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ドリトル先生の名監督

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第九幕その十一

「それはまた」
「関西ではないですよね」
「関西は白味噌ですからね」
「僕達も普段は基本お味噌はそっちです」
「白味噌です」
「じゃあ今日は趣向を変えてかな」
 先生は皆の考えを察して言いました。
「それで八丁味噌なのかな」
「はい、そうなんです」
「他にもだしを色々変えたりしてます」
「豆乳鍋の時もありますし」
「水炊きや豚骨もあります」
「そこは色々ですね」
「そうなんだね、お鍋といっても」
 先生もその辺りの事情は理解しました。
「食材もだしも変えてだね」
「色々な味にしてます」
「洋風の時もありますし」
「カレーもありますよ」
「そちらの味の時も」
「へえ、面白いね」
 先生もそのことは知らなかったので興味深く聞いています。
「ちゃんこは色々入れるとは聞いてたけれど」
「だしまではですか」
「ご存知なくて」
「それで、ですか」
「先生も驚かれてますか」
「うん、面白いって思ってね」
 それでというのです。
「驚いているかっていうとそうなるね」
「そうですか、じゃあ今度一緒にどうですか?」
「ちゃんこどうですか?」
「先生も」
「そうだね、じゃあ今度一緒に食べさせてね」
 先生も笑顔で応えます。
「楽しみにしてるよ」
「その時の食材でだしは変わりますけれど」
「食材とだしで合う合わないがありますから」
「そこは考えてます」
「ちゃんこって言っても色々で」
「だしも考えてるんです」
「その時の食材で」 
 先生に笑顔でお話します。
「そうしてます」
「豚骨も美味しいですよ」
「そっちのスープも」
「だから一度です」
「ちゃんこどうぞ」
「それじゃあね、今度ね」
 先生も笑顔で応えます。
「そうさせてもらうよ」
「先生には何かと教えてもらってますし」
「是非お願いします」
「監督ですからね」
「一緒に食べましょう」
「そうしようね、しかしちゃんこを食べるなんて」 
 先生はこのこと自体にも言及しました。
「イギリスにいた時は思いも寄らなかったよ」
「やっぱりそうですよね」
「イギリスにはこうしたものないですよね」
「ちゃんこなんて」
「そもそも力士さんもいないですね」
「レスラーはいても」
「レスリングはするけれど」
 それでもというのです。
「お相撲自体がないからね」
「だからですね」
「ちゃんこ鍋もない」
「当然として」
「うん、けれど日本に来て食べられる」 
 先生はにこりとして言いました。
「これも神様のお導きかな」
「嬉しいお導きですよね」
「美味しいものに巡り合わせてくれるから」
「だからですよね」
「うん、ただお相撲は神道だからね」 
 このことにも言及した先生でした。
「キリスト教とはそこが違うね」
「そこはあれですね」
「まあ深く考えないってことで」
「力士でもキリスト教徒いますから」
「最近あちこちの国から来てますからね」
「ははは、そうだね」
 その通りとです、先生も笑って応えます。 
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