ガンダムビルドファイターズ ~剣聖の煌めき~
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開幕! 後編
「もう………! 」
「一発っ………!! 」
またお互い距離を詰め、今度は左拳と左手の掌底が激突する。今度はすぐにお互い弾かれたが、吹っ飛ばされた距離はアストレイレッドフレームの方があった。
「まだだよっ! 」
手のひらを地面に着けて受け身を取ろうとすると、両腕が砕け散ってしまった。
「うわっ!? 」
急なことで受け身が取れず、そのまま地面に倒れこんだ。
攻撃に耐えきれなかったの……!?
「どうやら、ここまでのようだな。両腕が無い今、戦うことは出来ないだろう」
シャイニングガンダムはこちらを一瞥したあと、背中を向けて歩いていった。
「…………しかし、噂以上ではあったな」
シャイニングガンダムの両腕に亀裂が入っているのを確認すると、バトル中断のアナウンスが鳴った。
ーーー--
「ミヤモト ユウ。いいバトルだった。精進しろよ」
そう言い、メガネの人は立ち去っていった。
「…………強かったなぁ」
けど、次元覇王流なんて聞いたことない。マイナーなのかな?けど、あんなに鋭い技なら、少なくとも聞いたことはあるはずだけど。
「おーし!次は俺とバトルをしようぜ! 」
考え事をしていると、また別の人が対戦を挑んできた。それと同時に、携帯電話が鳴った。
取り出して相手を確認してみると、相手はミサキちゃんからだった。
「ごめん!今日はここまでにしとくよ! 」
そう言い、お店の外に出て電話に出る。
「もしもし!久しぶり!元気にしてた? 」
『そっちは相変わらず元気そう…………それより、今どこにいるの……? 』
「いつものお店だよ!そういえば聞いてよ!さっきスッゴく強い人と戦ったんだけど、ギリギリのところで負けちゃったんだよね! 」
『そう………ミヤモトさんは初心者のわりには強いけど、あくまでも素人だから仕方ない……』
「そうだけど、前に戦ったカワグチさんとはまた別の強さで、『次元覇王流』っていう流派の技が凄かったよ!技も鋭くてキレもあったし、炎みたいに燃え上がってたし、かっこよかったよ! 」
『…………多分、その人知っている人かも……』
「そうなの?有名な人なのかな? 」
『違うけど、多分有名になる…………有名と言えば、この地域ではあなたも有名……』
あれ?そうなの?確かに人が多くなってきたけど、地域レベルで有名になってたんだ。
『〇◇店のある時間に現れ、圧倒的剣術で敵を切り伏せる武士がいる…………っていう噂が、ガンプラバトルをやっている人達に広まったみたい……』
「そうだったんだ………けど、おかげでいろんな人達とバトル出来たし、いいよね! 」
「そう言うと思った……」
電話越しからの声と、人から発せられる声が重なった。後ろを振り返ると、ミサキちゃんが携帯電話を片手に立っていた。
「久しぶり……」
「久しぶり! 」
お互い携帯電話をポケットに入れ、ミサキちゃんに抱きつこうと飛び込む。
「抱き付かないで……」
「あー、ごめんごめん! 」
ミサキちゃんから離れると、何故か小さく溜め息を吐かれた。え?そんなに嫌だったの!?
「とりあえず、ガンプラ出来た……」
そう言ってミサキちゃんは、肩に掛けてる鞄からガンプラを取り出した。
「アストレイレッドフレーム改をベースに、ミヤモトさんように改造した……。主武装となるガーベラストレート/タイガーピアスは、一からフルスクラッチをして強度、切れ味を通常の倍にしてある…………改めて名付けるなら、月光刀 望と月光刀 朔夜……。
バックパックはバランス型のエールストライカーに変更…………バーニアも増設して作り込んだから、機動力も上がってる…………本体は赤白から、ミヤモトさんの好きな紫と白に変更したから……。
そして、ビームライフルは見た目はそのままだけど、金属パーツを入れたから出力を上げての攻撃も可能…………シールドはガンダムエクシアの物に変更して、先端にはビームサーベル機能も追加した……。
更に…………」
そこから約十五分近く、ミサキちゃんが作ってきたガンプラの説明を続けてきた。
僕は最初の段階で頭がパンクしそうになり、頭から煙が出てるんじゃないかと思ったよ。
「…………以上、あなたのガンプラについての説明は終わり……」
っと、ガンプラについての説明が終了した。正直、ガンダムを知らない僕には全然ついていけなかった。
「…………よ、よく分からなかったけど、分かったよ! 」
「…………そういえば、あなたはガンダムは知らなかった…………ごめん、つい夢中になって……」
と、俯いて謝ってきた。
「大丈夫!気にしてないよ! 」
っと、ミサキちゃんに抱き付きながら言う。さっき注意されたばかりだけど、仕方ないよ!だって可愛かったんだもん!
「ミヤモトさん……苦しい…………」
「ごめんごめん! 」
名残惜しいけど、すぐにミサキちゃんから離れた。
「ふぅ…………とりあえず、機体名だけでも分かった……? 」
「うん!そこはちゃんと分かったよ! 」
「ならいい………あとは実際に動かして……」
「OK!…………って言いたいけど、稽古の時間がもうすぐだから、また今度でいい? 」
「うん…………ガンプラはあなたが持ってて……」
そう言われてガンプラを受け取り、手を振ってミサキちゃんと別れる。
「じゃあねー! 」
「うん……」
ーーー--
そして一週間後。遂にガンプラバトル大会inヤザワカップの日が訪れた。
大会を行うヤザワ商店のバトルシステムの前に、僕とミサキちゃんは立っていた。
「すぅぅ~…………はぁぁ…………」
自分の胸に手を当て、深く深呼吸をする。
「緊張してる……? 」
「………うん、まあね。始めての大会だから、いったいどうなるのかなって。
けど、大丈夫!緊張もあるけど、それ以上にワクワクしてるから! 」
「そう………じゃあ行こう……」
「うん! 」
『さあ、準備は出来ましたか!?では始めるぞ!ガンプラバトル…………スタァァァトォォ!! 』
『GUNPLA BATTLE combat mode』
『Startup』
『Model Damage level Set to C』
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle 』
『Dispersal』
フィールドは、いつものお店で見るよりも広大で、宇宙空間から地球圏内まで広がっていった。
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「モチヅキ ミサキ……ガンダムステラ……出ます」
「ミヤモト ユウ!ガンダムディザイア!!行くよ!! 」
フィールドには計36組のチームが出撃した。僕達が出た所は宇宙空間だった。
ヤザワカップは、スコア制で予選を行い、上位16チームが本選へと進めるらしい。そして、まず行われたのが、このバトルロワイヤル。
制限時間内に生き残っていれば、ポイントを得られるらしい。また、倒した敵の数だけポイントも上乗せらしい。
「行くよ、ミサキちゃん! 」
「うん………」
フィールドに出て進んでいくと、向こう側からも二機が向かってきていた。
「ゲルググにエルメス…………エルメスにはファンネルがあるから気をつけて……」
「了解!やるよ、ガンダムディザイア!! 」
ブーストを加速し、二機へと一気に接近していく。その速度は、アストレイレッドフレーム フライトユニットとは段違いの速度だった。
『速い!? 』
ゲルググとエルメスが迎撃をしてきたが、シールドを使わずに、全て回避していく。
「ミヤモトさん………回りを見て……! 」
ミサキちゃんに言われ周囲を見ると、エルメスのファンネルで囲まれていた。
「大丈夫っ! 」
ファンネルを気にせず、そのまま前進していく。しかし、狙われてたかのように、背中に向けて一斉に攻撃してきた。
「まだ上がるよ! 」
更にブーストを加速させ、ファンネルの攻撃を置き去りにする。
『避けた!? 』
『ならっ! 』
ゲルググがビームナギナタを構えて接近してきた。ビームナギナタの間合いに入ったところで水平に斬り払われたが、斬り払われるよりも速く月光刀 望を抜刀し、ゲルググを右腰から左肩にかけて斬り伏せた。
そのまま勢いを乗せ、迎撃を回避しながらエルメスまで接近する。
「双天流!弐の型!! 」
月光刀 朔夜を抜刀し、逆手持ちにして水平に斬り払う。そこから逆手から持ち替え、月光刀 望と朔夜で左右から水平に斬り払う。そして、二度左右から斬り払う。
エルメスも一気に斬り伏せ、二刀の刀を鞘に納める。
「お疲れ………と言っても、まだ終わってないけど……」
後ろから、ミサキちゃんのガンダムステラが来た。
「うん」
フィールドの地球を見て返事をする。
………………。
「?どうしたの……? 」
「なんでもないよ!それより、次を探しに行こっか! 」
「うん……」
そう、なんでもないよ。ただ、改めて思っただけなんだ。やっぱり、ガンプラバトルは面白いってね!
後書き
さて、ガンプラバトル大会に突入!ここまでは順調なペースでの更新ですね…………この5ヶ月間は、本当に忙しかったから書く時間もありませんでしたからね。
さて、正直これからの流れを決めていないので、ガンダムブレイカー3をやりながら考えたいと思います。
では、また次回お会いしましょう。
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