聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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281部分:第三十九話 炎の魔神達その四
第三十九話 炎の魔神達その四
「妙ですね」
「妙とは?」
「マーテル様、何かあるのですか?」
「本来ならば防ごうとするかかわそうとします」
彼女はこう他の狂闘士達に対して言うのだった。
「しかし。タウラスは」
「!?そういえば」
「あの男」
他の狂闘士達もここで気付いたのだった。
「かわそうとも防ごうともしない」
「一体何故だ?」
「どういうつもりだ?」
そのアルデバランを見て眉を顰めさせるのだった。
「何もしないというのか?」
「まさか」
「このアルデバランの戦いを見せてやろう」
そのアルデバランがここでこう言ってきた。
「今からな」
「!?何を考えているのだ?」
「アルデバラン様、一体何を」
狂闘士達だけではなかった。聖闘士達も言った。
「何をしようとしているのだ?」
「このままではモロクの攻撃を受けて」
倒されてしまう、誰もがそう思った。それぞれいぶかしむ表情を浮かべながらアルデバランの今の行動を見る。ドーマの技が今にも迫ろうとする。しかしここで。アルデバランは腕を組んだままであったがそれでもここでまたあの技の名を叫ぶのだった。
「グレートホーーーーーーーン!」
「グレートホーンだと!」
「先程の技か!」
狂闘士達はその技の名を耳にして言った。
「その技でドーマ様の攻撃を弾き返そうというのか!?」
「まさかとは思うが」
「いや、そのまさかだな」
「そうだな」
だがそれを見たモーゼスとアルゲティが言う。
「アルデバラン様はそれで防がれるおつもりだ」
「モロクの技をな」
彼等はわかったのだった。しかしそれでもだった。安心することはできなかった。
「しかし大丈夫か?」
「今のモロクの技はかなりのものだ」
だからなのであった。
「如何にアルデバラン様の拳といえど」
「果たして」
彼等も流石に危惧していた。果たしてアルデバランがドーマの攻撃を防げるのかどうか。しかしアルデバランはそれを前にしてもいつもと変わらない。
そうしてだった。ドーマのゲヘナハンマーに対して。あの技で弾き返したのだった。
「何っ!?」
「何だと!?」
狂闘士達はそれを見て驚きの声をあげた。
「ドーマ様の技をだと!?」
「弾き返しただと!」
「やった、やはりアルデバラン様の技は」
「モロクの攻撃に対しても効果があったのか!」
聖闘士達はそれに対して喜びの声をあげる。この辺りは正反対であった。
「疑って申し訳ありませんでした」
「やはりアルデバラン様だけはあります」
「謝る必要も驚く必要もない」
アルデバランだけが冷静であった。
「これが現実だからな」
「現実、ですか」
「攻撃を弾き返したのが」
「そうだ。それこそがだ」
それが現実だろいう冷静な言葉であった。
「見ての通りだ。俺はモロクの技をグレートホーンで防いだのだ」
「くっ、見事と言うべきか」
「おのれタウラス」
狂闘士達は忌々しげに声をあげる。だがどうにもならなかったのだった。
「だが。それでもだ」
「これで終わりではないぞ」
それも彼等は顔をあげていた。それはやはりドーマを知っているからだった。自分達を率いるその八大公の実力を知っていたからである。
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