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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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334部分:第四十五話 激突の果てにその六


第四十五話 激突の果てにその六

「あの者達ですか」
「彼等を送ると」
「左様、四騎士を送る」
 こう言うエリスだった。
「あの者達をだ。それでどうだ」
「はい、それで宜しいかと」
 最初に言葉で応えたのはサリアであった。
「あの者達ならば」
「そうか。それならばだ」
 エリスはそのサリアの言葉を受けて満足した顔になった。
「あの者達を送る」
「そうですね。あの者達なら」
「私も異存はありません」
「それで宜しいかと」
 他の八大公達もそれでいいとするのだった。これで話はおおよそ決まったのだった。だが話はそれでもまだ続くのであった。まだ話すべきことがあるからだ。
「次はだ」
「はい」
「次の戦いですね」
「その通りじゃ」
 そのことであった。エリスは八大公達の言葉に応えた。
「既に聖域は四人の黄金聖闘士を出してきた」
「まずはキャンサー」
 デスマスクである。
「そしてカプリコーン、ピスケス」
「タウラス。この四人です」
「ジェミニとサジタリアスも来てはいますが」
 この場合は将として出陣した黄金聖闘士という意味であった。そういった意味でサポート的役割であるサガとアイオロスは数に入れていないのであった。
「まずはこの四人ですね」
「あの者達が出て来ました」
「それに対して我等も八大公のうち四人を既に出した」
「カナン、ジーク、ミシェイル」
 その者達の名も他ならぬ彼等の中から挙げられる。
「最後にドーマ」
「この四人ですね」
「左様。その者達を出した」
 エリスはその四人の名を聞いたうえでまた彼等に述べてきた。
「残る四人からまた出すことになるが」
「その者は一体」
「誰なのでしょうか」
「次の封印の場所は北になる」
 北だというのである。北と聞いて八大公達は凍えるものをすぐに感じ取ったのだった。これは本能的に感じ取ったものである。北といえば寒さと連想したからだ。
「北となれば聖域が出してくる黄金聖闘士は」
「水と氷の魔術師」
「あの男ですか」
「間違いなくあの男を出してくるであろうな」
 エリスはここでまた彼等に対して告げた。
「だとするとこちらもじゃ」
「それに対抗できる者を出す
「となると」
「その者は」
「レダよ」
 エリスが呼んだのはこの名であった。すぐに退廃的な雰囲気を醸し出している黒い髪と目の男が顔をあげてきた。
「私ですか」
「そう、そなたにする」
 顔をあげたそのレダに対して告げるのだった。
「ベリアルの魔神を司るそなたに対してな」
「有り難き幸せ。それでは」
「すぐに北に向かう用意をすることじゃ」
 レダにこうも告げるのだった。
「すぐにな」
「はい、それでは」
「そなたの黒い力ならばあの男を退けることができるだろう」
 レダに対する絶対の信頼を思わせる言葉であった。
「少なくとも封印はのう」
「それはお任せ下さい」
 封印という言葉にはその退廃的な顔を笑わせて応えるレダだった。その笑みは何処か邪悪さを感じさせる、そうした笑みであった。
 
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