| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

亜人學園

作者:ponde-ma-lion
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

登校

【登校日】

 男「今日が初登校だ。わくわくするなぁ!」

 後輩「おはようッスアニキ。お迎えにあがったッス」

 男「おはよう後輩」

 後輩「実家が近くでよかったッス。これからは毎日来るッス!」

 男「まさか歩いて行ける距離だとは思わなかったよ」

 後輩「これはもう運命ッスね!」

 男「そんな大げさな…でも毎日退屈しなくてすむよ」

 後輩「そう言っていただけると嬉しいッス。んじゃ、行きましょう!」

 ガヤガヤ ガヤガヤ 

 男「うん、ほんとうに後輩が一緒で良かった」

 後輩「当たり前のことッスけど女子ばっかッスね」

 男「一人じゃ逃げ出してたかもしれないよ…」


 後輩「心なしか視線を感じ…ん?なんかもっと注目されてそうな人が?」

 男「?」クルッ





 ザザーーーーーーーー



 獅子娘「…」ザッザッザ…


 シーン…




 男「モーゼ!?」

 後輩「みんな自然に道をあけてるッス」


 獅子娘「…」ザッザッピタ…


【クラス分け掲示板】


 獅子娘「…」ジー…


 獅子娘「…」ザッザッザッ



 ………………ざわざわざわッ


 後輩「ライオンの獣人ッスかー立派なたてがみだったッスね」

 男「たてがみというかただの金色の長髪だとおもうけど…それにたてがみって雄だけなんじゃ…」

 後輩「獣人をそこらの動物扱いすると怒られるッスよ?」

 男「いやまあそうなんだけど、やっぱり関係ないんだね」

 後輩「自分だってワンちゃん扱いは嫌ッスよ」

 男「ここに三本のジャーキーがあるじゃろ」

 後輩「ころしてでも うばいとる」

 男「野犬並じゃないか!」



 男「教室は…と」

 後輩「あったッスよ!自分と同じッス!」

 男「あ、ほんとだ。偶然って重なるんだなぁ」

 後輩「んじゃ遅刻しないうちに行くッスよ」

 男「そうだね」



【教室】

 ガヤガヤガヤ

 男「ここが僕らの教室か」

 後輩「案外普通ッスね」

 男「うん、まあ奇抜なのよりはずっといいよね」

 後輩「座席表貼ってあるッスね…やったッス!また隣ッスよ!」

 男「ここまでくるともう当たり前に感じるね」

 後輩「あ、先生が来たみたいッス」

 烏の羽を持つ獣人「おはようございます。まずは、みなさん入学おめでとう!」

 ハピ先生「ワタシがあなたたちの担任になったハーピーです!これからよろしく~」


 吸血鬼姉「私が副担任の吸血鬼よ」


 理事長姉「お姉ちゃんが理事長で~す」


 秘書姉「ボクはその秘書だ」


 人狼姉「入学式そうそう何やっとんだ貴様ら」


 ハピ先生「いやアンタもね?何してくれてんのアンタら他人のクラスで」ビキビキッ



 理事姉「弟がクラスに馴染めてるか不安で…」オヨヨ

 ハピ姉「理事長のせいで信じられないくらい浮いてるわね」


 秘書「理事長が何かやらかさないか心配だったから付き添いをしている」

 ハピ姉「アンタまで一緒になってやらかしてんじゃないの」


 狼姉「こいつらが廊下歩いてるの見つけてな、嫌な予感がしたんでついてきた」

 ハピ姉「アンタら二人に事前に止めるって考えはないの?」


 ヴァ姉「副担任が教室に居て何かおかしい?」

 地味な三つ編み眼鏡の新人教師「あ、あのぉ…副担任私なんですがぁ…」

 ヴァ姉「そう、ならあなたは今日から副副担任ね」

 青い肌の地味な新人教師「そ、そんなぁ…」グズッ


 ハピ姉「新人イジメてんじゃないわよバカタレ!副副担任とか常識的に考えて要らないし!」

 ヴァ姉「概念は破ってこそ意味があるのよ」

 ハピ先生「仮にも教師なら規則ぐらい守りなさいよ」


 ハピ先生「理事長と秘書はともかく、いや十分ダメだけどね?とりあえず他二人は担任でしょ、クラスどうしたのよ?」

 ヴァ姉・狼姉「新人に押し付けてきた」

 ハピ先生「容赦ねーなアンタら」

 ハピ先生「たぶん今頃半泣きになってるから、とっとと自分のクラスに帰ってやんなさい」

 ヴァ姉「世間の荒波にもまれて人は成長するのよ」

 ハピ先生「もっともらしいこと言ってるけど一番にもまれるべきはアンタでしょうね」

 秘書「生徒の前でもまれるべきとかいやらしいな」

 狼姉「存在自体が恥部のお前が言うな」



 男「」

 後輩「悪目立ち確定ッスね」

 男「言っとる場合か!…ハッ!?」


 ざわざわざわッ


 男「すんごいみられてるぅーッ!」

 後輩「大丈夫ッスよ!何があっても自分がいるッスから!」

 男「嬉しいけど違う!このタイミングじゃ感動できない!誰かタスケテー!!」


 ハピ先生「ハイ静粛に~」


 ハピ先生「もういいからとっとと帰れ!みんなが困惑してるでしょうが!」

 秘書「上司に命令口調とは感心しないね」

 ハピ先生「上司らしい振る舞いをしてから言いなさいド変態野郎」

 秘書「新入生の前で誤解されるようなこと言わないでくれるか?」

 狼姉「いや事実だろ」

 秘書「ボクは野郎じゃないぞ」

 狼姉「そっちかよ」

 理事姉「おーい!お姉ちゃん来たよー!」フリフリ

 男「せっかく注意離れたのに戻すのはやめて!ボクのライフポイントはもう0よ!」

 ハピ先生「自己紹介の時点で学級崩壊とか初体験だわ…そもそもしたことなかったけど」

 新人教師「うぅ、何で私までこんな目にぃ…」


「これは何の騒ぎ?」


 ハピ先生「げっ」ギョッ

 新人教師「エヒィッ!」ビク


 眼鏡スーツの先生「廊下に響き渡っているわよ。他のクラスに迷惑だからやめなさい」

 ハピ先生「ごめんなさいちょっとイレギュラー共が「教師を」

 ハピ先生「そこまで言う!?」

 秘書「すまないね、理事長がどうしても行きたいと言って聴かないものだから」

 理事姉「あー!ずっこい!自分だってソワソワしてたくせに!」

 眼鏡スーツの先生「理事長、もう少し威厳を持ってもらわねば困ります」

 理事姉「う、ごめん…」シュン

 眼鏡スーツの先生「秘書、あなたはお目付け役も兼ねてるんだからもう少ししっかりしてちょうだい」

 秘書「返す言葉もないよ」

 眼鏡スーツの先生「吸血鬼と人狼は自分のクラスに戻りなさい。新人が涙目になってたわよ」

 狼姉「う、まじかぁ?悪いことしたかな…」

 ヴァ姉「情けないわね」

 眼鏡スーツの先生「あなたと違って責任感が強いのよ」

 眼鏡スーツの先生「…」チラ

 男「?」

 眼鏡スーツの先生「新人さん」

 新人教師「ハイッ!」ビクビク

 眼鏡スーツの先生「…怖がらせてごめんなさい、大丈夫…ではないでしょうけど」

 眼鏡スーツの先生「悪い人達ではないからそのうち慣れるわ、大変でしょうけど頑張りなさい」

 新人教師「あ、ありがとうございます」ビクビク

 眼鏡スーツの先生「…それじゃあ私も行くわ」スタスタ


 ハピ先生「お手数おかけしましたー」

 後輩「すごいッスね…あの曲者シスターズを黙らせるなんて、おまけに美人だし」

 男「只者じゃないのは確かなんだけど」

 後輩「どうかしたッスか?」

 男「…いや何でもない」

 ハピ先生「ハイハイ、お話やめ!もうだいぶ時間食っちゃったから自己紹介は各自お願いね!資料配るわよ~新人ちゃんお願い」

 新人教師「あ、は、はいっ!」

 男「自己紹介の省略なんて聞いたことないよ!?」

 後輩「たぶんさっきので結構コミュニケーション取れたからッスね。一部除き」

 男「一部って、僕と後輩くらいじゃ…」クルッ




 着崩した長い金髪の獅子娘「…」


 豪華な椅子で紅茶を飲むお嬢様「…」ズズ


 枕に突っ伏している猫耳「zzz」スヤー


 目隠しをした中性的な少女「…」


 布団をかぶりゲームする少女「…」カチャカチャッ


 壺の蜂蜜を食べているクマ娘「クマー」モチャモチャ




 男「僕の周りだけ面子濃過ぎィ…!」




 ハピ先生「あ、あと弟君はあとで職員室来てねー」

 男「え!なんで!?」

 ハピ先生「今わかってないからかな?まあよろしく」

 男「姉さん達のことは僕のせいじゃ…あ、まって!」

 後輩「行っちゃったッスね」

 男「どうしてこんなことに…」

 後輩「自分も行くッスよ」

 男「ありがとう。でも呼ばれたの僕だけだから、一人で行くよ」

 後輩「うーん、なら仕方ないッス、分かったッス」

 男「ごめんね。今日は先に帰ってて」

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧