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亜人學園

作者:ponde-ma-lion
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派遣

【マンション】

 男「…ここだ」

 男「これかな?」カチ

 男「…」

 男「…部屋間違って…ないか」

 男「扉開いてるのかな」カチャ

 男「開いてる…不用心だなぁ」

 男「ごめんくださ―――」ギィ


【室内】

 男「」

 男「なん…だと…!?」

 男「足の踏み場がない…?!汚すぎる…!」

 男「亀娘さん!?亀娘さんいますか!?」

 盛り上がった布団「」モゾ

 盛り上がった布団「…うるさい」

 男「…とりあえず掃除させてもらいますよ!良いですね!?」

 盛り上がった布団「勝手にやって…」


 〖掃除中〗

 男「カップ麺ばっかり…ろくに炊事してないな…」ガサ

 男「ああああ絶対虫湧いてるよこれぇ…」

 男「マスク買ってくればよかった…せめて窓開けよう…」ガラ

 男「掃除機掛けますから!どいてください!」ガーガー

 布団「……」モゾッモゾッ


 〖掃除終了〗

 男「終わった!すごい!僕すごい!」

 男「見てくださいよこれ!こんなに綺麗になりましたよ!」

 布団「zzz」

 男「気持ちよさそうに寝てやがるぜ…ぐっすり…」

 男「はぁ…ご飯作ろう」ガサ

 トントントントン

 布団「zzz…zz……?」

 布団「…?」クンクン

 布団「…味噌汁」モゾ

 男「あ、起きた?」クル

 男「お風呂湧いてるからご飯の前に入ってきたら?」コトコト

 亀娘「……誰だっけ?」

 男「クラスメイトの家政婦」ザッ

 亀娘「そういえば…」

 亀娘「…入ってくる」

 男「はいはい」ジャー



 〖しばらくの後〗

 亀娘「上がった」ホカホカ

 男「それじゃご飯出来たから帰るね」

 亀娘「…食べていかないの?」スト

 男「うん?お邪魔じゃない?」

 亀娘「別にいい」カチャ

 男「それじゃ、お言葉に甘えようかな」スト


「「頂きます」」


 亀娘「おいしい」モムモム

 男「それは良かった」ニコニコ

 亀娘「何にやけてるの」

 男「なんでだろうね」


「「ごちそうさま」」


 男「それじゃほんとうに帰るね」

 亀娘「なんで?」

 男「え?だってもう暗いし」

 亀娘「ハウスキーパーは普通住み込み」

 男「え゙!?」

 亀娘「契約書は?」

 男「け、契約書…」


 〖回想〗

 ハピ姉「前が見えねえ…」ボロ

 秘書「腕が痛くて動かないんだ…」ボロ

 狼姉「職員室で暴れんなアホ」

 目つきの鋭い灰髪の教師「馬鹿かテメェら?」

 灰髪教師「おい」クル

 灰髪教師「じゃれんのは構わねえが俺様の目に入らねえトコで…」

 男「す、すみませんでした…」チラ

 灰髪教師「…」ウズ

 灰髪教師「なぁお前ちょっと」


 狼姉「うちの弟になんか用かよ」

 灰髪教師「よりにもよってテメェかよ…」

 灰髪教師「はぁ…テンション下がったわ…飯行ってくる」

 狼姉「失礼な奴だな」

 狼姉「オレも行くけどお前らもう暴れんなよ」

 秘書・ハピ姉「ウス」

 秘書「ボクも書類片付けないと」

 ハピ姉「あんたが仕事残してるなんて珍しいわね」

 秘書「理事長が逃げたんでね」

 男「ほんとすいません!」

 ハピ姉「あんたも苦労してんのね…」

 秘書「じゃまたね弟君」

 男「お疲れ様です」

 ハピ姉「そんでこれ契約書ね」

 男「なんか本格的ですね」

 ハピ姉「まあ形ばっかりだけど一応ね」

 ハピ姉「名前書いて判子押してくれたら私が預かっとくから。あ、指でいいよ」

 男「えと…これでいいですか?」サラサラッポン

 ハピ姉「これが前金ね」

 男「え!貰っていいんですか?」

 ハピ姉「やり遂げてくれたらもう半分よ。契約期間はとりあえず半月」

 男「短いんですね、てっきり三ヶ月きっちりかと思ったんですけど」

 ハピ姉「そんなケチ臭いこと言わないわよ」

 ハピ姉「上手くいってるようなら向こうから正式に依頼来るかもね」

 男「正式にと言いますと…?」

 ハピ姉「ガチ給料発生します」

 男「!」

 ハピ姉「ちなみにうちの新任より恐らく多いです」

 男「!!」

 ハピ姉「じゃ今日からだから頑張ってね」

 男「ハイ!…って、え!?」


 〖回想終了〗

 男「読んでないです」

 亀娘「基本以前の問題」

 男「うぐ、ま、まあ今日はただ働きってことで…」

 亀娘「違反したときの罰則は確認した?」

 男「してないです…」

 亀娘「なら帰らないのが無難」

 男「ほ、ほら家族が心配するし!」

 亀娘「電話そこ」

 男「…」ppp

 男「…」prrr

『もしもし』pi

 男「あ、もしもし姉さん?」

『なんだ弟か、どこからかけてんだ?』

 男「えとバイト先」

『バイト?!どうした小遣いくらいやるぞ?』

 男「いやうん、ハピ姉に頼まれたんだよ」

『なんだ訳ありか?アイツがそんなことさせるとは思ってねえけど危ないことはすんなよ?』

 男「うん大丈夫」

『困ったことがあったらすぐ言うんだぞ。それから』

 男「わ、わかってるよ…ハピ姉居る?」

『…呼んでくる』

 男「うんお願い」

 ゴト『オイ!デンワ!トットトコイ!――ダダダ』

 ガチャ『はいはい私だけどなんかあった?』

 男「契約書のことなんだけど」

『うんあるよ?』

 男「契約条項なんて書いてある?」

『えっとー?期間は半月、ハウスキーパーの基本事項を遵守、ひいては雇い主に従うこと』

 男「違反したときの罰則ってなんて書いてあるかな?」

『う~んとね~』ペラッペラッ

『…契約不履行、また一方的な契約破棄の場合…裁判を行う』

 男「」

『いやぁまさかこんなガッチガチなの作ってるとは思わなかったわ』

『でもまぁ無茶は言わんでしょ?』

 男「半月お泊まりが確定しました」

『』

『…え?じゃあご飯誰が作るの?』

 男「…ご自分でどうぞ」

『まって、ちょっと、私が殺』pi

 男「はぁ…帰りにご飯だけ作りに行かなきゃ…」

 亀娘「終わった?」

 男「うん許可下りたよ」
 
 

 
後書き

「…………」コソコソ

秘書「…」カタッ

秘書「さてボクも汗を流そうかな」ガラッ


ミゼーア「………」


秘書「」


「ア゛ッーーーーーーーー」


男「……後でごちそう作ってあげなきゃ」

 
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