聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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268部分:第三十七話 砂漠においてその八
第三十七話 砂漠においてその八
「それでこの俺だ。御前達は車に乗れる年齢だったか?」
「ま、まあそうだけれどな」
「まだそれにはな」
彼等はまだ若い。車の免許を取れる年齢にはまだ達していなかったりするのだ。これは多くの青銅の者達に共通して言えることであった。
「実はまだ免許持っていないんだよな」
「悪いな」
「だから俺達が運転する」
アルゲティがあらためて述べる。
「それでいいな」
「別に問題はないと思うが」
「いや、それはわかったんだけれどな」
「二つ程気になることがあるんだよ」
しかし彼等はまだ言うのだった。
「ちょっとばかりな」
「それ、言っていいかい?」
「!?何のことだ?」
「何でもいいから言ってみろ」
二人は彼等の戸惑うような声にいぶかりながらもこう返した。
「別に怒ることはない」
「だからだ。何だ?」
「あんた達物凄くでかいからさ」
「アルデバラン様もそうだけれど」
実はこの二人は白銀聖闘士達の中で屈指の巨体の持ち主である。アルデバランに至っては黄金聖闘士、そして聖域で最も大きな男である。
「車に乗れるよな」
「日本車って結構小さいけれどよ」
彼等が言うのはこのことだった。車に乗れるかどうかということなのだ。
「乗れるんだよな、本当に」
「俺達も」
「それは安心しろ」
モーゼスは穏やかに彼等に答えるのだった。
「キャンピングカーを頼んでおいた」
「あっ、そうなのか」
「だったらいけるな」
「そうだよな」
「心配しなくていいな」
青銅の者達はキャンピングカーと聞いて顔を見合わせて明るい声になった。
「何だ、だったら安心していいな」
「それはな。だよな」
「よかったよかった」
「この俺が普通にワゴン車に入ればだ」
アルデバランの言葉だ。
「残念だがそれだけで一杯になってしまうからな。身体が大きいというのも考えものだ」
「まあアルデバラン様が悩まれることじゃないですけれど」
「それは」
彼が言葉を出すと青銅の者達も恐縮するしかなかった。
「別に気にされることじゃないですよ」
「そうそう」
「これはそういうことだ」
アルゲティがまた彼等に告げる。
「しかしもう一つあったな。それは何だ?」
「そうそう、それそれ」
「それなんだけれどな」
彼等はここでまた言うのだった。
「ここに車が来るんだよな」
「そのキャンピングカーが」
「そうだが」
アルゲティはそれがどうかしたのかといった口調だった。
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