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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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302部分:第四十一話 再襲撃その四


第四十一話 再襲撃その四

「あの御仁がこのガムを売っているのか」
「ええ、これグラード財団のものですよ」
「日本から輸入してきたんですよ、あの人が」
「そうだったのか」
 アルデバランは今そのこともまた知るのであった。
「あの御仁も何かと忙しいな」
「そうですよね、全く」
「あんないかつい顔して結構気が利きますし」
「少なくとも悪い男ではない」
 アルデバランもそれは感じ取っていることであった。確かに辰巳という男は顔は怖いがその心根は真っ直ぐであり好感が持てるものである。
「アイオリアともよく気が合うしな」
「アイオリア様とですか」
「そういえば」
 青銅の者達はアイオリアの名前を聞いてまた話すのだった。
「あの人とは気が合う感じだよなあ」
「確かに」
「まっすぐだしな」
「髪の毛はないけれどな」
「それは言うな」
 髪の毛についてはアルゲティが注意した。
「それだけはな」
「おっと、そうだったな」
「あとあれだよな。ジャミアンも」
「ジャミアンの前でそれ言ったら速攻で殺されるぞ」
 そんな話もされるのだった。実際にジャミアンはそう言われてその相手を即座に殴り飛ばしたことがある。それだけ頭にきたということなのだ。
「だからそれはやるなよ」
「ああ、わかってるさ」
「それはな」
 青銅の者達もそれはわかっているのだった。
「しかしな。それでもな」
「髪の毛はなあ」
 髪の毛については誰もが注意がいくので仕方がなかった。そう言えた。
「こればっかりはな」
「どうしても目立つからな」
「しかしそれでも言わないに越したことはない」
 アルデバランも注意する。
「それが気遣いというものだ」
「いえ、わかってますけれどね」
「それは」
 わかっていても、ということである。ついつい言わずにはいられないのである。そういうことだった。所謂悪戯心というものである。
「けれどまあ」
「止めるように努力はします」
 あまり信用できない言葉であった。しかしそれでも言うことは言ったのだった。
「それでアルデバラン様」
「やっぱり辰巳さんとお知り合いなんですね」
「店にも行った」
 デスマスクに連れられて黄金全員で行ってからそれなりに馴染みの店となっているのである。だから結構顔見知りになっているのだ。
「美味いな」
「和食ですか」
「美味いんですか、あれって」
「そうだ、美味い」
 はっきりと答えるアルデバランだった。
「身体にもいいしな、あれは」
「ああ、和食ってかなり身体にいいそうですね」
「魚に大豆ですよね」
「魚は刺身や天麩羅にする」
 アルデバランはまずはそちらから話した。
「海老や貝もな。魚介類は全部そうしていく」
「生で食べるっていうのも」
「俺達はあまり抵抗ありませんけれどね」
 この辺りは彼等が海の国であるギリシアにいるからであった。海に多く面している国にいればそれだけ海のものを食べるようになる。これは常識であった。
「けれどやっぱり凄い食べ方ですよね」
「日本人っていうのは」
「そして大豆は豆腐等にする」
 そして大豆はそうして調理するのであった。
 
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