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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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321部分:第四十三話 アイオロス見参その五


第四十三話 アイオロス見参その五

「タウラスよ。待っていたぞ」
「モロクか」
「貴様がここに来たということはだ」
 ドーマの声に鋭いものが宿った。
「あの五人は倒れたのだな」
「見事だった」
 これがアルデバランの返答だった。
「アーレスの戦士に相応しい戦いぶりだった」
「そうか。ならばよい」
 ドーマはアルデバランのその言葉を聞いてまずは安堵したような言葉を出した。
「狂闘士に相応しい戦いをしたのならばな」
「そしてモロクよ」
 アルデバランはこのことを伝え終えてからあらためてドーマに対して言ってきた。
「今度の俺の相手は貴様か」
「いや、残念だが違う」
 しかしドーマはそれはそうではないというのだった。
「貴様の相手は他にいる」
「残る狂闘士達か」
「そうだ、その通りだ」
「タウラスよ」
 その残る四人もまた空中庭園の緑と色とりどりの花の世界にその鮮血の鎧を見せてきたのだった。華やかな場所にあえて流す鮮血のようだった。
「貴様の次の相手は我々だ」
「マーテル達の仇、取らせてもらう」
 こう言ってアルデバランの前に姿を現わし。そのうえで名乗りをあげてきた。
「ナベリウスのヨーダ」
「オセのリベカ」
「ベリスのディーン」
「マスマテのデューテ」
 この四人だった。彼等は闘志と憎悪に燃える目でアルデバランを見据えてきていた。
「我等がマーテル達の仇を取る」
「それでいいな」
「いいだろう」
 アルデバランもまたその彼等の言葉を退くことなく受けるのだった。
「では。来るがいい」
「よし、それではだ」
「ここで貴様を倒す」
 四人はそれぞれ身構えアルデバランの相手をしようとしだした。彼等自身でアルデバランを倒すつもりだった。だがここでまた。新たな俳優が登場するのだった。
「やっと間に合ったな」
「むっ!?」
「この小宇宙は!?」
 狂闘士達は一斉に今姿を現わした強大な小宇宙に顔を向けた。そこにいたのは。
黄金の翼を持つ男だった。精悍な顔立ちには気品も併さっている。黄金の聖衣を身にまとっている。その彼が今空中庭園にその姿を現わしてきたのであった。
「貴様はまさか」
「サジタリアスか」
 狂闘士達はすぐに彼が何者かを察した。
「サジタリアスのアイオロス」
「来ているとは感じていたがここで姿を現わすというのか」
「アルデバランよ、済まない」
 空中庭園に姿を現わしたアイオロスはまずアルデバランに謝罪の言葉を述べてきた。
「遅れてしまった。ようやく到着することができた」
「いや、いい」
 だがアルデバランはそれをいいとするのだった。
「貴方には貴方のやることがあったのだろう」
「別になかったのだがね」
 そのことは笑って否定、若しくは隠すのだった。
「ただ。遅れただけだ」
「ならそれでいい」
 やはり小さなことは気にもかけないアルデバランだった。
「それよりもだ。ここに来たということはだ」
「そうだ。私も戦わせてもらう」
 アイオロスは本題に入った。
「私も。それでいいか」
「それでは俺の相手は」
 アルデバランはアイオロスのその言葉を受けてドーマと四人の狂闘士達を相互に見た。そのうえで考えるものをその顔に浮かべるのだった。
「どちらになるか」
「君はモロクに向かうといい」
 アイオロスはそう勧めるのだった。
 
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