とある科学の裏側世界(リバースワールド)
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second contact
ep.020 動き出す歯車
ここは学園都市のとある学区にあるバーだ。
しかし第0学区との繋がりもかなり深いので、たまに見た目から分かるくらいヤバい奴が来たりする。
1人の青年がバーのカウンター席でマスターにコーヒーを注文していた。
「お客様、ここはお酒を飲む場所です、未成年の方の来場はあまりおすすめ致しませんよ?」
「なんだよ。 そんなこと言っときながらいつもコーヒー出してくれるだろマスターは。」
「ハハッ.....かしこまりました。」
コーヒーを待つ青年の元へ1人の男がやって来た。
男はアタッシュケースをカウンターに置くと、開けて中にある大量の札束を見せた。
青年はその中の1つを手に取ると、手慣れたようにペラペラと枚数を確認する。
「確かにきっちり100万円だ。 合計で1000万。」
青年はアタッシュケースと1つのファイルを交換した。
ファイルの中には束になった資料がまとめられている。
そう、彼は"情報屋"なのだ。
ファイルを持った男が帰ると、バーに居た1人の小太りで巨体の男が声を掛けてきた。
「オイオイ、ガキがこんなとこでバレバレの取り引きしてんじゃねぇーよ。 今なら全治1週間で済ませてやる。 そのアタッシュケースの中身を全部よこせ。」
青年は渡されたコーヒーを貰うと1口飲む。
男はそれが頭に来たのか青年の肩に手を置き、握り潰すように強く握る。
「分かってねぇな...俺は第0学区のモンだぜ。 お前みたいなガキひとり簡単に殺っちまえんだよ!!」
「はぁ........。」
青年は大きなため息をつくと、静かに男に警告する。
「今やめれば許してやるが、これ以上続けるならどうなっても知らないぞ。」
「あぁ?」
男は拳を構え、後頭部を殴ろうと拳を振るったが、次の瞬間には男の腕がなかった。
気付くと青年は火で作られた剣を持っていた。
「いでっ!!」
「どうだ....酔いは冷めたか?」
青年は両断された腕を押え激痛に苦しむ男に対して札束の1つを放り投げた。
「お前の腕のおかえしだ。 病院なりなんなりで治してもらうんだな、可能ならの話だが。」
男は、完全にビビってしまって慌てて立ち去った。
それと入れ違いになるタイミングで1人の青年が来た。
青年は隣の席に座るとコーヒーを注文した。
そして話し掛けてくる。
「少し気性が荒くなったかい、桐崎くん?」
「お前か野口。 お前は相変わらずだな。」
「そりゃどーも。」
マスターがコーヒーを出した。
野口はコーヒーを一口飲むと話を変える。
「君に会いに来たのは他でもないstudentをまた集める事態が発生してね。」
「多少の情報ならこっちにも流れて来てる。 objectの件だろ?」
「彼らがどうやら最近動き出したようなんだ。」
「分かった。 明日には戻る。」
野口は桐崎の返事を聞くと、コーヒーを飲み干し、代金を払って店を出た。
『にしても野口のやつ、どうやってここを割り出し...。』
「あっ.....向子さんか。」
『さてと、あとは神薙くん、影縫くん、池野くんだけなんだが、池野くんは箱部さんと一緒にいるだろーし、箱部さんとは連絡が取れたから、あとは神薙くん、影縫くんか。』
すると、帰り道に不意に通り掛かったゲームセンターで1人の青年がハイスコアを叩き出して歓声を浴びていた。
もしかしてと思い、野口は近付いた。
「やっぱり影縫くんだね。」
「野口ッチじゃんお久ーん。」
「一応、情報や資金を集めるのが目的で一旦studentを解体したんだけど....どうなってるのかな?」
野口は微笑む。
その笑顔は多分、本心からは笑っていない。
「分かってるよ、俺ッチの仕事は資金集めだからな。」
影縫は野口にアタッシュケースを3つ渡した。
中にはびっしりと札束が入っている。
「いやーギャンブルみたいなのにハマっちまってさ、あまりにも勝ちまくっちまったから出入り禁止になっちまったもんでよ。」
影縫いわく、このアタッシュケースが数日後、本部に少なくとも100は来るらしい。
「そうかい、なら結構。 じゃあ.......。」
「objectだろ? ちゃんと本部に戻るから安心しなよ。」
野口は影縫の返事を聞いてアタッシュケースを3つとも回収して戻って行った。
『さぁ、これであとは神薙くんのみだね。』
後書き
どうも偏食者Xです。
最近、@観測者さんとのコラボエピソードを
企画しています。
ぜひ楽しみにしていて下さい。
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