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ラブストーリーは突然に

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第二章

「そこは楽だけれどね」
「私も出来たらね」
「地元の大学行きたかったんだ」
「そうだったわ、けれど受かった中で一番レベル高かったし」
「この大学にしたんだ」
「そうなの、いや福井と色々違って」
 それでとも言うのだった。
「ここは面白い場所ね」
「まあ面白いというかね」
「遊ぶ場所多いし」
「アルバイト出来る場所も多いよ」
「早速探して採用されたわ」
「あっ、もうなんだ」
「そう、明日からアルバイト開始よ」
 僕ににこにことして話してくれた、この時僕は何かがあるとは全く思っていなかった。ただ同じ歳の娘が入ったと思っただけだった。けれど。
 次の日アルバイトに出るとだ、そこでだった。
 また瑠璃子さんに会った、しかもお店のエプロンを付けている。それを見れば彼女が言ったアルバイトが何処か一目瞭然だった。
 それでだ、僕もこう彼女に言った。
「まさかね」
「そうよね」
「ここでアルバイトなんて」
「貴方がいるなんて」
「思わなかったよ」
「こっちもよ」
 二人で言い合った。
「本当にね」
「そうだね、けれどね」
「ええ、アルバイトでもね」
「宜しくね」
「こちらこそね」
「ああ、君達知り合い同士なんだ」
 店長さんは僕達のやり取りを聞いて笑顔で言って来た。
「これから紹介するつもりだったけれど」
「実は同じ大学で同じサークルなんです」
 僕はこう店長さんに説明した。
「昨日知り合ったんですが」
「それでバイト先でもなんだ」
「一緒になるなんて」
「ははは、縁だね」
 僕の話を聞いてだ、店長さんは笑って言った。
「これも」
「本当にそうですね」
「じゃあその縁を大切にするんだ」
「人と人の縁はですね」
「人じゃわからないものだからね」
 その人にはだ、つまり本人には。
「だからね」
「大切にして、ですね」
「やっていくんだ、いいね」
「わかりました」
「そういうことで、三上さんもね」
 店長さんは彼女にも声をかけた。
「これから仲良くね」
「はい、そうしていきます」
「この仕事もチームワークだから」
 カラオケボックスの仕事もというのだ。
「仲良くね」
「そうなんですか」
「やっていればわかるよ」
 実際にというのだ。
「そうしたことも」
「そうですか、それじゃあ」
「楽しんで頑張ってね」
「わかりました」
 明るくていい返事だった、こうして僕は瑠璃子さんとアルバイト先でも一緒になった。瑠璃子さんはバスケはかなり出来ていてだった。 
 アルバイトでもだ、はきはきと手際よく動いていて指導役になっていた僕も言った。
「何かああするこうするだけ言ったら」
「それだけで?」
「ちゃんと出来てるからね」
 だからだった。
「何か僕はね」
「何もっていうの」
「言うことないよ」
 それこそ最初にどうするか言うだけだった。 
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