Blue Rose
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第二十七話 新しい学校その八
「いい友達を持ったわ」
「俺みたいな、ですか」
「神様が巡り会わせてくれたのね」
こうも言ったのだった。
「龍馬君をあの娘に」
「そう言いますと優子さんもですよ」
「私をあの娘の姉にしてくれたのね」
「そうなります」
「そうかもね、それで私達はあの娘の傍にいることを選んだ」
「裏切らずに」
「それは正しい選択だったわね」
ここでだ、優子は微笑んだ。
そしてそのうえでだ、こうも言ったのだった。
「誰にとっても」
「そうですよね」
「間違っている筈がないわ」
優子は確信を以て言った。
「裏切らなかったことがね」
「絶対にそうですよね」
「私はあの娘が戻ってきたら」
自分のところにだ、その時はというのだ。
「あの娘が巣立つまで離れないわ」
「いつも一緒にですね」
「いるわ」
そうするというのだ。
「何があってもね」
「そうされますか」
「そうするわ、絶対にね」
「戸籍上では従姉妹でもですね」
「これまで通り姉妹よ」
そうなるというのだ。
「本当にね」
「このことは変わらないですね」
「そうよ、じゃああの娘にももうすぐ会える様になるから」
「長崎に行きますか」
「そうするわ、時間が出来たら」
その時はというのだ。
「長崎に行くわ」
「じゃあ俺も」
「行きたいわよね」
「行ってきます」
その長崎にというのだ。
「そうしてきます」
「一緒に行く時もあるかも知れないわね」
「そうですよね」
「新幹線ですぐね」
神戸から長崎まではだ。
「そう考えていいわね」
「すぐ、ですか」
「これまでずっと会いたかったから」
だからというのだ。
「そう思うと長崎まで行くのもね」
「すぐなんですね」
「そうよ」
気分的にはというのだ。
「本当にね、ただこれまではね」
「待ち遠しかったんですね」
「そうだったわ」
ずっと、というのだ。
「そのことを思えばね」
「長崎まで行くことはですか」
「すぐよ、それで長崎に行ったら二人でね」
優花と共にということは言うまでもない。
「長崎の色々な場所に行ってね」
「色々なものを食べて」
「楽しみたいわ、ハウステンボスとかね」
この場所もというのだ。
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