから、年齢がどうとか分かりません」
「ふふっ、そのうちその辺も気になるようになるわよ。それこそ、少女から女に変われば。……そうでしょう? あやか」
ミナトの視線があやかに向かう。
その視線を向けられたあやかが、少し驚きの表情を浮かべていたのは、ここで自分に話が振られるとは思っていなかったからだろう。
まぁ、この手の話題が向けられるのは、俺の恋人の中でも年下の方に入るあやか達が自然な訳で、だからといって年齢の話を千鶴には出来る筈もない。
円と美砂でも良かったと思うが、ここはやはり四人の中でもリーダー的な存在であるあやかにといったところか。
まぁ、年齢という意味では、実はあやか達従者組よりもシェリルの方が年下なのだが。
とは言っても、全員が時の指輪を付けて生活している以上、年齢がこれ以上加算することはない。
そして俺がシェリルを恋人にしてから、既に数年は経っている。
そういう意味では、この辺の話はどこをどう話しても相応しくないのだろう。
「まぁ、そうですわね。少女から女に変わるということは、良い事も沢山ありますが、悪い……不都合な事も当然ありますわ」
何となくといった感じで話は纏まり……それからは普通の話をしながら、食事を進めていくのだった。
翌日の昼過ぎ、例によって例の如く熱い夜を過ごした俺は、魔法球を使って体力を回復させたスレイとマブラヴ世界に戻ってきていた。
今回は風呂場でエリナと遭遇する事もなく……ラピスもあまり駄々をこねずにすんだのは、良かったというべきかもしれない。
ともあれ、俺とスレイはそのままプロミネンス計画の総責任者にして、カリンダ基地の司令官でもあるクラウスの部屋へと向かった。
当然そんな重要な役職の2つを歴任しているクラウスは、会いたいと言ってすぐに会える訳ではない。
だが……幸いと言うべきか、俺とスレイはシャドウミラーの人間であり、この基地の建設にも大きな役割を果たしている。
その上で、プロミネンス計画にも大きく協力している以上、クラウスに会いたいと言えばすぐにでも会える立場だった。
秘書のレベッカとかいう女が、若干不満そうな表情をしていたが、すぐにクラウスと会える手筈を整えてくれている。
その間に今日の午前中に行われたブルーフラッグの勝敗を見ると……
「お、アルゴス小隊が暴風小隊に勝ってるな」
崔の率いる台湾の暴風小隊を相手に、アルゴス小隊が見事に白星をもぎ取っていた。
まぁ、台湾一国だけだと考えれば、どうしても人材は足りないのかもしれない。
日本も島国だが、台湾は日本とは比べものにならない程に小さいし。
しかもアルゴス小隊の場合、VG、ステラ、タリサといったように他の国からも精鋭が揃っている。
ブリッジスも、今では十分に不知火弐型の力を引き出しているし。
その辺を考えれば、どうしても暴風小隊が不利になってしまっても仕方がないだろう。
……そう考えれば、結果としてこのアルゴス小隊の勝利というのは半ば決まっていた事かなのかもしれないな。
ソ連のイーダル小隊、アメリカのインフィニティーズもそれぞれ立派に勝ち星を挙げている。
「ほう、どうやらかなり頑張ったらしいな」
スレイも感心したように頷く。
スレイはステラと仲がいいから、アルゴス小隊が勝ったというのは嬉しいのだろう。
実際、それだけの力を持っているのは事実だ。
「お待たせしました。クラウス大佐がお会いになるそうです」
レベッカがそう言い、俺達を司令室へと案内する。
そうして司令室の中に入った俺達を、クラウスは満面の笑みで迎えた。
「ようこそ、アクセル代表。よく来て下さいました」
「突然悪いな」
「いえいえ、シャドウミラーには色々とお世話になっていますから。私が会う程度の事は何でもありませんよ」
結構ゴツい顔付きをしているクラウスだったが、パーティの時を考えても、それなりに丁寧な口調で話してくる。
「そうか。そう言って貰えるとこっちとしても助かる」
まぁ、内心ではあまり歓迎はしていないんだろうが、それでもお互いの立場をきちんと理解しているからこそ、こうして似合わない真似をしているのだろう。
こっちにとっては、出来ればその態度を続けて欲しいところだ。
「それで、アクセル代表、プレスティ大佐を連れて今日は一体何の用件ですか? 見たところ、何か重要な用件があると思いますが」
この発言の裏にあるのは、遊びに来ただけならとっとと帰ってくれとか、そういう事か?
まぁ、クラウスの立場と忙しさを考えれば、そう思ってしまうのは仕方がないだろうが。
「そうだな。前置きはなしにして、単刀直入に言わせて貰おう。現在行われているブルーフラッグの件だ」
「ブルーフラッグの?」
「ああ。現在行われているブルーフラッグ。それが終わったら、ブルーフラッグに参加していた全ての小隊と俺達が戦う……というのはどうかと思ってな。勿論戦術機と戦っても問題がないように、武器の威力を下げたものを使わせて貰う」
「それは……」
俺の口から出た言葉に、驚き……うん? 驚いてはいるけど、思ったよりは驚いていないな。何でだ?
「何か問題があるのか?」
プロミネンス計画に参加している以上、この提案は、実質的な命令に近い。
命令だと少し言葉が強いし、要求という風に言い換えてもいいかもしれないな。
ともあれ、クラウスがそれを断るとは思っていなかったので、今の様子を見ても特に何も心配はしていなかった。
だが、次の瞬間クラウスの口から出たのは、俺の予想外の言葉だった。
「実は、ミネルバ隊からも同じような提案がされていまして。もっとも、ミネルバ隊の場合はブルーフラッグの優勝チームと、ミネルバ隊から選出されたMSとの戦いという扱いになりそうですが」
「……へぇ」
どこも考えるのは一緒って事か。
まぁ、実際問題ミネルバ隊はブルーフラッグが行われている間は、やるべき事がないからな。
勿論他の小隊から模擬戦の要求があれば話は別だろうが、ブルーフラッグに全力を挙げている今の各国の小隊では、それは難しいだろう。
パイロットならシミュレータとか……いや、難しいか。
そもそも、MSのデータがカリンダ基地のシミュレータには入っていないだろうし、ミネルバにあるシミュレータとは規格の問題がある。
結果として、ミネルバ隊はこうしてマブラヴ世界にやってきたものの、暇な日々を送っている訳だ。
勿論本当に暇をしている訳ではないだろう。
このマブラヴ世界は技術的後進世界ではあっても、SEED世界とは大きく違う世界だ。
そうなれば、当然ながら色々と調べたりしたい事が出てくるのは当然だろう。
……そう考えれば、寧ろ暇な方がいいんじゃないか?
「どうします? ミネルバ隊の方に提案を取り消すように言いましょうか?」
「……いや。それはそれで面白い。なら、こうしよう。まずブルーフラッグで優勝した小隊がミネルバ隊との模擬戦を行う。その模擬戦が終わったら、俺とスレイがミネルバ隊を含めて全ての戦力を相手にして戦いをする。ああ、勿論バリアの類は使わないから、安心してくれ」
というか、バリアを展開してしまえば戦術機でシャドウミラーの機体をどうこうするのは不可能に近い。
インパルスやガナーザクウォーリアでも……厳しいだろう。
メギロートやバッタなら戦術機やMSでも勝てるかもしれないが、それがファブニールや……ましてニーズヘッグを相手にするのは難しい。
まぁ、今回は模擬戦だからどのみち攻撃はペイント弾で行われる訳で……そうなれば、バリアに当たった云々と問題になるよりはバリアを抜きでやった方がいい。
「ほう……なるほど」
俺の言葉に、クラウスの顔は興味深そうに笑みを浮かべる。
こちらに対してお世辞を言っている時とはまた違った表情。
見るからにやる気に溢れているその様子は、提案した俺としても好印象だ。
「その表情を見る限り、こっちの提案には乗り気と考えてもいいのか?」
「はい。最後にアクセル代表やプレスティ大佐と戦えるのであれば、全ての小隊がより励む事でしょう。アクセル代表の強さは、軍人であれば……いえ、この世界の住人であれば、全員が知っています」
そうか? クリスカやイーニァ達は俺の顔を知らなかったんだけどな。
まぁ、ソ連という事だし、情報規制とかは当たり前にあるんだろうが。
その辺を考えると、少し面白くない気はする。
だが、それだけこの世界のソ連が追い詰められていたというのも事実なんだよな。
……中国がポカをしたおかげで、BETAがユーラシア大陸中に広がったし。
中国が喀什に落下してきたハイヴの着陸ユニットを前に、妙な欲を抱かなければこの世界はここまで悲惨な事にはらなかったんだろうし。
本来ならその中国が各国から……それもBETAによって多くの被害を受けたヨーロッパからは強く批判されてもおかしくない。
もっとも、その中国は……正確には当時の事を決めた中国政府は既に存在しない。
「そう言ってくれるのなら、こっちとしても嬉しいな。分かった、ならそのつもりで準備を進めよう。そっちの方もそのつもりでいてくれ」
「はい、分かりました。アクセル代表には、最強の敵として皆の前に君臨して貰いましょう」
まさにラスボス……ネオ・グランゾン的な立ち位置だな。
いや、あそこまで絶望的って訳でもないか?
まぁ、今回の件は結局模擬戦なのは事実だ。
だとすれば、この世界の住人にとって俺達との戦いは死なない事が確定しているという面で、明らかに有利……というか、メリットと呼ぶべきか。
ともあれ、そんな風に死の危険なしで絶望的な戦いを体験出来るのだから、決して悪い事ではない筈だ。
少なくとも、実際に俺達と戦う面子はともかく、その小隊を指揮している者達にとっては強敵との戦いを死の危険なしで可能だというのは明らかなメリットだろう。
こうして、俺とスレイのラスボス……もしくは隠しボス的な扱いが決まったのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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