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Blue Rose

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第二十八話 長崎での生活その七

「それがかえって押せないな」
「何か小鳥って感じでな」
「近そうで取れない?」
「そんな娘だよな」
「高嶺の花じゃないにしても」
 そうした雰囲気はなかった、優花には。
「普通に傍にいてな」
「けれど何か妙に遠いな」
「そんな感じするな」
「どうもな」
「軽く話せるけれど」
「コクるとかない感じだな」
「何か無意識のうちにな」
 彼等も気付かないうちにというのだ。
「近付けないっていうかな」
「そんな風の娘だな」
「何でだろうな」
「見ていて話せたらそれで充分」
「もう彼氏いますってオーラが出てるみたいな」
「自然とそんな気がするな」
「神戸に幼馴染みがいるっていからな」
 女子から聞いたことを話題に出す生徒もいた。
「そのせいか?」
「その幼馴染みが元カレか?」
「ずっと一緒にいたっていうからな」
「それでか」
「実は今も付き合ってます的な」
「遠距離恋愛で」
「そのせいでか?」
 首を傾げさせつつ話す彼等だった。
「そのせいか」
「それでコクる気になれないのかもな」
「彼氏いるオーラ自然と出してるから」
「それでか?」
 彼等はこう考えた、そして女子達も龍馬の名前は聞いていないが優花が言うので彼とのことを聞いたのだった。
「その幼馴染みの人と付き合ってたの?」
「随分親しい感じだったみたいだけれど」
「お友達っていうけれど」
「そうした関係だったの?」
「あっ、違うわ」
 優花はそれは否定した、聞かれて心外のことでもあった。
「そうしたのじゃなくてね」
「普通の幼馴染み?」
「そうだったの?」
「何か男子の間で元カレって噂出てるみたいだけれど」
「違うの」
「違うわよ」
 少しムキになって否定した。
「龍馬はそうした人じゃないの」
「その人龍馬さんっていうのね」
「坂本龍馬と同じ名前じゃない」
「ひょっとして名前そこから?」
「坂本龍馬から取られたの?」
「そうみたい」
 実際にとだ、優花は答えた。
「お祖父さんにつけてもらったって言ってたわ」
「それでその人とはなのね」
「交際はしてないのね」
「元カレとか遠距離恋愛じゃなくて」
「そういう関係じゃないの」
「ええ、違うわ」
 また否定したのだった。
「そこは安心してね」
「そうなのね、けれどね」
 女子の一人、栗色の癖毛を首の先の高さで切り揃えた大きな目の娘が優花にこんなことを言った。ここで。 
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