聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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381部分:第五十二話 地獄の猟犬その四
第五十二話 地獄の猟犬その四
「ではカミュ様」
「ここは我々が」
「止めてくれるのだな」
「はい、そうです」
「お任せ下さい」
彼等がインプの相手をするというのである。
「我等ですからカミュ様は狂闘士達の相手を」
「是非」
「そうか。わかった」
カミュは彼等の言葉を受けて静かに頷いてみせた。
「それでは。頼んだぞ」
「それに俺達もいますし」
「安心して下さい」
「そうそう」
「俺達もやらせてもらいますよ」
青銅の者達も名乗りをあげてきた。
「ですからカミュ様は気兼ねなく」
「向かって下さい」
「それでは私は御前達の相手をさせてもらう」
カミュは一歩前に出て狂闘士達に告げた。
「さあ、何処からでもかかって来るのだ」
「貴様一人で我等十人を相手にするというのか」
「魔神の力を持つ我等を」
「不服か?」
彼に問うてきた狂闘士達に対して言い返す。
「それでは」
「見事なものだな」
カミュのその言葉を聞いて声をあげたのはここでもレダであった。
「その心意気。そうでなければ黄金聖闘士にはなれないということか」
「それだけではない」
こうも返すカミュであった。
「私の力もまたそれに見合うものだ」
「ふん、貴様一人でレダ様の御力をお借りするまでもない」
「我等が相手をしてやる」
「それでいいか」
レダ以外の九人が前に出る。そのうえでカミュに対して告げたのであった。
「九人だ。だがアクエリアスよ」
「この九人の実力、甘く見るなよ」
「我等もそれぞれ魔神の力を宿している」
彼等はそれぞれ言うのであった。
「さて、このクレーベの手で倒れるか」
「それともこのカトリの技を受けるのか」
「好きな相手を選びなさい」
「苦しまずに死なせてやろう」
「いいだろう。では九人全員で来るのだ」
カミュはその九人が全員で来ても臆してはいなかった。
「このカミュの技、ここで見せてやろう」
「待つのだ、カミュよ」
しかしここで声がした。
「御前一人で戦っては私のやることがなくなってしまう」
「もう一人来たか」
九人の後ろにいるレダがその声を聞いて述べた。
「また一人。黄金聖闘士がか」
「黄金聖闘士がもう一人!?」
「まさかそれは」
「そうだ。あの男だ」
声をあげる四人に対して答えるレダだった。
「あの男が来たか」
「貴方か」
「遅れて申し訳ない」
声はカミュの後ろからだった。そこから彼に語り掛けていた。
「ようやく間に合った」
「ここは私一人でできるが」
「無理はしないことだ」
後ろにその男が姿を現わした。ゆっくりとカミュの方に歩いてくる。
「まだ戦いは長いのだからな」
「だからだというのか」
「そうだ。ここでも全力は出すべきだ」
男はこのことは問題ないと言う。
「しかし。死すべき時ではない」
「それで無理をするなというのだな」
「その通りだ。ではカミュよ」
男はここで遂に彼の横に来たのであった。
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