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女僧侶マアムがドラクエ世界救ってみた

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第1章
  やっぱり平和的解決が一番!

「え?今、何て?」

「いえ、ですから私があなたより格下だ、と」

いや、意味はわかっている。只、理解が追い付かない。

「セレシア様が俺より?」

「はい。それに、私は今まであなたに敬語を使用していますし」

そういえばそんな気もする。多少の嵌め技や、失言もあったが敬語を使わなかった事はなかった。でも、それでも理解出来ない。本当───

ドウシテコウナッタ。

「理由、ご説明しましょうか?」

「───ハッ!あ、はい。お願いします」

くそ、こういう時、心読むやつほど鬱陶しい事はない。

「まず、この世界の人が最低ランクのゴミ共です」

何か今しれっと、セレシア様らしくない発言しなかった?あれ?原作とはいったい。
女神の慈愛なんてなかった。

「何か失礼なこと考えてません?後、様付けは要りません」

「続きを話しましょう。この世界を作ったのは、大創造神エニックスと言われています」

「──ん?」

おい、なんだ?会社名出てきたぞ。





話を要約すると、俺は勇者達を導き、世界を平和にするに当たって最も重要な神“プレイヤー(導きの神)”だそうだ。

そしてその下の地位に当たるのが女神セレシアの父、創造神グランゼニス、上はエニックスなんだとか。後、スクエアもいるらしい。

「わかった。言いたいことはよーく分かった!俺が、お前より、格上だと。だから、いいんだな?セレシアで」

「はい、勿論!」

満足そうだな。それでは、

「本題の方ですね?」

「ああ」

そう。俺が本当に聞きたいのは元の世界に戻れるか否か。

「簡潔に言います。あなたは元の世界に──」





「───戻ることはできません」

「そう………か………」

なんとなくわかってはいたけど戻れないか。

「あ…………ああ!ま、魔法の解説をしましょうか?その、魔法のパワーアップの段階なんかを!」

ふっ。何て話の逸らしかただよ。まあいいや、今回はそれで手を打ってやる。

「有り難う御座います!」

くっ。セレシアの笑顔もイイ、とか思った!


それから魔法の段階を詳しく教えてもらっていたが、少しずつ意識が遠のき、視界が黒に染まっていった。




…………。う、う~ん。

ハッ!朝か。ぐっすり寝たんだけどな、なんか全然寝た感じしねえわ。ま、とりあえずは起き──

ムニッ

──へ?なんだ?今の感しょ、く。

ふと、目線を下に落とすと片方の手で俺は自分の胸を触っていた。

「む、胸っ。俺、胸っ、触って、る」

このプニッとしていて、それでいてやわらかなこの、この感触!は、初めて触った!──

「って今はそれじゃねーよ!!」

そーだよ!今日、模擬試合当日なんだよぉ!

「うわっ、師匠!?何かあったんですか!?」

ラルス君が大声に飛び起きちったよ。ご、誤魔化さないと!

「あっ。い、いや何でもありませんよ?」

「何で最後疑問形なんですか?」

「は、はははは…は。ほ、本当に何もありません//」

横にラルス君いるのすっかり忘れてたわ。
あー、はっず。

てか、冷静に考えるとラルス君の横で寝た俺が一番危険な行動だよね。ふぅ、ラルス君が純粋でよかった。




そして、ラルス君の家で朝御飯をいただき、寝間着をセレシアに着替えさせて貰い(何か水の羽衣着てた)、弟子達から激励の言葉を貰って!



「これより、僧侶マアムと騎士ランドの模擬試合を始める!双方構え!」

俺はアリアハン城内にある、闘技場にてアリアハン1の騎士と模擬試合をしようとしている。そこ!アリアハン大人げないとか言わない!

手には今、剣を持っている。木剣だけどね。別に舐めプしてる訳じゃない、色んな武器を使ってみたいだけだ!……あれ?やっぱり舐めプ?大丈夫だよな?町の中じゃ槍は外してたから、舐めプとは思われてないよな?向こうの──ランドだっけ?も、同じ木剣を持っている。

闘技場は砂の地面だから、多少は本気出しても砂埃でなんとかなるよな。

「始め!」

グワァーーン!!

ドラの音が鳴ったな、闘いの始まりだ。

「どうした?来ないのか?」

分かりやすい挑発を仕掛けてくるなあ。良いだろう。その挑発、乗ってやる。

「では、御言葉に甘え──てっ!」

地を蹴り、加速を始め、相手の前で止まり、一撃を見舞う。とても単純な攻撃。でも、圧倒的な速度で繰り出せば避けるのは難しいだろう。

「ハアァッ!」

手応えがない?まさか──避けられた!?

俺は油断せずに相手の攻撃に備えて相手を見る。

「えっ、ちょ、まっ」

だが、そこには俺の理性がぶっ飛ぶレベルの出来事が起こっていた。

相手があ!相手が真っ二つにきれてるぅ!。

落ち着け、落ち着いて素数を数え──るひまはないっ!これはあくまで()()試合だ。相手をタヒったらアウトだろう。幸い、踏み込んだ時の砂埃で周りにはこれ見えてないはずだ。いまのうちにっ!

俺はサッと、真っ二つに切れた胴体をくっ付けて(上半身を下半身に置いただけだが)、回復呪文を唱える。

ベホイミ(実質ベホマ)っ!」

セ、セーフ!繋がった!良かったぁ!………あっ、こいつ殴り飛ばしとこう。今度は手加減しながら、剣の腹で殴ろう。

「えいっ」

よし、普通だ。普通に飛んでってくれた。さぁどうやって殺さずに勝とうかな?この体だったらできるかなあ。アレ。



何だったんだ今のは?まるで切られたかのような感覚だった。そのような幻覚を見るほどに俺とあいつに力量の差があると言うことなのか?

「ふふふ、魅せてあげましょう飛天御○流の技を」

○天御剣流?聞いたこともない流派だ。一体どんな技なんだ?

「いきますよっ!九○龍閃ッ!!」

次の瞬間。俺の体を九つの衝撃が()()に襲った。



半分くらい冗談でやったんだがホントに出来るとはなあ。九頭○閃。この体のスペックTakeeeee!!勿論、殺さないように手は抜いたけどねっ!

『凄いですね!さっきのは前の世界にあった技ですか?』

ご名答。

「……マアムといったか?」

おっと。いつの間にか相手が立ち上がってたよ。まだ続ける気なのかな?

「お前程に強いのならば勇者の師匠も勤まるだろう──俺の負けだ」

案外潔いんだな。これできっと師匠

「な、何を言っておる!ランド!そんな小娘簡単に倒せるだろう!」

おーおー。あのバカ王逆ギレか?

「王!御言葉ですが、この者は強い!十分勇者の師匠が勤まるでしょう!」

「む、むぅ」

「お願いします!王!」

「…………そこまで言うなら仕方無かろう。この勝負!僧侶マアムの勝利!」

いよっしゃ!これでやっとアリアハンから出ていける!

オメデトウゴザイマース!シショーウ!!

こんなに会場ざわついてんのに聞こえてくるって……ラルス君、声デカイな、オイ。

 
 

 
後書き
俺達の冒険は、ここからだ!(最終回ではない)

次回 「青い物体」

まあ、何かは当然わかるよね? 
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