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Blue Rose

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第二十七話 新しい学校その九

「行きたいわね」
「ハウステンボスも、ですか」
「あそこはいい場所だし。あと佐世保の街もね」
「自衛隊の基地もある」
「あそこも二人で行きたいわ、長崎から離れてるけれど」
 同じ長崎市だが北と南で全く違う場所にある、それで行き来にも時間がかかるのだ。
「いい場所よ」
「佐世保もですね」
「落ち着いていてそれでいて賑やかな」
「そうした場所よ」
「それで佐世保にもですね」
「あの娘と行くつもりよ、それで佐世保にね」
 優子は佐世保の話をさらにした。
「ハウステンボスもあるのよ」
「あそこ佐世保市でしたね」
「そうよ、あそこにも行くわ」
「そうされますか」
「それで二人で楽しむわ、よかったらね」
「俺もですか」
「一緒に行く時か龍馬君だけで行く時にね」
 まさにそうした時にというのだ。
「あの娘と楽しんできてね」
「そうしてきます」
「そうしてね」
「はい、長崎ですか」
「今のあの娘のいる場所よ」
「そこに俺も優子さんも行って、ですね」
「あの娘と会うのよ」
 優花、彼女にというのだ。
「ずっと会えなかったけれどね」
「元気ですよね、あいつ」
「ええ、いつもメールでやり取りして連絡も受けてたけれど」
 優花がいた療養所からだ。
「元気よ」
「それは何よりです」
「無事に女の子になれて訓練もしていたわ」
「訓練ですか」
「女の子として生きる為のね」
「そんな訓練もあるんですね」
「生活は男の子と女の子でまた違うから」
 どう違うかもだ、優子は龍馬に話した。
「おトイレもそうでしょ」
「あっ、そういえば」
「更衣室も違うから」
「そうしたことをですか」
「訓練したのよ」
「そうだったんですね」
「無意識のうちに男の子の時の記憶でおトイレを間違えたら大変でしょ」
 優子は龍馬にこのケースから話した。
「だからね」
「普通に女の子のおトイレに入ったりする訓練をしていたんですか」
「他にも色々とね」
「女の子の生活の為に」
「そう、訓練をしていたのよ」
「そんなこともしないといけないんですね」
「性別が変わるってことはそれだけ大変なのよ」
 ただそうしたことが変わるだけではないというのだ。
「何もかもが変わるんのよ」
「そうしたものなんですね」
「あらためて認識したわね」
「はい」
 龍馬としてもとだ、彼は優子に頷いて答えた。
「そうしたものですね」
「そうよ」
「そうした訓練もしてですか」
「退所してね」
「新しい生活をはじめるのよ」
 女の子としてのそれをというのだ。
「今のあの娘は完全に女の子よ」
「生活も含めて」
「そう、何もかもがね」
「女の子になったんですね」
「そうなったのよ」
「そのあいつと会うんですね」
 龍馬は腕を組んで真剣に考える顔になった、そしてだった。
 その顔でだ、こう優子に言ったのだった。 
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